2012年5月11日 (金)

おしらせ0511

GWも終わって、妙な天気が続くものの、ようやく暖かくなってきましたねー。こないだ現場でセミ鳴いてましたもん。びっくりです。

さて、一身上の都合により、5月末まで島流しの刑に処せられることになりました。という訳でブログの更新はおろか、コメントの返信、はては携帯電話すら使えないという状況に陥ります。

と言う訳で、5月いっぱいはコメントを認証制にさせていただきます。そしてコメントくださっても私が認証できないので表示されません。申し訳ないですが、ご了承くださいませ。

これだけの記事ですとなんか侘しいので、ひとつ情報を。

【ロープレンチは使えるかどうか?!】
個人的な感想ですが、ロープレンチは使えます。ただ状況をめっちゃ選ぶような気がします。状況にはまればすごい便利だけど、基本的に私はDdRTのほうが好き。

なにはともあれ、ロープレンチに快適な登攀性能を求めるのは間違いでしょう。DdRTのほうが登りやすい場面が多いです。そしてフットアッセンダーは必須だと思います。ハンドアッセンダーは使わない方がシンプルでいいような。どんな登り方であってもヒッチが弛まないように絶対気をつける必要があります。

ロープレンチのメリットはずばり「多段リダイレクト」にあります。リダイレクトを何回とってもヒッチとロープの流れに影響がない、これこそが真髄です。リダイレクトを多段階にとることによって荷重分散を促したり、枝のしなりでダイナミック性能を獲得したり、一枝折れても他の枝でバックアップできたり。対象木とは違う樹木からアンカーをとる場合にも便利です。どんだけ枝に干渉しても問題ないですから。

それ以外の場合ではDdRTのほうが何かと優れている気がします。ロープレンチはDdRTとSRTの基礎知識が必要になりますので、DdRTに慣れていない人はもちろんのこと、SRTに慣れていない人も簡単に使えると思わないほうがいいです。

こんなとこでしょうか。なんせ甘く見ないほうがいいです。そうそう、言い忘れていましたが、ロープレンチ使うならリリースピンは必須です。たぶん。

【おまけ】
私の知る限り、日本で一番ロープレンチを使いこなしているであろうポールさんが、アウトドアショップKさんのホームページでツリーワーク解説をされているので、良ければご覧くださいませー。勉強になりました。ついでにサポートページ(左カラム下あたり)も面白い情報がいっぱいですよ。(こちら→http://works-odsk.jp/)。

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2012年4月28日 (土)

何を選ぶかよりも、選んだ理由が重要だと思う (トラッドシステム問題を例にして考える)

「様々な選択肢の中から最善のものをチョイスできる、それこそがプロなんだよね」

先日、大師匠から聞いた一言です。この言葉通りではなかったかもしれませんが、まあそういう意味のことをおっしゃった訳ですよ。これに私は大いに賛同したい!

まあプロかアマかといった問題でなくても、木登りという行為は大前提として自己責任でやるものですし、クライマーひとりひとりが自分自身の木登りシステムをきちんと理解しておく必要があると思うのです。

そして、どんな状況でもこれが一番便利!って言えるような万能なシステムは間違いなく存在しないっすね。どれにも何かしらの利点があり、同時に何かしらの欠点があります。選択肢ひとつひとつの特徴を踏まえて、その時の状況に合致するものを柔軟にチョイスするる。これが一番ベストでしょう。

何をチョイスするかということはリスク管理と直結しています。どの危険性を排除するか、または危険性を踏まえた上でどんな安全策を講じるのか、こういったことを積み重ねが自分なりのスタイルになっていくのではないでしょうか。

まあこんな概念論だとピンとこないですよね。書いている私だって訳がわかりませんもん。具体的にやってみましょう。

【トラッドシステム問題】
今回はトラディッショナル・クライミングシステムを例にして考えてみます。DdRTシステムの中で一番シンプルで美しいですから。下のイラストをご覧ください。これがトラディッショナルクライミングシステムの本質です。これにフリクションセーバーをかませばもう完璧っしょ。

Photo

5問ありますが、とりあえず第1問を考えてみましょうか。(ちなみに問題の選択肢に特に深い理由はありません。)

Q.1 アタッチメントノット どのノットを選ぶか。その理由を述べよ。

  •  1.フィギュアエイト・オン・ア・バイト
  •  2.バントラインヒッチ

  •  3.アンカーヒッチ
  •  4.ボウライン with ヨセミテタイオフ
  •  5.その他 
  • うーん…難しいですね。私なら、ここに出ていないダブルフィッシャーマンズループですけど、あれはカラビナを締め付けすぎる時があるからなあ。アンカーヒッチとバントラインも好きですけどね。

    簡単に私の判断基準を述べますと…

    ・個人的にテイルが上方向に出る方が好き。
    これはもう完全に私の趣味です。これに当てはまるのは、上記で言うとダブルフィッシャーマンズループとフィギュアエイト・オン・ア・バイトとボウラインwithヨセミテタイオフの3種類。アンカーヒッチとバントラインは横向きに出ます。縦向きと横向き、どっちのほうが便利なんでしょね?

