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2010年8月の7件の記事

2010年8月27日 (金)

雑感0827 クーガーがリコール

ちょっと気になる事があったので速報気味に。(全然速報になってないんですが…)

さっきウェススパーを眺めてたら、クーガーのリコールについて記載がありました。クーガーのロープブリッジに欠陥が見つかったとの事。リンク先の8月20日の記事です。
http://www.wesspur.com/new-arborists-products.html

2009年11月以降に製造されたものが対象みたいです。ブリッジが真っ黒のタイプ。それ以前に製造された黄色と黒のしましまタイプは問題ないみたいですね。

ふと気がついて見てみたら、TCJさんのところでもリコール問題について記載がありますね。詳しくはこちらを読む方がいいかと思います。
http://www.tcw.co.jp/cgi-bin/SHOP/NEWS_DETAIL.CGI?DOC_NO=20100823_112545&FLAG=DETAIL

不具合の内容はわかりませんでした。調べる時間がちょっとありません。申し訳ないです。

しかしながら…ブリッジに欠陥があるってかなり恐怖ですよね(汗)。何にせよ、人身事故が起きる前に欠陥が発見されて本当に良かったと思います。

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2010年8月13日 (金)

カラビナのロッキング機構について

今回もカラビナの話です。何故カラビナの話が続くかと言うと、私がカラビナフェチだからです。今日はロッキング機構(スリーブ)について考えまっす。

【カラビナのロッキング機構いろいろ】
まずはこちらの画像をご覧ください。モデルは左からコング「オーバル ストレートゲート」、ペツル「OK スクリューロック」、DMM「ウルトラ‐O ロックセーフ」です。

_03_2

【ANSI Z133.1を基準に考えよう】
アメリカのアーボリスト達の労働基準のひとつ、ANSI Z133.1には、アーボリストがクライミングに使用するカラビナを規定している一文があります。ANSI Z133.1 (8.1.11)。シェリルの2010カタログp.60にも記載されているので是非ご覧ください。(ANSIってJISみたいな工業規格でもあり、労働基準でもあり、説明するのがややこしいんですよね…)

クライミングに使用するカラビナについて、このようなカラビナを使用するように定めています。
・自動閉鎖&自動ロック機能付き
・少なくとも3アクション
・破断強度は最低22.24kN(5000ポンド)

つまり上記写真記載のカラビナですと、DMM「ウルトラ‐O ロックセーフ」しかアメリカ基準に達していない事になります。

(補足説明)
3アクションの部分ですが、より直訳気味に書くと「ゲートをリリースする前準備に最低2回の連続して意図的な動作を必要とする、そういったカラビナを使うように!」となります。ですから「自動ロック機能付き・2アクション」のカラビナはNGです(例:ペツルのツイストロック)。

ちなみにロッキングスナップはこの条項の適応外で、それ専用の条項ANSI Z133.1 (8.1.10)があります。あとANSI Z133.1は今年改正されたみたいです。参考にしたシェリルのカタログ記載のものが2006年版だったので、上写真でも2006と表記しています。

【ロッキング機構いろいろ】

1アクション…ノンロッキング(安全環なし)のカラビナ

2アクション…シングルロッキングのカラビナ
・スクリューロック…安全環がスクリュー式。自動ロック機構はない。 
・ツイストロック…回して開けるタイプ。自動ロック機構はある。メーカーにより名称が異なる。

3アクション…ダブルロッキングのカラビナ
・ボールロック…ボールを押して回して開けるタイプ。ペツル製品に採用。
・トライアクトやロックセーフなど…押して回して開けるタイプ。一番使うタイプ。
・マニュアルロック…押して回して開けるタイプ。手動ロック機構。ロックエキゾチカ製。

4アクション…トリプルロッキングのカラビナ
・クアッドロック…どういう機構か忘れました(笑)。ISC製品に採用。

【あーだこーだ】
トライアクトタイプの正式名称ってなんなんでしょうね…。メーカーそれぞれ独自の呼び方をしています。ペツルの肩を持ちすぎる気がしてちょっと嫌なんですが、面倒なのでトライアクトタイプという呼び方でいこうと思います。だいたい意味は通じますよね?

