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2010年5月22日 (土)

cycle to failureの概略について

今回は「cycle to failure」の概略について書いてみようと思います。

【CTFってなんじゃろか?】
cycle to failure(以下CTF)、実はどんな日本語訳がいいのか悩んでいるところです。うーむ難しい。と言うかどういった解釈がいいのか完全にはわかっていません。

おそらく、CTFが言いたい事のひとつは疲労破壊です。CTFと疲労破壊は全く同意味ではないですが、近しい関係にあるはずです。何らかの因果関係はあるはず。

シェリル2010カタログの75ページに「CTF」についてのコラムがありますが、その中でCTFを円滑に理解する為の一例として「ストレス疲労」が取り出されていました。「針金ハンガーを一度折るくらいじゃ破断しないけど、何回も折り返してたらいつか破断しますよねー」といった様な事が書かれています。

つまりそういう事なんだろうなあと。同じ意味ではないけど、かなり近い関係。

私の考えも滅茶苦茶間違っていないはずと思います。でも15度くらいずれているかもしれません。私の疲労破壊に対する理解が正しいのかどうかも怪しいもんです。(ウィキペディア「疲労破壊」)

【たとえ破断しなくてもダメージは残る】
例えばここに破断強度30kNの新品ロープがあるとします(新品ってのがポイント)。そして25kNの負荷を与えた場合、一回目は耐えるでしょう。じゃないと破断強度の意味がないです。でももう一度25kNの負荷をかけたらどうなるでしょうか?

既に一度25kNの負荷を受けて深刻なダメージを受けたロープです。何とか耐えるかもしれませんし、耐えきれずに破断するかもしれません。これはもう神のみぞ知る事でしょう。たぶんかなりヤバいですが。(私なら一度目の荷重を受け止めた時点で、ロープさんよくやった!と敬意を表しながら即刻廃棄します。)

【リギングギアは要注意】
ツリーケアに関する道具のうち、これがもっとも重要になってくるのはリギング機材です。

クライミング道具は衝撃荷重を受ける可能性は少ないです。もしうっかり器材に大荷重をかけてしまったなら、そんな器材はさっさと廃棄すればいいんです。また通常使用の場合、負荷荷重のせいで疲労破壊が起きる前に、経年廃棄を迎えたり破壊の前兆を知ることが可能でしょう。

そんなこんなできちんとした器材管理に努めていたら、クライミング中にギアが疲労破壊で突然ぶっ壊れる可能性はかなり低いはずです。

ところがどっこいリギング機材は違います。普通に使っていても衝撃荷重を受けまくりです。と言うか機材に衝撃荷重がかかる事を前提にして考える必要があります。

一番いいのは少しでも墜落負荷を受けるたびに廃棄していく事でしょうが…さすがにそんな事やってられないですよね。あまりに非現実的です。トップカットするのにどれだけのお金やギアが必要になるか想像しても悲しくなります。

じゃあどうしようか。破断荷重の1/5くらいの負荷なら大丈夫?それとも1/10?その時に破断する可能性はどれくらい?20%?1%?…

【CTFと安全率の甘く厳しい関係】
ここに至ってCTFは安全率と出会うのです。もちろん破断荷重と使用荷重も一緒に出てきます。こいつら仲良しですから。破断荷重、使用荷重、安全率、CTFはそれぞれが深く依存しあうファクターです。

この仲良し4人組の相互関係については次回書きたいと考えています。

【補足】
ちなみにわかりやすいようにこのように書きましたが、クライミング道具にだってもちろんCTFは絡んでいます。安全率とCTFはどんな時でも切っても切れない関係なんです。

ただ現実的な問題として、通常のツリークライミングでは体重かその倍程度の負荷、しかも静的な荷重が基本です。そしてもし衝撃荷重を受けたら、疲労破壊の心配する前に即廃棄してしまえ!ってなるので、あまりこの問題が見えてこないだけです。

でもフリークライミングならダイナミックロープは結構な頻度で墜落の衝撃荷重を受けますよね。その辺クライマーさんはどうしているんでしょうね?生と死の分岐点読みなおそっと。

【参考記事】
今回の記事は、シェリルの2010カタログ内p.75の「CTF」のコラム、及びこちらのサイト(http://www.treemettlenexus.com)内の記事「Tree Rigging Concepts」を参考にしました。

上記参考記事の日本語訳を読みたい方いらっしゃいます?私が自分用に訳しただけなので、超意訳だらけ&信用性皆無の自己責任もんですが、もし読んでみたい方がいればメールください。(…権利関係の問題でやめといた方がいいですかね?)

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基礎きそ」カテゴリの記事

コメント

フリップさん、こんにちは。
ここにコメントで書いて良いのかな?
リギセオの和訳読んでみたいです。私のつたない知識では単語をテキトーに理解しているだけなので、もしかしたらトンデモナイ勘違いがあったりして..自信無いっす。
フリップさんの記事は、いつも非常に簡潔に書かれているので助かります。自分でも「あっそういうコトね」ってウロコ落ちまくりです。超意訳でよろしくお願いします。
それから、フリップさんの記事を見て、私もユーロ安のこの時期にfreeWorkerにオーダーしてみました。PetzlのRigやDMMは欧州圏なのでかなり割安ですね。私はDPDの送料だけで、国内消費税・送料や関税も取られませんでした。配送場所で扱う運送会社が違うのか、DPD>Fedex>札幌通運という経路で届きました。
それからついでみたいですが、私はニューイングランドのFLYが大好きです。使うにつれ毛羽立ちが気になりますが、軽いし安いし汎用性が高く、使い方では自分に合っています。
ときに、16ストランドも構造としてはカーンマントルに含まれるのだと思いますが、FLYはコアの比率が16ストランドと違うのでカーンマントルという扱いなんでしょうか?
いろいろ書いてスミマセン。

