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2010年1月23日 (土)

ロープ構造の基礎知識(110217追記)

(11/02/17追記)コメントにて御指摘をいただいた部分を修正・追記しました。その他にも読みにくい部分を修正しています。色々やっている内にあまり原型を留めていないような気がしますが、気にしない方向でいきます。

(元記事ここから)

前回の記事で「IceTaleは12ストランドです」って書きましたが、その後、何だかよくわからなくなってきまして。

ストランドってなんじゃ?、12ストランドでも2種類あるよな?、カーンマントル構造とダブルブレイドって何が違うの?とか。考えれば考えるほどよくわからなくなってきたので調べてみました。

という訳で今回はロープ構造の基礎知識を見ていきます。

[ストランドについて]
マクロなところから見ていきます。ロープの最少単位は繊維(ファイバー)です。素材は様々な種類がありまして、ポリエステルだったりダイニーマだったり、マニラ麻だったりします。この繊維を数十本くらい撚り合わせて細い「撚り糸」を作ります。これがヤーン(Yarn)です。この段階ではまだまだ糸って感じです。

ヤーンをさらに複数本撚り合わせていきます。ヤーンの撚りが戻らないように、ヤーンを撚った時の逆方向に撚り合わせます。これがストランド(Strand)です。ある程度の大きさになってきました。実際にロープ構造を考えていく時にはストランドが重要です。

[撚りロープ]
サムソンの「Tree Master」を思い出してください。これは3ストランドです。上記のように作成したストランドを3本撚り合わせて一本のロープにしています。ロープとストランドは逆方向に撚っているので反発力によりロープ形状が維持されます。シェリルのカタログではツリーマスターのロープ構造は「Twist」って書かれています。

この撚りこむ方向によって「Z撚り」と「S撚り」の2種類に分かれます。これに関してはウィキペディアもどうぞ。この辺の話は普段ワイヤーを使っている方にも馴染みがあるでしょう。ツリーマスターはZ撚りですね。

[編みロープ]
これに対し、編みロープ(ブレイド(Braid)ロープ)ってのがあります。文字通りストランドを編んでいます。わかりにくければ三つ編みを思い出してください。交互に編んでいく感じがわかると思います。

編みロープの場合、ヤーンからストランドを構成する場合に撚りません。ヤーンを束ねているだけです。撚るとしても極わずか。編みロープは「編む」ことによってロープ形状が維持されるので、わざわざストランドを撚る必要がないからです。これにより「撚りがもどっちゃう」事を気にしなくてもよくなります。

またヤーンの束を複数並べて1ストランドとしている場合も多いです。サムソンの「Tenex-TEC」と「Tenex」の画像を見比べてください。Tenex-TECはストランドが2束で構成されているのがよく分かるはずです。ロッククライミングで使うようなダイナミックロープ、ロープアクセスで使われるセミスタティックロープも基本的に同様の2束構成のものがほとんど、のはずです。形状維持や接地面積の拡大に寄与していると思われます。

また、ブレイドを編みこむ方法には、ストランド2本を1組として編む方法と、ストランド1本づつを編みこむ方法があります。サムソンの「Tenex-TEC」と「Tenex」の画像を見てください。違いがわかるでしょうか?テネックスが一本ずつストランドを編みこんでいるのに対し、テネックス-TECは2本のストランドを一つの単位として編みこんでいます。

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ここまでが基礎知識。では最初の疑問について考えていきます。

[12ストランド・ロープについて]
12ストランドロープは編みロープに分類されます。そして「ソリッド・ブレイド(Solid Braid)」と「ホロウ・ブレイド(Hollow Braid)」の2種類があります。

ソリッドブレイドの例としてサムソン「True-Blue」、ホロウブレイドはサムソン「Tenex」をあげておきます。リンク先にて編みこみ具合の違いを見てください。

つまりIceTaleは12ストランドロープのホロウブレイドだったんですねー。なるほど納得。


[ダブルブレイドロープとカーンマントルロープの違いについて]
ダブルブレイドロープとカーンマントルロープに共通する点は、その構造がコア(内芯)とシース(外皮)の二重構造になっている点。(ちなみにドイツ語で内芯を「カーン」、外皮を「マントル」と言いまして、そこからカーンマントルロープという呼び名がついています。)シースはどちらも編み構造なんですが、両者の違いはコアが編んであるかどうか、です。

ダブルブレイドはコアも編みロープです。だからシースとコアの二つでダブル・ブレイドなんですねー。

これに対してカーンマントルのコアは編みこんでいません。多少ツイストしているタイプもあるみたいですが、基本的には複数のストランド(ヤーンと呼ぶべきか?)が真っすぐに集まっているだけと考えていいと思います。参考にサムソン「Static Rope」と「Ultra Tech」を見比べてください。

(こうやって見ると「Ultra Tech」ってすごいですね。内芯はダイニーマテクノーラ素材の24ストランド編み、外皮はポリエステル素材のヤーン3束を1ストランドとして24組を編みこんでいます。)

次回は、今回紹介したロープ構造それぞれの使用上の特徴を調べていきます。…果たして調べきれるのか?!さっぱりわからない自信があります!



[今回の記事の参考文献・参考サイト]
・SherrillTree 「2009 Mater Catarog」
・Samson 「Splicing Manual」
・ロープ ファクトリー http://www.rope.co.jp/
・Samson http://www.samsonrope.com/
・野田製綱株式会社 http://www.f4.dion.ne.jp/~noda.sk/index.htm

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コメント

>テネックス-TECは2本のストランドを一つの単位として編みこんでいます。

あれを「2本のストランド」と表現してしまうと、Tenex-TECは24Strandになってしまいませんか?
Samsonとしては、Tenex-TECも12Strandと分類しているから、「2本で1ストランド」って事なんでしょうね。
ちょっとややこしいですね。

投稿: S | 2011年2月 8日 (火) 20時05分

こんちはー!
指摘していただき本当にありがとうございます!
古い記事は自分ではもう読む気が起きないので、間違いを放置しっぱなしになっている可能性がありまして。こうやってコメントをいただけるとほんと有難いんです。

ご指摘の点ですが、Sさんのおっしゃる通りです。確かに中途半端に間違えた書き方になっていますね。こういう細かい部分って重要ですもんね。後ほど訂正しておきまっす。

投稿: フリップ | 2011年2月 8日 (火) 21時21分

はじめまして。
いま、仕事でロープの構造を見ていまして…。
braided ropeは編みロープだとわかりました。
では、braid-on-braidってなんのことかご存知ですか?

すみません、突然。
なかなか調べてもないものですね。

投稿: 悩む人 | 2014年2月 6日 (木) 12時58分

はじめましてー。
返信がすっごい遅くなったんで、もう解決されたかもしれませんが……
たぶんダブルブレイドDouble Braidのことじゃないかと思います。そういう書き方している資料を読んだような記憶があります。
でもあんまり自信がありません。調べておられる資料を教えていただければもっと正確にわかると思いますので、まだ調べ中ならメールなりコメントいただければと思いまっす。

投稿: フリップ | 2014年2月24日 (月) 21時18分

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