上記のうちANSI Z133.1に適合するのは、ボールロック(ペツル)、トライアクトタイプ、クアッドロック(ISC)です。他のタイプは適合しません。あと気をつけたいのはアクション数とロッキング数は一致しないという事。ゲートを開ける動作がアクション数には含まれ、ロッキング数には含まれない事が原因です。

それではひとつひとつ見ていきます。

【スクリューロックの問題点】
Dsc00839_sそもそも自動ロック機能がない時点で厳しいものがあります。しかも2アクション。個人的には好きなんですが、深く言及するのは止めておきます。私自身、ツリーワークにスクリューロックは向いていないと感じています。私は妙に大量のOKスクリューロックを所有してますが、今後トライアクトタイプに随時変更していくつもりです。そしてどうしても使うならペツル製品限定ですね、スクリューがしまっていない事が一目了然でわかる赤い塗装がしてあります。
ただスクリューロックは緊急用ナイフ等の小物をハーネスにぶら下げる時には便利ですよ。

【ツイストロックの問題点】
Dsc00843_s正直言って、これが一番信用性がないと思います。ツイストロックは簡単にロック機構が外れます。ごちゃごちゃした作業をしていると勝手にゲートが開いていた、なんてことを経験済みです。ツイストロックは買わないべきです。ただペツル「フレイノ」がですねぇ、何故かツイストロックのモデルしかないんですよ(涙)。フレイノとストップの組み合わせは本当に使いやすいだけにすごく困ったもんです。フレイノのトライアクトが出たら真っ先に買いますね。

【ボールロックの問題点】
ペツルのボールロックは一応ANSI Z133.1に適合します。しかしながら私はこいつに懐疑的です。あのボールって手袋をしていると非常に押し込みにくいです。いっそトライアクトタイプの方が開けやすいんじゃないでしょうか。それに強度的な不安があります。安全環に無理がかかるとボールが破損するんですね。詳しくは「ロープアクセス技術の広場」さんに記事があります。是非ご覧ください。

【トライアクトタイプの問題点】
Dsc00848_s_2普段から一番使うであろうトライアクトタイプですが、これも絶対の安全を保障するものではありません。まず、ロッキング機構がバグって完全に閉まりきらない場合があります。詳しくはsatocさんのブログで紹介されています(リンク)。そしてロープなどの擦れにより勝手にロックが開いてしまう現象もあります。これは「ロープアクセス技術の広場」さんに記事があります。
ただこういった問題は孕みつつも、それでもやっぱり一番使い勝手の良いタイプだとは思います。ただ絶対安全だと慢心しない事が重要でしょう。ハーネスとギアの連結部にはクアッドロックもいいかもしれません。

【マニュアルロックの問題点】
ロックエキゾチカ製カラビナにこういったモデルがあります(リンク)。トライアクトタイプの自動ロック機能を手動ロックにしたもの。ロックしない場合は普通の安全環なしカラビナみたいな操作感を得られます。カラビナフェチとしては一枚くらいはいつか欲しいなあと思わずにいられません。satocさんのブログで紹介されています(リンク)。
しかしながら自動ロック機能がないのでANSI Z133.1には適合しません。

【クアッドロックの問題点】
ISC製のカラビナにこういったモデルがあります。すみません、詳しく知らないんです。推測でしかありませんが、おそらく片手じゃゲートを開放しにくいだろなーと思います。ランヤードとハーネスの接続、クライミングシステムとハーネスの接続、など樹上じゃはずさないだろーという部分にはいいかもしれません。樹上でギアラックからこれを取るのは…私はしなくないですね(汗)。


【まとめ】
結局のところ3アクションのトライアクトタイプが一番使いやすいでしょう。次点でクアッドロック。他のロック機構のものを使用するならそれ相応の覚悟がいるでしょう。使わない方がむしろ気楽だと思います。ツイストロックとボールロックは個人的な私怨により私は絶対買わないです。

そしてトライアクトタイプでも絶対の安全は保障されていません。カラビナセット時、そして作業中も目視による定期的な確認は必須です。オープンゲート状態は非常に強度が低下します。それにもしマイナーアクシスの荷重がかかっていればロッキング機構云々以前の問題でNGです。ゴムチューブ(リンク)やコーナートラップ(リンク)をうまく活用していきたいものです。

