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2010年5月19日 (水)

破断荷重と安全率と使用荷重

【破断荷重】
破断荷重って言葉があります。カラビナとかに書いてありますよね。英語でいうとBleaking Strength もしくは Tensile Strength。

この破断荷重っていうのは「こんだけ荷重かけたら壊れちゃいまっせー」という表示です。破断荷重24kNのカラビナに24kNの荷重をかけたらぶっ潰れる訳です。つまりそんだけ荷重かけていいよっていうのではなく、荷重かけたら壊れるよっていう数値です。ここはしっかり区別しておく必要があります。

また最低破断荷重(MBS)と平均破断荷重(ABS)といった用語がカタログにはよく出来ています。

【使用荷重と安全率】
これに対して使用荷重は「何があるかわからんからさ、これくらいの荷重までで使っておけよ」という表示です。英語でいうと WLL もしくは SWL。日本製のシャックル等は使用荷重しか書いていない事が多いです。

で、この使用荷重は破断荷重÷安全率によって算出されます。

安全率(安全係数)ですが、英語ではDesign factor もしくは Safety factor と言います。
でもややこしいので安全率もWLLと言ってしまう事も多いです。WLLって書いたら「あー安全率の話か」とわかってもらいやすいですし、数値をみたらどっちの事を言っているかはわかります。「DF」なんて書いてもややこしいだけです。

この安全率は「実際の使用時に起こりえる不確定要素」だと捉えればいいと思います。わかりやすいのは墜落時の衝撃でしょうか。破断荷重から不確定要素分のマージンをとっておく訳です。例えば先ほどぶっ壊れた24kNのカラビナですが、安全率を10とすると、使用荷重は2.4kNとなります。だいたい230kgくらいですね。この範囲内で実際には使用していきます。大人2人がぶら下っても大丈夫という感じです。

ただし、破断荷重にしろ使用荷重にしろ、あくまで「新品の時」の数値です。道具は使用していくうちにどんどん劣化していきますよね。ですからあまり杓子定規にこの数値を鵜呑みにするのも危険です。使ううちにどんどん実際の強度は低下していくはずです。道具が壊れて死ぬのはメーカーではなく使用者ですから、自己防衛していきましょう。

【安全率の値をどうとるか】
安全率ってのはなかなかの曲者です。日本では「モノは6、人は10」で計算している事が多いです。

例えば玉掛けに使用するワイヤーは安全率を6とってありますし、エレべーター用(人が乗る)ワイヤーは10とってあります。ちょっと脱線しますが、ワイヤーの安全率6って根拠があるそうです。こちらのブログを参考にしてください。私にはよくわからないですし、理解する元気がありません(汗)
http://ropejp.seesaa.net/article/143772668.html

と言ったように、安全率は用途によって変化します。安全率を大きくとりすぎると全体の強度を過剰にあげてしまう事になります。これはこれで問題です。例えばクライミングラインに1インチラインを使うとか。想像するだけで嫌です。

それではツリーワークの道具はどうでしょうか。次回に続きます。

なお今回の記事内容について、ロープアクセス技術の広場さんにもっと詳しく・もっとわかりやすい記事がありますので参考にしてください。
→http://blog.livedoor.jp/rope_access_eng/archives/907089.html

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