    ・ヒッチ系が好き
    ヒッチ系はカラビナを締め付ける特性があるので、クロス・ローディング(マイナーアクシスへの荷重)の危険性を減らせる。それにカラビナから外すと結構簡単にほどくことができる(これは逆に危険でもある)。

    ・ノット系はやだ
    ノット系はどれだけアイを小さく作っても、カラビナが空転してしまう可能性がヒッチより高いと考えています。常時カラビナに荷重がかかっているならノットでもいいんでしょうが、枝に乗ったりする機会があるとカラビナへの荷重は減ります。枝に乗って遊んでいる間にうっかりカラビナが空転して、次に荷重した時にはクロスローディングっちゃう…というドラマが目に浮かんでしょうがない。だからあまり好きになれません。

    …とまあ、こんな事やそれ以外の事も加味して考えています。

    別にどのノットを選んでもいいと思うんです。フィギュアエイト・オン・ア・バイトだってカラビナが空転するリスクをうまく制御できるなら充分使えますし。

    何を選ぶかってより、その選んだ理由とリスク管理が大事なんだと考えています。そしてそれを支える知識が重要。それらが揃って初めて柔軟な選択ができるようになるんだと結構真剣に思いますね。少なくとも、自分が常用しているノットについて「何故それを選んでいるのか」を説明できるようにしておいたほうがいいんじゃないでしょうか。

    (その他の問いについて私の個人的な解答は差し控えます。書き出したらきりがないので。気になる方はメールください。)

    【余談】
    だから、もし誰かに教えてもらう時があるとして、「トラッドシステムのアタッチメントノットには何がいいかな?」っていうような質問に対して、「これ!何も考えずにこれでいけ!」みたいに理由なく答えるような講師には充分気をつけてください。その人は残念ながら何にもわかっていない可能性があるので、言うことを鵜呑みにしないでください。もしくは単に面倒くさがっているだけの可能性もあるので、その理由を聞き出すべく、必死に食い下がるべきだと思います。

    事故って死ぬのは自分ですからねー。自分で自分の作業システムに責任を持てるくらい、勉強していきましょう!いや、私はしていきます!

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    2012年4月26日 (木)

    シリウスループは駄目なのか…??

    先日、Teufelbergerトイフェルベルガーの「Sirius Loop」を買ってみた訳です。どんな道具かっていうと、ロープを縫製処理してスリングにしたもの。ロープスリングです。

    レスキューとかの時に強度・信頼性の高いプルージックコードとして使っていこう!と個人的に考えていたんですが、本日、トイフェルベルガーのサイトにて、こんな一文を見つけてしまいました。

    Do not use this product to secure persons or for hoisting purposes in terms of the European Directive 2006/42/EC.

    in term of がどこまでかかっているのかよくわからないんですが、まああれですよ。前半部分に「この製品を個人の確保に使うな」と書かれているんです。私の想定していた使い方は、このループをプルージックしてDdRTのアンカーとして利用する方法でして、つまり私自身を確保するアンカーなんです。

    ということは私の使用方法は駄目ってことなのか…? 買ったばっかりなのに……。某所にレスキューにも使えるって書いてあったのに……。

    残念ですがまあしょうがない。それよりも何故ダメなのかを考えていきます。よっ前向きだねっ!(←カラ元気)

    まずSirius Loopのスペックを。
    ・ロープ…10mmシリウス
    ・強度…22kN以上
    ・適合規格…EN566

    【EN566だけなのが問題なのか?】
    いきなり結論を言いますと、きっとEN566しか取得していないからだと思います。EN566はスリングの規格でして、テスト方法はこちらのリンク先を参考にしてください。ソウンスリングとか、エクスプレス・スリング(俗称ヌンチャク)とかを想定しています。

    で、実はアンカーとして使用する場合、EN795Bの認証を受けている必要があるんです。例えば…同じくトイフェルベルガーのringLOOP。リンク先を見てもらえばわかりますが、これはEN795Bに適合しています。他にもPetzlのツリースビーですとか、ARTのロープガイドなどもEN795Bに適合しています。

    EN795Bのテスト方法がよくわからないので何とも言えませんが、まあきっとこの辺の違いがポイントなんではないかと!思うのです。

    【EN795Bだけの問題じゃないみたい】
    とここまで書いて新しい事実が。同じくトイフェルベルガーの「OP Loop」ってのがあるんですが、これはEN566とEN795Bの両方に適合しています。そしてこれの説明にシリウスループと全く同じことが書かれていたのを発見してしまいまして…。

    うーん、これは一体どういうことだ?「Do not use this product to secure persons」の意味を私が取り違えているのか?それとももっと違う理由? 