今回のカラビナの話はANSI Z133.1-2006(8.1.11)を基準に考えています。つまりクライミング用途限定の話です。他の用途についても流用できる考えもあるでしょうし、できない考えもあるでしょう。さらに、ANSI Z133.1を絶対順守しろ!と言いたい訳でもありません。この基準くらいしか私が知らなかっただけです。
ただ順守するに値するだけの説得力がこの規格にはあるのも事実です。少なくともしっかりと理解しておく事は必要でしょう。日本でも早くツリーワークに関する真っ当な労働安全基準が制定される事を望みます。

次回、カラビナの話はまだまだ続きます。


(蛇足)
こないだ諸事情あってバンジージャンプを飛んできたんですが、そこではペツルのamDボールロックが大活躍してました。レストレインとハーネスを接続するランヤードの両端にボールロックカラビナがついていました。こういう状況ではボールロックが一番使いやすいんでしょうね。ロープが安全環に絡む事もないし、指抜き手袋をされてましたし。どんな道具も適材適所がありますよねー。
あとバンジーはおそらく制動確保です。最下降点でも全く衝撃なし。いくらゴムコードとはいえ、あの感触は固定確保じゃ無理だと思います。カウンターウェイトが仕込んであるような印象でしたね。じっくり観察したらよかったんですが、レスキュー系のシステムっぽくて理解しきれませんでした。さすがに飛ぶ前は緊張してて余裕なかったですし。
ちなみに支給されたハーネスの使用前チェックをしていたら、ビビっていると思われてちょっと悔しかったのは内緒です。チェックくらいさせて欲しいですよねー。

それにしてもマニュアルロックのカラビナが欲しいです。実物のドクロマークを見てみたい!

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2010年8月12日 (木)

カラビナのゲート&ノーズ形状

引き続きカラビナの話を。今回はゲート形状とノーズ形状について書いてみます。

【ゲート形状】
カラビナにはストレートゲートとベントゲートがあります。ついでにワイヤーゲートも一緒に紹介します。

_03_5

ツリーワークですと、基本的にストレートゲートしか使わないでしょう。ストレートゲートの安全環付きタイプですね。私はベントゲートとワイヤーゲートに安全環が付いているタイプはいままで見たことがありません。

ベントゲートはロープのクリッピングしやすさを求めています。ロッククライマーには大切な事でしょうが、ツリーワーカーには全く関係ない事です。

ワイヤーゲートは軽量性を重視しています。そして「ウィップラッシュ現象」が起きにくいことも特徴です。ウィップラッシュ現象とは、墜落時の衝撃でゲートが瞬間的に開いてしまいオープンゲート強度しか保てなくなる結果、カラビナが破断してしまう現象の事です。これまたロッククライマーには重要なことですが、ツリーワーカーにはあまり関係ないと思います。

ベントゲートやワイヤーゲートのカラビナをわざわざ買う必要は全くないでしょう。もしロッククライミングが趣味で、そういったカラビナの新品を持っていたとしてもツリーワークには使わない方がいいと思います。まあ安全環がついていない時点で使えるシーンは非常に限定されますし、そういったシーンではどんなカラビナだろうが問題ないかもしれません。

私としてはベントゲートには全く興味がないですが、ワイヤーゲートは軽量性の観点から何か使えないかなーと考えています。まあほとんど思いつかないんですが。

あ、ベントゲートはハーネスに装着してギアラックにするっていう使い道がありますね!ペツルの「キャリツール」的な使い方をすると言うことです。ベントゲートの方がストレートゲートよりクリップしやすくて便利でしょう。

ロストアローのテクニカルページも参考にしてください(リンク)。

【ゲートロック種類、もしくはノーズ形状】

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上記写真の通り、ピンロックゲートとキーロックゲートの2種類があります。ワイヤーゲートをピンロックゲートと言っていいのかどうか。たぶんダメな気がします(笑)。

しかしながら重要なのはノーズの形状。「フラットか、もしくは凹み(ノッチ)があるか」です。(ややこしいのでフラットな場合はキーロックノーズ、ノッチがある場合はピンロックノーズと言うようにします。)