投稿: satoc | 2010年5月27日 (木) 10時55分

satocさん、こんにちはー!

freeworker注文されたんですか!う、羨ましいっす(泣)。ほんとユーロ爆安真っ最中ですもんね。。私の時も配達時に関税かからなかったんでラッキー!…と思いきや、数日後にFedEXから振込用紙が来ましたよ(笑)あれはビックリでした。

カーンマントル、私の考えでは二つの意味があると考えています。
広義のカーンマントル…二層構造のロープすべてを指す。たまーに見かける。
狭義のカーンマントル…いわゆるカーンマントル。ダイナミックロープやスタティックロープが含まれる。

で、FLYは狭義のカーンマントルで、まさにスタティックロープそのものだと考えています。だから内芯は編まれていないですし、荷重は外皮がほぼ受け持つはずです。

で…実は4日ほど前からFLYっていいんじゃないの?と考えを改めていたところだったんです。Blazeが思いっきり外皮ずれしている事に気付きまして。ダブルブレイドは気難しいなあ、SRTはスタティックの方がいいのかなあと悩んでいる最中でした。

うーん…タイトアイが必要なかったらFLYはナイスチョイスになる気がしてきました。
(ど、どうしよう…カトさんにFLYはイマイチって言っちゃったばっかりなのにsweat01

ひとつお聞きしたいんですが、FLYをクローズシステムで使用しても問題なさそうですか?(スプリットテイルを使わずクライミングライン自体でヒッチを作る、あれです。)

「Arborist Equipment」に「スタティックロープでタウトラインを作ると、ロープ自体が堅いから極まりにくいぜよ」って書いてあるんですね。で、FLYはどうなんだろう、堅そうに見えないけど…と気になってまして…。

そいでは翻訳文を送らせていただきますねー!私も全く自信がないので、翻訳ミス等があったら教えていただけると非常にうれしいですcoldsweats01

投稿: フリップ | 2010年5月27日 (木) 16時23分

あくまで私の使用雑感ですが、FLYはしなやかで軽くて、今までは何も問題なくフリクションヒッチを作れています。効きもイイです。エイヤッて枝を飛んだりして荷重が掛かると締まり気味になりますが、通常のスタティックとは全然別物です。
あと、11mというのが塩梅がいいです。アセッションや下降器との相性も良いですし、ロープマンとかの確保器(これは使用目的から外れますが)でランニングエンドをランヤードとして使ったり...
逆にスプリットテイルではテネックスは径が合わないのか、相性が良くありません。ウルトラテックやアイステイルなら大丈夫です。
それから、スプライシングができないのが難点ですね。
また、スプリットテイルで使う場合でも、ワーキングエンドをヒッチが作れる分余して、場合によってトラディショナルと併用したり、カウズテールのように使ったりしています。まあブラブラしちゃうので邪魔っちゃ邪魔ですが、エンドをチョークバックとかに入れておきます。
でも今、24ストランドの「タキオン」がイイかなっとも思っています。3mほどのランヤードで使ってますが、FLY同様の使い方ができるし、スプライシングもできるし、テネックスとの相性も良いです。毛羽立ちが気にならない感じです。
まあ新しい装備に投資するってのが問題ですが...

投稿: satoc | 2010年5月28日 (金) 11時34分

satocさんこんばんわ!

むむむ、FLY良さそうですね。やっぱりスタティックより柔らかいんですねー。いやー欲しくなってきました(笑)。
FLYはスプライスできないっていうより、「可能だけどアイが太く長くなる」って感じですよね。ヒッチクライマー使いの私としてはタイトアイの方が扱いやすいので、そこだけが難点なんですよね…

ワーキングエンドの使い方、私はそういう発想が全くなかったのでビックリしました。これはおもしろそうです。私はまだまだDdRTの可能性に気付いてあげられていないんだなーと実感しました。

で、恥ずかしながら「タキオン」の存在を初めて知りました(汗)。ニューイングランドにこんなダブルブレイドロープがあったとは!
これ11.5mmなんですねー。グリグリとかロープマンmk.1辺りが使用径オーバーしちゃいますけど、RIGは大丈夫だし、選択肢のひとつになりますね。

色々と教えていただきありがとうございます!…Flyいい感じだなぁ…

投稿: フリップ | 2010年5月29日 (土) 00時17分

タキオン(タキロン)ってえとメーカー商品名でWesSpurがその名で販売してますが、シェりルではLAVA(ラバ)として同じものの色違いを販売してますね。
 最初はカメレオンの色違いかとおもってましたが、ちょっと違うような感じがしてます。
 今は200ftと120ftを色分けで使ってますが、私も気に入ってます。

投稿: 月光仮免 | 2010年5月29日 (土) 08時45分

月光仮免さん、こんにちはー!

あ、なるほど!Lavaってタキオンなんですか!
思い返せば11mmってロープを握る時に「細くてちょっとしんどいなー」と思うことがよくあるんで、こいつもいいですね。シェリルのカタログ見たらMilkingしないって書いてあるのも興味深いです。
タキオン(Lava)のMy評価がかなりあがりました。配色がきれいなので、個人的にはLavaが欲しくなりました。(願わくば…市販アーボリストロープすべてを試用してみたいものです。)

カメレオンはYale社製とTCJショップに記載があるので、Blazeの別注モデルなんかなー?と自分勝手に想像しています。

それにしてもシェリルって別注モデル好きですよねー。一時期あそこで買い物しまくったせいで、そこら中がシェリルのロゴだらけになってちょっと悔しくなりました(笑)。

投稿: フリップ | 2010年5月29日 (土) 19時15分

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