    いや待て待て、OPLoopにはこんな文章もあります。

    「Such is the durability of this product, TÜV have stated that after arresting a fall, Ocean Polyester Loops may be safely retained in service for the duration of an ongoing rescue (for EN 795B). 」

    むむ?TÜVってのは認証審査を行う会社です。墜落した後でも、オンゴーイングレスキュー(たぶんオンサイトレスキューと同義)している間は安全を確保するだろうと、TÜVは言っている…って事でしょうか。

    【結論…よくわからない!】
    なんか益々わからなくなってきました。まあ今から買うなら注意書きのないRingLOOPの方が良いような気もしますが、わがSirius Loopもですねえ、プルージックループとして使うならアンカーにしていいような気もしてきたぞ。うーん、わからん。

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    2012年4月18日 (水)

    カーボンスリムフィッシャーを改造する

    以前から私はDENSANのブラックフィッシャーを愛用しています。いわゆるケーブルキャッチャーでして、本来は電気屋さんが屋根裏にケーブルを這わす為に使う道具です。簡単に言えば竿っすよ、竿。

    で、5m(DBF-505)と10m(DBF-1000L)のふたつを持っていまして、10mはスローラインを枝張りのややこしい樹木にかける用、5mは樹上で遠くのロープを手前に引っ張ってくる用(&樹上でスローラインを掛ける用)として使っていました。

    特に5mはすごく便利でしてねー。リギングのアンカーから離れた場所で作業している時に、リギングラインを手元に引っ張るのに重宝していました。他にも隣の木にスローラインを引っ掛けて手元に戻す時とか。

    ところがどっこい先日の現場で5mを無くしてしまいました…。山のように積みあがった残置枝の下にうずもれてしまったみたいでして、必死に探したんですが、結局見つからず。

    しょうがないので新しく買ったのがこれ。同じくDENSANの「カーボンスリムフィッシャー5mショートDSF-5000S」です。

    Dsc02137_s

    ブラックフィッシャーと比べると、収納時長さ41cm→36.5cmに短小化、直径43mm→32mmにスリム化、重量800kg→420gに軽量化!…といい事ずくめ。定価は20000円と高価ですが、ネットショップだと7掛けくらいで買えるので、まあしょうがないかってところです。

    で、このカーボンスリムフィッシャーなんですが、見てのとおり、カラビナを引っ掛けるところがありません。このままではハーネスにぶら下げにくいので、スリングをくっつけましょう。

    【スリングの取り付け方】
    必要な道具
    ・適当な長さのスリング(細引きでもOKだか、スリングがBest)
    ・電気絶縁テープ(ビニールテープ)

    細引き(小径コード)でもいいんですが、テープスリングの方が小さくまとまるのでGoodです。強度は適当に。長さは40cmもあればいいんじゃないでしょうか。

    ビニールテープでも電気絶縁テープでもいいんですが、NGなのは「NITTO」のビニテ。あれだけは絶対許せない。NITTOじゃなかったらビニテでOKなんですが、ホムセンの接着テープ売り場のビニテはほとんどがNITTO製。なので、しょうがなく電気用品コーナーで絶縁テープを買う訳です。

    方法
    1、スリングを二つ折りにして、下向きにセットして、ビニテを巻いていきます。これがコツ。
    Dsc02139_s

    2、スリングの半分くらいまで巻いたら、スリングを折り返します。そしてビニテで巻いていく。

    Dsc02140_s

    Dsc02141_s

    3、カラビナをかける分だけスリングを残します。あとはビニテを気が済むまで巻いていけば終了。

    Dsc02142_s

    完成したらこんな感じになります。テープを巻いた領域が広くなりすぎた気もしますが、良い感じに仕上がりました。

    Dsc02145_s

    まだまだ改造は続きます。

    【フックの改造】
    必要な道具
    ・太い針金
    ・テープ

    この竿の先端はフック形状になっていまして、ロープを引っ張るのは申し分ないのですが、スローラインのウェイトを引っ掛けるのは苦手です。そこでS字フックを取り付けます。先端器具のオプションでS字フック(別売り)もあるんですが、いかんせんお金がもったいない。自作しちゃいます。