カラビナを購入する時は、できるだけキーロックを買うようにしています。私の手持ちでピンロックなのは「うっかり買っちゃった系」ばかりです。わかってて買ったのはリボルバーくらいです(私が購入した頃はまだ安全環付きタイプがあまり出回ってなかったんです)。

何故かっていうのは言わずもがなでしょう。ノッチがハーネスのギアラックに引っかかる。ロープに引っ掛かる。ギアに引っ掛かる。鬱陶しいったらありゃしないです。そしてキーロックの方がピンロックよりも強度的な安全性に優れます。キーロックの欠点は思い浮かばないですね。

【まとめ】
カラビナを買う時は、ストレートゲートでキーロックタイプを買っておけば間違いないって事です。さらに言うと、トライアクトタイプの安全環付き。安全環については別記事にします。



【補足】
今回の写真でモデルになってくれたのは、DMM「リボルバー」、BD「ポジトロン」、DMM「シャドウ」です。シャドウについて、この写真のものは旧タイプです。現在のものはボディの肉抜きによる軽量化とキーロックゲートの採用がされています。と言うか…今調べたらゾディアックも現行商品はキーロックじゃないですか!ありゃー!

【蛇足】
蛇足ですが、キーロックはコング社が特許を持っている(or持っていた?)そうです。そしてワイヤーゲートを初めて発表したのはブラックダイヤモンド社です。

ワイヤーゲートにもキーロックタイプの製品はあります。DMM「シールド」、ワイルドカントリー「ヘリウム」の2種類。そして間もなくペツルからも発売する「Ange」っていう製品です。ペツルとしては秋頃の発売だそうです。アルテリアがどうかはわかりません。
(そういやワイルドカントリーのカラビナってDMMがOEMしているらしいですね。お店でちょろっと聞いただけなので本当かどうかはわかりませんが。)

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カラビナの各部名称(0812追記あり)

今回はカラビナの各部名称について書いてみようと思います。

下の写真をみていただければだいたいわかると思います。ちなみにこのカラビナはDMM「ゾディアック ロックセーフ」。まさかピンロックゲートだったとは(笑)。(追記:現行のゾディアックはキーロックです。この写真のものは旧モデルでした。)

【カラビナの各部名称】
1_01

【説明できるかな?】
では簡単な説明を。

ノーズ…ゲートとボディが結合する部分。ピンロックゲートのノーズは凹みがあって使いにくいです。

スリーブ…安全環の事。この写真のものはロッキングスリーブです。もっと的確でわかりやすいな単語があった気がするのに思い出せない…。

ゲート…カラビナの開閉する部分。この写真ですとスリーブに隠れて見えないですね。スリーブはゲートに含まれます。

ヒンジ…ゲートの可動点。蝶番の部分っていったらおかしくなりますかね。うちのブログでは今後「ノーズ側orヒンジ側」って言い方をするかもしれません。「変D型のボディはノーズ側よりヒンジ側が狭い」みたいな言い方。

ボディ…カラビナのゲート以外の部分。写真ですと銀色の部分すべてです。

スパイン…直訳すると「背柱」。写真ですと、ゲートの逆側。「DMM」って書いてある方の真っ直ぐな部分です。

【スパインについて】
スパインは非常に重要な役割を担っています。カラビナで一番強度がある部分です。スパインに一番過重がかかっていて、ゲート側もゲートがきちんとしまっている。つまりメジャーアクシスですね。この状態が一番カラビナの強度がでます。

D型・変D型のカラビナがありますよね?あれはスパイン部に荷重をしっかり乗せられるように設計されたものです。もし同じ素材でカラビナを作った場合、他の形に比べて変D型カラビナは高いメジャーアクシス強度を持つことが多いです。

【まとめ】
大してまとめることがありませんね(汗)。カラビナの話はまだまだ続きまっす。

【追記】
今回のモデルになってくれたDMMのゾディアック。私の手持ちはピンロックですが、現行はキーロックゲートです。というかDMMのカラビナはワイヤーゲート製品を除いてすべての現行製品はキーロックを採用しているはずです。

ネットで見ていると旧モデルのタイプを商品写真に使っているお店があります。大丈夫だとは思いますが、一応買う前に確認されることをおすすめします。(私が旧モデルの製品を買っちゃったのはこういう写真的な問題とは違います。真相は…ヒミツです。しょーもない事です(笑)。)

