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2009年12月16日 (水)

ロープ登攀① 基本概念

ロープアクセス技術(もちろんロープを使用した木登り含む)におけるロープ登攀の基本概念はこれです。

・セルフビレイが可能なロープクランプを2つ使用する。一方でセルフビレイをとりながら、もう一方を上方にスライドさせる。これを繰り返す。

ロープクランプっていうのは、アッセンダーやフリクションヒッチ(exブレイクスヒッチ)のことです。ロープを掴んではなさない、荷重がかかってもその場に留まる事ができる必要があります。また荷重がかかっていない場合は、任意にロープ上をスライドできる。スライドできなきゃ登攀できませんし。

セルフビレイは、日本語訳すると[自己確保]です。つまりロープクランプに自分の体重を預けた時、そのロープクランプは自分の安全を確保してくれる必要があります。

それではさまざまなロープクランプをみていきます。


①フットアッセンダー
フットアッセンダーはロープクランプですが、セルフビレイ可能ではありません。これはフットロック技術をメカニカルに行う為だけのものです。例えばPetzlのパンタンの説明書に「注意:パンタンは PPE (個人保護用具)ではありません」と記載されている事からもわかると思います。
考えてください、あなたはフットアッセンダーのみで安全にロープにぶらさがっていられますか?できる、と思った方は何か考え違いをしているか、安全というものを甘くみすぎです。

②ハンドアッセンダー
ハンドアッセンダー単体ではただのロープクランプです。ただしハンドアッセンダーを使用する時はロワーホールカウズテイル(自己確保用のランヤード 例.Petzlスペルジカ)をかけます。そしてカウズテイルはハーネスに繋がっています。つまりカウズテイルを接続する事でハンドアッセンダーはセルフビレイ可能になります。
この際、カウズテイル自体の強度と、カウズテイルとハーネスの接続場所(アタッチメントポイント)の強度も問題になってきます。もちろんハーネスのギアループにカウズテイルを接続していたらNGです。それはただ道具の落下防止をしているだけで、荷重がかかったらギアループがぶっ壊れて作業者は墜落します。

③チェストアッセンダー
チェストアッセンダーについてもほぼ同じことがいえます。違うのはハーネスとの接続に、カウズテイルではなくマイロンやカラビナを使う点です。

④フリクションヒッチ
他のロープクランプとの決定的な違いは「その都度フリクションヒッチを作成し、そして作成に失敗する可能性がある」っていう事です。その為、たとえ作成に失敗していても安全な状況で(地面に立ちながらetc)フリクションヒッチの動作チェックをする必要があります。
あと、フリクションコード(フリクションヒッチに使っているロープ。スプリットテイルの事)自体の強度も重要です。細引きを流用したり、ロープコアを抜いてプルージックを効きやすくするなんて論外です。あと摩擦熱を考慮する必要もあります。



他にもロープクランプはありますが、今回は割愛します。

つまり、登攀にはPPEとして使用できるロープクランプが二つ必要なんです。

ロープクランプが二つ必要な理由ですが、ロープクランプ二つないと登攀できません。荷重でがっちりロックされてるロープクランプひとつでどうやって登ります?

もうひとつの重要な理由はバックアップ目的です。万が一ロープクランプがひとつ破損しても、他方が墜落を防いでくれます。その為にも両方のロープクランプがPPEである必要があるのです。

ワンミスで死んじゃうような技術をプロが使っていい訳がありません。バックアップを多元的に行うからこそ、ロープアクセス技術はプロフェッショナル用途に耐えられるのです。まして趣味で木登りしている方が事故にあうなんて絶対あってはならない事です。

次回は実際のSRT登攀手順を紹介します。チェストアッセンダーの素晴らしさがわかるはずです。

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P.S.「え、でもDdRTはフリクションヒッチひとつだよ?」って思った方、そうなんですよ!なんかDdRTっておかしいんですよ!!フリクションヒッチひとつに命を預けるのってヤバくないですか?

まだまだ研究中で中途半端ですが、登攀に関してはひとつ方法を見つけたので、これも次回紹介します。

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