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    方法

    1、針金を用意します。なるべく堅いほうがいいですが、加工との兼ね合いがあるので難しいところ。ハンガーの針金は柔らかすぎてダメです。長さはそんなにいらないんですが、短いと今後の加工がやりにくいです。長い分には切ればOK。

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    2、このようにS字加工します。針金が堅くてかなり苦労しました。10分くらいかかったかな。

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    3、セットはこんな感じ。上向きの凹をもうちょっと大きくしたら引っ張りにも使えたなあ。まあいいや。そしてビニテで巻きつける。

    Dsc02150_s

    4、完成しました。おー良い感じに仕上がったぞ。気持ち良い天気のおかげかな。そんなこんなのカーボンスリムフィッシャー君でした。

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    【余談】
    えー、この道具、まあ確かに便利なんですが、ちょっと高価すぎるという欠点があります。もうちょっと安い代用品を考える場合、普通の釣り竿じゃあ柔らかすぎてダメなんです。でもね、釣りにつかうタモなら代用できる気がします。色々と探してみてはいかがでしょうか。いいのあったら教えてください。すごく悔しがると思います。
    (※探すときは仕舞寸法に注目してください。長いとメッチャ邪魔です。40cmくらいが目処かな?)

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    2012年4月14日 (土)

    DdRTの力学 その1 基本編

    今回はDdRTシステムの力学について。早速ですが問題です。以下のイラストをご覧ください(クリックで拡大します)。

    Img_0001_01_2

    ※トップアンカーの摩擦、ロープの伸び率などは無視してください。

    問題①

    Tom君の体重は60kgで、DdRTシステムにぶらさがっています。フリクションヒッチのコードはよく効いています。

    1.静止した状態で、トップアンカーにかかる荷重はいくつでしょう。
    2.腕の力で登攀したい場合、Tom君は何kgの力でロープを引っ張る必要があるでしょうか。
    3.Tom君の登攀動作のストローク幅が50cmの場合、一回の動作で登攀できる距離は何cmでしょうか。


    問題②

    Tom君の体重は60kgで、DdRTシステムにぶらさがっていました。が、Tamiaちゃんが地面からロープを持っていてくれると言うので、彼女を信じてフリクションヒッチを緩めました。
    現在、フリクションヒッチは完全に緩んでおり、Tom君はTamiaちゃんの腕力で支えられてます。

    1.静止した状態で、トップアンカーにかかる荷重はいくつでしょう。
    2.Tom君を吊り上げる場合、Tamiaちゃんは何kg以上の力でロープを引っ張る必要があるでしょうか。
    3.Tamiaちゃんの動作のストローク幅が50cmの場合、一回の動作で登攀できる距離は何cmでしょうか。

    簡単そうに見えて奥が深く、分かってしまえば実に簡単です。木登りするなら、これくらいは知っておいたほうがいいかと思います。


    正解は「続きを読む」の方に!

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    2012年4月 4日 (水)

    Armor Prusを分解して遊ぶ

    ニュージーランドのロープメーカーDonaghys(ドナジー)が発売している、Armor-Prusっていうフリクションコードがあります。こないだ暇だったので、このコードを分解して遊んでみました。その結果をお伝えします。

    ちなみにDonaghysのメーカーサイトはこちら。日本代理店はこちらっす。Donaghysはマリン系のロープメーカーでして、日本代理店もそういったノリのお店です。木登り関係の話を聞いても、代理店が把握していない可能性は充分考えられますので、質問する時はお気をつけて。(どうでもいいけど、日本代理店のサイトでは「オーストラリアのロープメーカー」となっています。どっちが本当なんだろ?)