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2010年8月11日 (水)

ブランメルスプライスの露出コア問題

それでは前回の続き。今回は「コア剥き出しアイって結局どうなの?」という問題について記事を書いてみようと思います。

参考にしたのはTreeToolsブログのこちらの記事(リンク)。ブランメル・スプライスとクラスⅠスプライスの比較記事です。
対象コードはDonaghysの「armor Prus」(メーカーリンク)。あまり聞き覚えのない方も多いかもしれませんが、イギリス系のお店やBBSでちょくちょく見かけます。特徴としては外皮にテクノーラを使用している事。これにより耐摩擦熱性能と耐荷重性能を獲得しています。あと迷彩柄がおしゃれです。

初めに言っておきたいのですが、Treetoolsのブログ主さんはあくまで個人的な意見として記事を書いておられます。そして「ArmorPrus」のブランメルvsクラスⅠの比較をされています。それを援用して、私は「ウルトラテック」のブランメルを考えます。そこのところを注意してください。

それでは見ていきます。

【スプライスのせいでコードが硬くなる】
スプライスをしたコードは、アイ上部が硬くなります。コードをコードに挿し込む過程でそういった範囲がでてくるんですよね。これは仕方ない事です。そしてこの硬化はフリクションヒッチの挙動に影響を与えます。ヒッチがうまく極まらないだとか、ブレイクした後にグリップしにくくなるとか。

クラスⅠと比較して、ブランメル・スプライスは硬くなる範囲が少なくて済むらしいです。つまりブランメルの方が柔軟性があるという事です。これはいつも当ブログに貴重なコメントをくださっているヨシミさんも同様の事を言及しておられます。

【え、硬いんですけど…】
しーかし、私の持っているWesSpurのウルトラテックは硬い範囲がでかいです。写真をご覧ください。着色部分が堅いところです(多少の誤差はあります)。
Dsc00802_s2

この部分までコードが差し込んであるという事になります。柔らかいところの方が少ないでしょ。使いにくいんですよー(涙)。正直、ヨシミさんにいただいたクラスⅡスプライスのウルトラテックの方が明らかに堅い範囲が少ないです。

まあこれはWesSpurのコードの問題ですから普遍的な話ではありません。でも私には深刻な話です。

【強度的に大丈夫なの?】
スプライスの引張り強度試験をした場合、クラスⅠよりブランメルの方が高強度です。詳しくはTreeToolsブログのこちらの記事を参考にしてください(リンク)。しかしブランメルはコア剥き出しです。以下、その点を考えます。

【熱抵抗性の低下】
「ArmorPrus」の内芯はスペクトラ/ケブラーの複合繊維です。こいつ達は耐熱性に劣ります。スペクトラが約147℃、ケブラーが約426℃で融けだすらしいです。で、スラックテンダー用のプーリーと併用した場合、そのプーリーで発生した摩擦熱はすぐ傍にあるフリクションコードのアイに伝わる心配があり、それってやばくない?…こう言うことをTreetoolsさんはおっしゃっています。

ただ、この点はウルトラテックはあまり気にしなくても良いかもしれません。内芯はテクノーラですので。うーん、何とも言えません。

【露出したコアは脆い】
そして、Treetoolsさんが一番恐れているのは「露出したコアの織りはゆるく、耐摩耗性が低い」事です。

まず考えられる事は、「カラビナのノーズが通りにくい」問題です。無理やり通そうとするとコア内側の撚り糸を数本ぶちぎっちゃう事もありえます。いやほんとこれは鬱陶しいです。

そしてTreetoolsさん曰く、一番重要な事は「荷重がかかった時、コアは簡単に丸みを失う」問題です。これはどういうことか。

下の写真をご覧ください。荷重によってアイの丸みが失われます。そしてヒッチクライマーのカラビナホールとカラビナの間には隙間があります。この隙間につぶれたアイがひょろりと入り込んでしまった場合、アイの繊維は容易に破断することは想像できると思います。
Dsc00803_sp

じゃあヒッチクライマー以外だったらいいんじゃないの?いや、そんなことはないです。プーリーを挟むようにプルージックコードをセットした場合、同様の事が起こり得ます。ただ、荷重をかけたらその隙間自体も閉じるんじゃないの?と思わないでもないです。言いたい事はわかりますが、私はこの意見を全面的には支持しきれないですね。

