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2010年2月19日 (金)

墜落の衝撃を受けるタイミングはいつ?(101010追記あり)

(10/10/10 追記:この記事に致命的な間違いがありました。詳しくはこちらの記事を参照してください。とりあえず誤りがある文章に打ち消し線を引いています。)

(元記事ここから)
前回、墜落係数について書くと宣言しましたが、その前にちょっと前フリをはさみます。

作業者が墜落の衝撃を受けるのはどのタイミングでしょう?

普通は地面に墜落した瞬間(グランドフォール)ですよね。空中を浮いている間は衝撃を受けません。落下の風圧と加速していく速度を感じるくらいでしょう。ロープに吊られている場合はどうでしょう。実はロープが最大に張った時に作業者は衝撃を受けます。この一瞬です。また、アンカーはその前から衝撃を受け始めていて、ロープが伸びている間は衝撃を受け続けます。

[実際の流れ]
例えばロープが5mあったとします。そして落下時にゴム紐みたいに1m伸びたとしましょう。落下した距離は合計6mとなりますね。

落下5m地点まで衝撃はありません。。元々あったロープの長さ分です。そしてこの間は「ロープが伸びている」とは言いません。ロープが伸び始めるのはテンションがかかってからです。

で、5m地点から6m地点まで。テンションがかかってロープが伸び始めます。ここからアンカーは衝撃を受け始めます。ロープが最大展張するまで衝撃荷重は二次関数のグラフみたいにどんどん強くなっていきます。落下距離が長いほどロープはよく伸びて、伸びた分だけアンカーが衝撃を受ける時間は長くなります。ロープの伸びる長さは墜落距離に依存します。

最後に6m地点。ロープが最も展張している地点です。そしてこのタイミングが衝撃荷重の最大点でもあります。ここでやっと作業者にも衝撃がきます。つまり作業者には衝撃荷重の最大点が一瞬で負荷されます。そしてこの最大点がどのような値をとるかは落下係数に依存します。落下距離じゃありませんよ。

次に起こる挙動ですが、バンジージャンプのようにビョンビョンと伸縮を繰り返して、最終的に落下5m地点に収束していきます。厳密には今回の衝撃のせいでロープの編みや撚りががっちり決まってしまい、多少ロープが伸びているはずです。←これが何回か衝撃を受けたダイナミックロープは破棄しろ!という理由の一つです。衝撃を受けたロープはどんどん固くなっていき、伸び率が低下していきます。


[まとめ]
文中にさらっと落下係数の言葉を出していますが、これで落下係数がいかに大事かおわかりいただけたでしょうか。

・アンカーが墜落荷重をうけるのはロープにテンションがかかっている間ずっと→テンションのかかる時間はロープがよく伸びるほど長くなる→ロープの伸びる距離は墜落距離によって決まる。

作業者が墜落荷重をうけるのはロープの最大展張時→衝撃荷重の最大点→最大点は落下係数で決まる。

この一連の流れをよく覚えておく必要があります。

ちなみに何故作業者が墜落荷重をうけるのはロープの最大展張時なのか。最大に展張するまで作業者は空中に浮いているからです。最大展張した時にはじめて作業者の体は固定されます。そしてロープを通じて墜落エネルギーに衝突するのです。あー恐い怖いdown

あと、墜落荷重の最大値を決定する項目は、作業者の体重、ロープの伸び率、落下係数、の三点です。何故このように落下係数だけ取り上げるかと言うと、登りだしちゃったら、落下係数はコントロール可能だけど、自分の体重と使用しているロープは変更できないからです。

ですから、普段からダイエットする、やばそうな時はダイナミックロープを使用する、等の方法でも衝撃荷重は緩和できます。


それでは次回は落下係数の算出方法について。(次記事へのリンクはこちら


(参考)
今回の記事の内容について、もっと詳しく知りたい方は下記リンク先の記事が非常に参考になります。今までインターネットサーフィンしてきた中でも、この記事が一番感動しました。墜落の理屈は知っていましたが、一番知りたかった数式に出会えた!!
ロッククライマーの方なら必見です。ツリークライマーの方ももちろん必見!ちょい難解ですが、4日くらいかけて数式もちゃんと見ていけばいつかピン!ときます。
岩登りにおける確保システムhttp://www.k5.dion.ne.jp/~botch/belay/belay_menu.html

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