    現段階で私が知っているArmor-Prusの仕様はこちら。
    Armor-Prus (8mm)  (他に10mmもあり)
    構造:ダブルブレイド
    外皮 テクノーラ/ポリエステル
    内芯 スペクトラ900/ケブラー (6つはスペクトラ100% 2つは50/50%)
    指定スプライス クラス2 ? 
    Tensile Strength 2800kg

    では分解の様子を、写真を交えてどうぞ。

    Dsc02092_s→① これがArmor-Prusです。写真のものは8mm。スプライス練習した余りです。Armor-Prusは結構いい値段するので練習にはもったいないんですが、すごくスプライスしやすいです。内芯のスペクトラのおかげかな。
    まあ私は「フリクションコードは買う」派なので、練習する必要なんてないんですけどね。余程のスプライス好きじゃない限り、フリクションコードは自作しないほうがいいと思います。あまりにリスクが高い。

    Dsc02100_s ←② 外皮と内芯に分解してみました。 両者の長さがびっくりするくらい違いますけど、気にしないでください。こんなもんです(ほんと?)。
    外皮はまだら模様。YaleのImoriもこんな感じの模様ですよね。。スプライスの時、ストランドにマークしても目立ちにくいので、私はこの模様が好きになれないんですよねえ。同じ理由で黒い繊維を使ったロープも嫌いです。YaleのBandit、お前のことだ!


    Dsc02101_s_2→③ 外皮をストランドごとに分解。合計24本でした。つまり24ストランドってことです。外皮のストランド数を把握しておくことはスプライスの時に非常に重要になります。テーパーを作る時、計算が違ってきますんでね。
    写真の最下段、左から2個目を見てください。ストランドが更に2つに分離していますよね。Aromor-Prusのストランドは、Tenex TECみたいに2つで1ストランドになっています。なんかわかりにくい日本語ですみません。


    Dsc02104_s_2 ←④ 外皮のストランドを更に接写。2本で1ストランドっていう意味が理解していただけるでしょうか。
    黒色の束、緑色の束を撚ったものが1本であり、それを2本セットにしたものが1ストランドになります。うーん言葉で説明するとややこしい。わかりますかね?


    Dsc02103_s_2→⑤ 燃焼実験してみました。(単純にライターで炙ってみただけ。) 緑の束は燃えました。写真中央付近に溶けて黒くなった塊が見えます。それに対して黒色の束はわずかに溶けただけ。前述の仕様から鑑みるに、
    緑の束→ポリエステル
    黒色の束→テクノーラ
    ポリエステルとテクノーラをストランド単位ではなく、もっと手前の段階で混ぜ合わせている。外皮全体にポリエステルとテクノーラをまんべんなく配置するための手段なんだろうと思います。そのせいでまだら模様になるんです。


    Dsc02105_s ←⑥ 次は内芯を分解していきます。8ストランドですね。右上の2つだけ金色の束と白色の束が半分ずつになっており、残りは白色の束が2つで1ストランドになっています。
    ちなみにAromr-PrusやBee-Lineといった高性能フリクションコードには、何かしらの高性能繊維(ダイニーマとかスペクトラとか)が使われています。これらの繊維をカットするにはそれなりの刃物が必要です。私が使っているのはホムセンで買ってきた「鉄腕ハサミ」1000円くらい。刃の奥がギザ刃になってて切りにくいからあまりお薦めしませんけど。

    Dsc02109_s_2→⑦ 燃焼実験。手前側が燃やしたものです。白色はモニョモニョと溶けて縮んでいます。金色はちょっと黒くなっただけで燃えませんでした。仕様から想像すると
    白色→スペクトラ
    金色→ケブラー
    (スペクトラってのはHoneywell社の商標でして、ダイニーマと特性は全く同じと考えていただいて結構です。)



    【まとめ】

    色々と面白い発見があって楽しかったです。外皮のまだら模様にもちゃんとした意味があることに気付けたのは幸いでした。「アイロンの電源コードみたい」なんて言ってごめんなさい。

    あと内芯。内芯にスペクトラを使うのは流石マリン系メーカーって感じですね。ヨット用のロープを調べると頻繁に使われているんですよ。(ベクトランもよく使われていますけどね。)

    この結果は、気が向いた時に右カラムにある高性能コード仕様一覧に追加しておきます。

    ただやっぱりねえ、木登り屋がフリクションコードとして使うには、スペクトラ(ダイニーマ)素材は怖いっす。耐熱性があまりにも乏しい。いくらケブラーの束もちょっと入っているとはいえ、私個人としてはArmor-Prusをフリクションコードに使うのはあまり好きじゃないです。あの柔らかい感じは好きなんですけど…。

    どっこいところが!Treetoolsのブログによると、Armor-Prusの内芯をポリエステル素材に変更した「Armor-Prus Polyester」が新しく発売されるみたいです(参考リンク)。これいいなあ。

    個人的には、どうせフリクションコードなんて消耗品なんだから、いっそのこと内芯はポリエステル素材のほうが嬉しいんです。堂々とClass1スプライスできるし。高性能繊維はむしろ外皮に使って欲しい。この路線は今までオーシャンポリエステルしかなかったんですが、両者は感触が全然違う(OPは堅い、APは柔らかい)し、選ぶ楽しみが増えましたね。

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    2012年4月 3日 (火)

    WesSpurの2012カタログきましたー【今度こそホント】

    WesSpurの2012カタログがきました!今後こそ間違いない!

    http://www.wesspur.com/order-catalog.html

    ダウンロードが完了して、今から読むんですが…とりあえず表紙に突っ込んでみます!アッセンツリーでヨーヨーシステムやる意味ってあるんすかね?!

