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2010年5月26日 (水)

CTFの概略について 続き

(追記05/27:すっごいくだらない話ですが「Riginng Connsepts」の略をリギセオからリギコンに変更します。題名がリギングセオリーだと何故か思い込んでいました…)

それでは前回に続いてCTF(Cycle to Failue)について、いっちょ書いてみようと思います!個人的には理解したんですが、まだ手に馴染んでいないのでうまく説明できるかどうか未知数であります。

今回の参考資料は前回から引き続き、こちらのサイト(http://www.treemettlenexus.com)内の記事「Tree Rigging Concepts」(以下リギセオリギコン)です。そして前々回の記事コメントにて月光仮免さんにいただいたアドバイス、及び月光仮免さんの記事を参考にしてます。感謝です!

【仲良し四人組の関係】
早速ですが、具体的な例をあげます。リギコンに記載されているロープに関する安全率とCTFの関係です。破断強度(BS)、安全率(SF)、使用荷重(WLL)、CTF、それぞれの関係はこうなります。(※単位がkgになっていますが原文ママです。以下の説明もkgで書きますが、普通ここはkgfじゃねえの?と思います。)

・BS 10,000 kg / SF10 = WLL 1,000 kg ⇒ 1000以上のCTF
・BS 10,000 kg / SF 5 = WLL 2,000 kg ⇒ 750 CTF
・BS 10,000 kg / SF 2 = WLL 5,000 kg ⇒ 100 CTF

「安全率を下げる→CTFさがる」という点に注目してください。「破断強度÷安全率=使用荷重」の部分は前々々回で紹介した通りです。リギコンでは、CTFの説明は「repeat loads before failure」と書かれています。

【CTFの捉え方】
この式におけるCTFってのは「新品ロープをある安全率で運用した場合、疲労で破断するまで何回くらい使えるかなー」っていうイメージを表しています。リギコンには特に明記してありませんが、この荷重は静的荷重でしょう、間違いなく。安全率を低くとるにつれてCTFは劇的に低下しています。注意したいのはCTFの数値自体は厳密なものでなく、あくまで確率的なものです。

例えば安全率5の場合を見てみましょう。この時の使用強度は2000kgですね。で、使用強度きっちりの静的荷重をロープに与えると…目安として「750回でロープは壊れる…かもよ」って事です。厳密に750回目で切れるとか、750回目までは保障するとかそういう話ではないです。

【逆から捉えると】
逆に言うとこの場合「2000kgの静的荷重を与えた場合、750回で壊れるくらいの疲労がロープに蓄積していると思ってね」って事だと思います。

安全率2の場合、CTFは100です。安全率5の時のCTF(750)より急降下しています(この具体的理由は下記補足にて)。「5000kgの負荷がかかると、2000kgとは比べモノにならないくらい、ロープはダメージを蓄積するんだな」という事がわかります。

破断強度に近い負荷がかかるほどロープに蓄積する疲労は激しくなる。そういうイメージを伝える為の数値としても、CTFは存在していると思います。

【安全率とCTFの関係】
では安全率10の場合、つまりロープにかかった最大負荷が破断強度の10%の場合ですね。この時CTFは「many 1,000’s 」です。

ここまでくるとロープが疲労破壊する確率はほぼ無視できるかも…と考えられます。リギセオによると「疲労破壊が起きる前に、経年劣化や目に見える不具合によってロープを廃棄することが可能」になります。

だから一応の運用指針として「疲労破壊のリスクを極力軽減する為に、負荷荷重が破断強度の10%(安全率10)までに収まるよう運用すっかー」となるんです。

しかし、例えばロープを安全率10でずっと運用してても、うっかり「破断強度の50%程度の負荷」を与えてしまった場合、そのロープ自身のCTFは激減します。その時点からロープの破断リスクは非常に大きくなる訳です。

【疲労破壊の進行はわからない】
ロープの疲労破壊は金属の疲労破壊より遥かにややこしいです。と言うか金属などで使われる「疲労破壊」って概念が便利だからロープにも適用しているだけで、実際は似て異なるものなのでしょう。

それに単純に負荷といっても色々な負荷方法があります。静的荷重か動的荷重かの違いでもロープの疲労の仕方はずいぶん異なるでしょうし、繰り返しの時間的サイクルの違いによっても疲労の仕方は異なるでしょう。もちろんロープの種類によっても変わるでしょう。

ここを突っ込んで調べてもいっても魑魅魍魎の世界が広がっているだけですし、あまり有意義ではないかもしれません。疲労破壊によってロープが破断してしまう危険から自己防衛する為には、吊り荷の重量や衝撃荷重をしっかり意識していく方が現実的に有効ですし早道だと考えます。

【最後に】
わかりにくい説明ですみません。この程度の理解・説明が文系人間の限界でございまして、正しく用語を使えているかどうか(汗)。なーんとなくCTFの限界とその有用性を理解していただければ幸いです。そしてCTFを意識した上で安全率を考えていただければ、と思います。

前々回の記事のコメント欄にて月光仮免さんがおっしゃっていた「安全率という言葉を使った瞬間、内容は確率の話になる」という言葉は、名言だと思います。

【補足】
ちなみに今回はロープを例にして解説しましたが、リギコンにはロープ以外のギアについても安全率とCTFの関係が記載されています。参考にしてください。

あと、リギコンによると「編み込みロープの場合、破断強度の40%の負荷はロープの伸び性能に永久的に残る深刻なダメージを与える」とあります。これが安全率2の場合にCTFが激減している理由の一つでしょう。
これに関連してサムソンのサイトに「ロープの伸び性能と負荷」について簡単な説明があります(こちら)。参考にしてください。

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