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2010年1月29日 (金)

EN361とフォールアレストシステム

前回に引き続きEN規格の話です。今回はEN361を取りあげます。

まず先に「フォールアレストシステム」について知っておいた方が話がわかりやすいので、簡単に説明します。

[フォールアレストシステム]
フォールアレストシステムってのは、墜落を止める為にそれ用のPPE(個人保護器具)を組み合わせて構築したシステムの事です。逆に言うと、墜落の危険がある時はフォールアレストシステムを採用しなくてはいけません。アンカーより上に腰をあげる時も採用する必要があります。詳しくはアルテリアの技術情報から「フォールアレスト」をご覧ください。

墜落を止める、と書きましたがただ止めるだけではありません。墜落時の衝撃に耐えうる強固な耐荷重と、衝撃を緩和する能力が求められます。一個の器材でまかなうのでなく、複数個の器材を組み合わせる事になります。

で、このフォールアレストシステム全体を定めているのがEN363。え、EN361じゃなくて?はい、そうです。

[EN361]
EN361は「フォールアレストシステム(EN363)に対応したフルボディーハーネス」を定義しています。私は「フォールアレストシステムに使用できるハーネス」を定義しているのかなと思ってたんですが、規格の段階でフルボディー必須でした。なんだか変な納得をしました。そりゃシットハーネスはフォールアレストに使えんはずだわ。

[EN規格のタイトルの読み方]
ここでちょっとEN361(フルボディーハーネス)の規格のタイトルを見てみましょう。Standard Directのサイトから引用しています。どこから引用しても一緒ですが。

EN361:「Personal protective equipment against(対抗する) falls from a height. Full body harnesses

この文章の読み方ですが、前半が使用用途、ピリオドから後ろが対象名です。また前半部がこの文章と同じ場合、その規格はフォールアレストを想定しています。

前半部を直訳すると「高所からの墜落に対抗するする個人保護器具」。Personal protective equipmentはPPEの事です。で、後半は規格の対象。例えばEN363(フォールアレストシステム)なら「Personal~. Fall arrest systems」となります。簡単でしょ。

[フォールアレストに対応するEN規格いろいろ]
以下にフォールアレストシステムにかかわるEN規格を列挙します。例記している器材はすべてペツル製です。それぞれ取扱説明書pdfにリンクしています。

・EN353-2 「ロープ用のフォールアレスター」 ex.アサップ
・EN354  「ランヤード」 ex.ジェーン
・EN355  「ショックアブソーバー」 ex.アブソービカ
・EN361  「フルボディーハーネス」 ex.ニュートン
・EN362  「コネクター」 ex.オーケー トライアクトロック
・EN363  「フォールアレストシステムについて」
・EN364  「テスト方法」
・EN365  「取扱説明書、メンテナンス、修理、定期点検、マーキングの要求」
・EN795  「アンカー、必要条件とテスト」

…だいたいこんなもんでしょうか。例記以外でも規格に適合している製品は多いので、一度ペツルのワークソリューション製品を見てまわってください。製品を選択後「スペック」を表示すると、適合しているEN規格がわかります。

EN365についてですが、こんな説明サイトを見つけました。ってか私たちが遭遇しそうなEN規格が列挙されている!これは便利!

で、ですね。以上を読んだうえでペツル「ナバホボッド」の取扱説明書pdfを読んでみてください。なんだか今までより深いところまで読み解けた気分にならないでしょうか?私はうれしくなるくらいに理解が進みました。EN規格なんてもう恐くないぜ!!

[チェストハーネスと併用して]
シットハーネスでも、チェストハーネスと併用することによりEN363に対応したフルボディーハーネス化ができる種類があります。どんな組み合わせでも可能って訳ではありません。

例えばペツルに「トップ」(取説pdf)っていうチェストハーネスがあります。これと組み合わせた際にEN363に適合するのは「ナバホシット」「ナバホシット ファスト」「ファルコン」「ファルコン アッセント」の4種類のみです。セコイアSRTは「トップは装着できるがEN363に適合しない」です。つまりセコイアSRTはフォールアレストシステムに組み込めません。


[今日のまとめ]
結局のところ、フォールアレストシステムに使用できるハーネスはEN363に適合したフルボディーハーネスだけです。あと言い忘れていましたが、フルボディーハーネスの中でも「胸部」「背部」のD環のみがEN363に適合します。これ重要です。

気になっている点がひとつ。EN規格のタイトルはすぐに見つかるんですが、肝心の内容がわからないんですよね。具体的にどんな性能を保障しているのかがさっぱりわからない。

この辺り一番参考になるのはペツルの説明書です。が、ひとつひとつ書きだすとすごい文章量になりますしアルテリアは無断転載禁止ですので、皆さんそれぞれ調べてみてください。ここまでわかれば、あの説明書の文章を読んでも理解しやすくなっているはずです。ペツルの説明書ってイラストばっかみてしまうんですよね…

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