    ここから追記。

    【ロープ】
    み、見にくい…。このレイアウトはどうなんだ。SamsonのVortex、ランヤードにいいと思いません?ダブルブレイドだし、ロープ径が太いし。

    【フリクションコード】P.16
    おおっ、いつの間にArmor Prusが買えるようになったんだ。ってこれってバルク売りのみかな? 

    【スプライス道具】P.17
    うおおおおおおおっ!Wire Fidが売ってるじゃん!しかも2.5ドルかよ!これメチャクチャいいですよ。 しかもラブアダブマーカーまで(Sharpieってやつ)!

    【スローウェイト】P.26
    あれ?普通の布製っぽいウェイトも売ってたんですね。知らなかったです。

    【クラミングキット】P.36
    SRTキットが増えましたね。ロープレンチキットとRADSキット(ヨーヨーシステム)のカラビナってロックエキゾチカのオーバル型なんですね。何か微妙に悪意を感じます。あれってカラビナのオープン時のプッシュ方向が逆なんですよねえ。

    【ランヤード】P.46
    スターリンのTriTech を使ったランヤードが登場しましたね。あれってどれくらい耐切創性があるんでしょね?

    【ハーネス】P.50~
    おおっ、NewTribeのレク用ハーネスがバージョンアップしてる。前モデルのほうが腰に優しそうじゃない?と思うんですが、そもそも前モデルも使ったことないのでよくわかりません。

    【アッセンダー】P.65
    KONGのFuturaシリーズが買えるようになったのか。

    【プーリー】P.77~
    ああっ!クートニープーリーだ!(P.79の右下) これ気になってたんですよね。ノットがパスできる大きさなんですよ(笑)。ボトムアンカーのトップにこれを突っ込んだら便利じゃないかと思うんです。

    【クラミングブーツ】P129
    LOWAのブーツ、どっちも良さそうですね。個人的にはTrioletかな。

    【チェンソーズボン】P.130
    ついにWesSpurでもPfannerのグラディエイターが。でもこれ、たぶん旧モデルのやつっぽいですね。クラス1タイプAの、背面に通気用ファスナーが付いていないやつ。

    【まとめ】
    レスキュー系メーカーの品揃えが増えてきているように感じます。なんかこう、いよいよSRT時代の幕開けって感じなのでしょうか。同時に安易なSRT導入に対する警告が増えてくる年になる気がします。

    たぶん、ツリーワークに特化した(つまり、ツリーワークで使うロープに特化した)SRT機材が今後どんどん登場してくるような気もしますね。現状のSRT機材のほとんどはカーンマントルロープで使用することを前提として設計されていますから、ダブルブレイドロープや16ストランドロープとの相性は良くない気がしています。

    それにしてもWire Fidはビックリしたなあ。

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    2012年3月17日 (土)

    WesSpurの2012カタログが出ましたー とか色々(追記:カタログまだでした)

    追記:あ、ごめんなさい。WesSpurの2012カタログまだでしたわ(笑)。Eメールによると3月末くらいだそうです。WesSpurめー、ややこしいメール送ってきやがって…

    ふと気付けば3月も半分過ぎちゃいましたね。新年迎えたのがつい最近のように感じるのですが、一年の1/4がもう過ぎたのか…。なんか焦っちゃいますね。

    さてさてWesSpurの2012カタログがでましたー。私もこれからダウンロードします。楽しみですね。http://www.wesspur.com/order-catalog.html

    ついでに。3月15日に「林業現場人 道具と技 Vol.6」が発売されています。いまアマゾンで見たら約週間待ち。またしても出遅れたか…。今回の内容は全林協さんのこちらのブログが詳しいです。http://douguwaza.blog45.fc2.com/blog-entry-119.html

    えーい、ついでにもうひとつ。DMMから新しいアンカープレートが登場するらしいです。私ね、こういう小さいアンカープレートをずっとずっと心待ちにしていたんですよ!やっぱDMMはさいこーや。詳細はTreeToolsさんのブログに詳しいです。http://treetoolsnz.oncentre.co.nz/_blog/Treetools_Blog/post/DMM_gear_appeals_to_innovators/

