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2010年3月 6日 (土)

腰ベルト式安全帯について考える

先日の記事について、「日本の安全帯メーカーは何故センターD環をつけないんだ!」と書いたところ、通りすがりさんからこのようなコメントをいただきました。

「日本の安全帯にセンターのコネクター部分がないのは、万が一の落下時に脊髄を損傷する恐れがあるためだと聞いたことがあります。

フォールアレストとしての使用も併用していますのであくまで落下姿勢は体勢として体が腰を軸として横に折れた状態の想定です。

センターだと背面に逆海老反りになるので製品の基準として設定しないようになっているとのことらしいです。」

以上です。通りすがりさん本当にコメントありがとうございます。感謝しております。ブログやってて良かった!


さてさて、しかしながらこの説明、安全帯メーカーの公式発表ではないので本当かどうかはわかりません。でもかなり納得のいく説明です。たぶん間違いないと思います。

とりあえず仮説として「メーカーは上記のように考えて製品設計している」とした上で、以下の文章を書きます。

サイドD環って書き方をしていますが、一本吊り用安全帯の場合、実際はD環じゃない事もあります。最初から縫製されている製品があります。が、ややこしいのですべてサイドD環で統一しました。

ちなみに私は安全帯について特に詳しい訳ではありませんので、推論的な言い方が多くなります。すみません。間違い・指摘等あればコメントなりメールしていただけると非常にありがたいです!


【安全帯の基礎知識】
安全帯の使用目的を大別すると、「一本吊り(フォールアレスト)」「U字吊り(ワークポジショニング)」の二つに分けられます。

また、形状としては「腰ベルト式安全帯」「フルボディハーネス」「特殊用途安全帯」に分けられます。

腰ベルト式安全帯ですが、我々林業従事者でもお世話になっている方は多いのではないでしょうか。昇柱器とセットで、U字吊り用安全帯を使用しますよね。まんまEN358の用途と一緒です。たぶん日本の安全帯(U字吊り用)を欧州に輸出する事になったら、「EN358」適合を目指していくと思います。ここは問題ありません。早くシットハーネス化してほしいですけどね。

日本製の腰ベルト式安全帯のすごいところは、フォールアレストもやってのけるとこです!(あ、もちろんU字吊り専用の安全帯では無理ですよ。一本吊りor兼用タイプの話です。)

一本吊り用の安全帯はショックアブソーバーが内蔵されているものが多いです。アブソーバーのついていない製品は一体何の為に存在してるのか不思議です。(フルボディーハーネスタイプは構造上の問題から本体側にアブソーバーをつけられないので、ランヤードの方にショックアブソーバー機能を持たせます。)

その点はいいと思うんです。が、じゃあ一本吊り用腰型ベルト式安全帯で墜落した場合、本当に助かったといえるでしょうか?

【ここから私の妄想スタート
いくら逆海老反り状態じゃないからといったって、姿勢としてはかなりキツイはずです。腰ベルトだけで支えられる訳です。もし墜落後に意識があってもラクな体勢に持っていけないでしょうし、たとえ脊髄に影響なくても内臓へのインパクトは結構なもんじゃないでしょうか。

結局何が言いたいかと言うと、腰ベルト式安全帯をフォールアレストに使用すること自体が反対です。墜落した時の異常な苦痛・障害がある訳で、そういう意味ではサイドD環(実際はD環ではないですが)もセンターD環もそんなに差はないです。それならいっそ腰ベルト式安全帯での墜落を初めから許容しなければいい。

注:とはいえ、腰ベルト式の一本吊り安全帯が普及している現状を考えると、センターD環をつけないのは理にかなっています。逆海老反りは非常に危険です。試しにやったら3秒で苦痛でした。脊髄やるより内臓の方が致命的なケガになりにくい気もします。「差はない」と書きましたが、実際には安全帯メーカーの言う通り、サイドD環の方がまだましですセンターD環つけるとユーザーが無茶をしだすと思いますし。

フォールアレストとしての使用はフルボディータイプのハーネスに一任すべきだと思うんです。フルボディーハーネスの胸D環・背面D環のみって事です。墜落時の衝撃と墜落後の姿勢を考えた場合、私はここしか許容できません。

そのうえで、安全帯はワークポジショニング用に特化する。そしてU字吊り安全帯を進化させてシットハーネス化。ここまで来たらワークポジショニング用のセンターD環を装備してほしい。これが私の真意でした。

あと、私は日本のランヤード&アジャスターが大好きなんです!手に馴染んで一番使いやすい。だからこそ、あとはセンターD環さえあれば…!と思った次第です。

【日本製ハーネスいろいろ】
ちなみにU字吊りランヤードが装着できるフルボディーハーネスはあります。藤井電工のこちらのページをご覧ください。またクライミングハーネス状の製品もあります(こちら一番下)。

また、サンコー株式会社(タイタンの製造元)にはセンターD環付きのシットハーネスがあります。ただし角環はついていないので、ランヤードは装着できないでしょう。こちらに二種類。注意書きの「構造上本邦の「安全帯の規格」には適合しませんが…」の文章が泣かせます。私の知る限り、海外製のシットハーネスはすべて規格外のはずです。ここを元請けにつっこまれると非常にめんどう。早く何とかして欲しい…

さらにレスキュー用のカタログにコング社製のシットハーネス(KG-08)が記載されています。HT-08型以外はギアラックがついていないので、実際は使えたもんじゃないと思います。


【余談:安全帯に関する数々の疑問】
よくよく考えたら、日本メーカーってワークポジショニング用センターD環って発想がないんでしょうか?法面用安全帯にセンターD環があったら、ロリップがつけやすいと思うんですけど。あー、安全帯の規格が邪魔してるのか!

ロリップと言えば、あれ不思議なんですよね。ハシゴ昇っている時にロリップで確保してても墜落したら落下係数は2でしょ。ロープの伸び率は期待できないし、そういう場面ではショックアブソーバー付限定なんでしょか。

…そういえば日本の安全帯メーカーで落下係数を説明しているとこってあります?安全帯を使うなら、落下係数の概念を理解する事は必須だと思うんですが。

あと、昔からものすごく疑問なのがこれ。車両系が入っていけない山の中で、樹上や鉄塔でU字吊り中、作業者が無意識状態になったらどうやってレスキューします?

これがわからなくて不安だから私はツリークライミングを始めたといっても過言ではないです。まあツリークライミングのレスキューも誰でもできるって訳じゃないから、危険度は五十歩百歩かもしれません。

せめてシットハーネスじゃないと私は方法が浮かばないです。電力会社とかならノウハウがあるのかな?

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