    よっしゃー、さらにもうひとつ。Sterling Rope社のArbor向けプロダクツが面白いです。個人的にはChain Reactorが一番欲しいかな。でもメトリウスのPAS持ってるからなー。そうそうアーバー向けじゃないですがATSも面白そう。リンクはこちら。http://www.sterlingrope.com/

    のってきたー、さらにもうひとつ。シルキーのタケルボーイの画像を見てみたい方、こちらからその雄姿を拝見できます。いやーかっこいいわ、ほんと。このぶっ飛び方がいかにもシルキーさんらしいですね。http://exhibition.ifdesign.de/entrydetails_en.html?beitrag_id=82328

    という訳でした。ではでは。

    もういっこ忘れてたー。ISAがiTunesのPodcastで配信をしています。最近気付きました。興味あるかたは一度ご覧ください。動画なのでダウンロードがくそ重いですけど。http://www.isa-arbor.com/education/onlineLearning/podcasts.aspx

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    2012年3月 6日 (火)

    Sherrillの2012カタログを楽しむ

    前回の記事でもお伝えしたとおり、Sherrill Treeの2012カタログがでました。今回はその内容(主に新製品)をぶらぶらと見ていこう!という趣旨です。(ダウンロード方法などは前回の記事を参考にしてください。

    表紙
    いきなりドアップ!腐った木を切ったんでしょうか?木屑に元気がないですよね。ヘルメットはバーテックスの前モデルかーとかどうでもいい事に目がいきます。向こうの人はサングラスタイプの安全メガネが似合っていいですよねー。やっぱ眉毛が隠れないと。メガネに「Free Shipping」や「Silky」のロゴが写り込んでいるのが、実にいやらしいと思いました。写真撮ったのはここの会社の人だそうです(←リンク先、結構面白い!)場所はオーストラリア、シドニー、表紙から次の次のページに書いてあります。

    クライミングロープ
    新製品が多いように見えて、本当の新製品はSAMSONのVortexだけという。既存ロープの色違いが増えましたね。New England Ropeのエスカレーターは取り扱わないんかな?メトリウスのロープフックがちょっと欲しい気がしたんですが、別にスリングでいいかと思い直しました。まあこれ、あると便利そうですよね。

    Snakebiteの下にある新製品、「KMⅢ」はロープアクセス業界・レスキュー業界では定番ロープのひとつでして、個人的にはさして目新しいものじゃありません。んで、これは普通のカーンマントルロープなのでDdRTに使うのは宜しくありません (Snakebite、KMⅢとも)。SRTとかダブルロープフットロック用です。アクセスライン用ってこと。

    スプリットテイル
    Bee-Lineのブラックモデルが出たんですね。うーん…普通のBee-Lineを使っているとこんな感じに汚れますよね(笑)。もっとどぎつい色にしてくれらたらいいのに。23ページ上にある「Climing Method」のイラスト、いいですねえ。非常にわかりやすい。

    フリクションセーバー
    ハウススリーブが売り出されましたね。あ、こんな構造になってたんだ。P28のインストール方法も納得(そっか、そこで強く引き込むんか!) この他にも素敵なイラストが多いです。シェリルのカタログは勉強になるなあ。

    スローライン
    あんまりスローラインって冒険する気になれないんですよね。Zing-itかNeon3(本名:Target Line)で良いような。あ、でもNight Line っていいかも。普通のスローラインは目立ちすぎて、状況によっては残置するのが気まずい場合ありますよね。

    ハーネス
    新製品はバッキンガム「EDGE」と「PUMA」、New Trive「Pro Gear 2」の3種類っすかね。ハーネスは特に個人的趣味嗜好の範疇が大きいので、あまり言わないでおきます。個人的にはセンターアタッチメントポイントのあるハーネスがもっと出てきて欲しい!最近は特に必要性を感じなくなってきてるんですが、それでも欲しい!

    ランヤード
    新製品のトイフェルベルガー「CElanyard」(68p)。最近これを愛用しています。色々と遊べるのでめちゃ楽しいです。フリクションコードが痛み出してきたのでスペアが欲しいんですが、緑色のオーシャンポリエステルって売ってないんですよ。と思ってたら…23ページにあった! やったー。

    69ページ下のマイクロループ、これ良さそう。と思ったんですけど、私は作業中にランヤードの接続箇所をサイドD環からヒッチクライマーに変えることが多いので(CElanyaedならではの作戦)、やっぱ駄目だわと考え直しました。サイドD環につけっぱなす人なら、これ案外いいかもですよ。

    アセンダーとディセンダー
    SRT用のアンカースリングが発売(p80)。このリングがいい仕事するんですよねえ。たぶんスリングの接触を嫌がってのことだと考えています。あと、傍にあるイラストが面白い。そこをダブルフィッシャーマンズノットしちゃうのか。色々と突っ込みたい気持ちもありますが、こう書かなきゃしょうがない気持ちも非常によく理解できます。わからないなら頑張って結び目をほどけって事なんでしょう。私もその考え方に賛成です。

    あとはロープレンチですね。セッティング例の写真が載っていますが、個人的にロープレンチとV.T.の組み合わせは宜しくない気がしています。登攀時にね、すっぽ抜ける危険性が高い気がするんです。

    カラビナ
    最近、DMMのウルトラOを使うことが非常に多いです。するとどれも同じ色なので混乱しちゃうんですよね。シェリルには金色のDMMカラビナが売っていまして、そんな理由で欲しいです。イギリスのTreeWorkerにも色違いがあるんですけどね。

    新製品は…DMMの「BOA SG」。ゲートってカラビナで一番弱い部分なんですが、そこを強化した製品みたいですね。 あとはRock Exoticaの「Pirate」にワイヤートラップがついたバージョン。トラップの機構がどんな感じなのかが気になります。横滑りに弱そうに見えるんですが。ちなみにロックエキゾチカのカラビナってゲートオープン動作が逆なんですよね(押すんじゃなくて引く)。不思議だわ。

    スパー
    ここにひっそりと書いてあるブーツ用のドライヤー(p111)。これが結構欲しいです。チェンソーブーツや登山靴って簡単には濡れないんですが、一度濡れると乾きにくいんですよね。これで内部から乾燥させてあげたらすごく良さげ!日本でも売っていないかチェックしてみよっと。

    その他
    あとはまあ去年と同じか、小物系なので割愛します。p144の「GTM-PRO」(ヘッジトリマーを支える器具)をちょっと使ってみたいんですが、林業屋には宝の持ち腐れかな。その横のページにある「The Mingo® Firewood Marker」も面白そうなので使ってみたいです。

    最後に
    今年はあまり目玉製品がないように感じました。まあSherrillのカタログを見飽きたってのもあるでしょうけど。それでもちょっとしたイラストとかTipsはやっぱ勉強になりますね。ただTipsを読むならPDFより製本のほうが断然読みやすいです。今回の記事もほとんど写真しか見てないですしね。いちいちPDFで拡大してられないっす(描画が重いし)。10ドル出して買おうっかなー。

    カタログを通して感じたんですが、年々木登り業界にもSRTが進出してきていますね。ロープレンチの影響もあるんでしょうか。まあ個人的にはわざわざSRTでやらなくても、DdRTで充分ですけどね。

    あと、欧州系ギアメーカーの木登り業界へのアプローチがすごく目立ってきてます。DMMとか、EDELRIDとか。PETZLもそうですよね。その辺の状況を間近に見るなら、欧州系のショップ(ドイツのFreeWorkerとか)を調べるほうが楽しいです。CMCとかSMCなどの米国レスキュー系メーカーがアーボリカルチャー業界に乗り込んできたら、米国ショップを見るのも面白くなるんですけどどうなんでしょ。Sterling社とRock Exotica社は結構ノリノリなんですけどねえ。

    さあ次の楽しみはWesSpurのカタログっすね!もうすぐ出ると思うんだけどなー。

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    2012年3月 4日 (日)

    Sherrillの2012カタログでましたー

    コメントにて情報いただいたんですが、シェリルの2012カタログが出ましたよー!

    入手方法は2通り。

    1.ダウンロードする http://www.sherrilltree.com/International-Catalogs
    こちらに個人情報を入力するとダウンロードできるようになります。テキトーに入力しても大丈夫な気もしますけど。フルページのPDFはめちゃ大きいので、間違ってもブラウザ上で見ようと思わないでくださいね。右クリック→対象をダウンロードしてください(ダウンロードもすごく時間かかりますけどね)。

    2.10ドルで購入する http://www.sherrilltree.com/2009-Master-CatalogINTERNATIONAL
    カタログだけを10ドルで購入できます。たしか送料込みだったんじゃないかな?間違ってたらごめんなさい。しかも、届いたカタログには10ドル分の割引クーポンコードが書いてあったと思います。PDFで見るよりも紙媒体で見るほうが便利ですので、こちらもオススメ。

    まあとりあえずはPDFをダウンロードっすよねー。カタログの内容あれこれはまた後日!

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