しかしながら、メーカーとしてはコアを露出した状態で使用する事を想定していない可能性はあります。ちょっと調べる元気がおきないので確定的な言い方はできませんが、コアの露出を容認するとは…あまり思えないんです。

【紫外線対策】
これは私の意見です。先日コメント欄に「テクノーラの耐光性の低さが気になる」と書きました。帝人のテクノーラのサイトを見ても「高強力繊維は一般に耐光性は低く、テクノーラ®も約3ヶ月の日光曝露で強力が半減することがあります。」とあります(リンク)。

しかしながら、WesSpurのカタログを見る限り、高性能コードってほとんどがテクノーラを含んでいるんですよね(汗)。ウルトラテックはコアにテクノーラを使用しているだけまだマシとさえ言えます。

つまり、耐光性の問題はアイがどうのといった問題ではないということです。「高性能コードは使用三か月で取り換えるべきだ」と、パオロさんはこちらの資料でおっしゃています(pdf資料、p42 10.5)。妥当な線かも…私も思います。

【最後に】
あーだこーだと言っていますが、是非ともTreeToolsブログの該当記事をご覧ください(こちら)。そちらの方が手っ取り早いです。もともと私が露出コアに否定的なので、TreeToolsさんの意見を都合よく捉え過ぎている可能性もありますし。

個人的な意見としては「ブランメルスプライスの強度低下の少なさは認めるが、露出したコアは何かしらの不具合を引き起こす」と考えています。具体的には今後はシェリルのグリズリースプライスのウルトラテックを使用するつもりです。これを買い貯めておくようにします。

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2010年8月 8日 (日)

ブランメル・スプライス(0811追記あり)

全くもってスプライスの事はよくわかってないんですが、今回は「Brummel Splice」(以下:ブランメル・スプライス)についてちょろっと書いてみようと思います。

【ブランメル・スプライスはこれだ!】
まずは実例を出します。このコードはウェススパーで購入したテネックスのプルージックコードです。リギングの倍力システムに導入してやろうと考えて購入したもの。これがブランメル・スプライスです。
Dsc00787_s

アイの拡大写真。
Dsc00785_s

よくわからんでしょうから、アイの折り返し部分から色を変えてみました。これなら何となくイメージがつかめるかと思います。うりゃっ!
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横から見た図。わかりやすいなー(自画自賛)。
Dsc00786_s2

【簡単な構造の解説】
黄色い側は青い側の内部に吸い込まれています。ここまで見た上でニューイングランドさんのサイトにある「How to ブランメル・スプライス」(リンク)を読むと、だいたいの構造は掴めると思います。

【色々種類があるらしい…】
ネットで色々検索してみると、一言でブランメル・スプライスと言っても種類があるらしいです。ロックとアンロック、メビウス・ブランメルとかマクドナルド・ブランメルとか。

残念ながら私にはさっぱりわかりません。でも上写真やニューイングランドで取り上げられている方法が、一番有名且つベターな方法みたいです。ヨットマンがよく使うみたいで、そちら系のサイトがばんばんヒットします。

【強度は?】
強度は非常にあるらしいです強度低下は少ないです。そしてスプライス方法も簡単。これだけ聞くとすげー!と思いますが、天の邪鬼な私はどこかに弱点があるはずだと信じて疑いません。でもスプライスの事はわからないので、実際どうなのかよくわかりません。たぶん、ホロウブレイドじゃないと編めないんかなー?という気がしています。

強度の話はTreeToolsのブログで取り上げられています。これはロッキング・ブランメルvsタイプ1・スプライスの強度比較の実験結果です。(こちら)。はたまた、Tree Worldのこちらのスレッドも参考になるかもです(こちら)。

【何が言いたいかといいますと…】
さっきから「わからんわからん」と逃げ回っておりますが、結局私が何を言いたいか。

上記「TreeWorld」のリンク先スレッドをご覧になりましたでしょうか。そうです、ウェススパーで買えるウルトラテック(コア剥き出しのやつ)はブランメル・スプライスがされているらしいのです!えーほんとにー?や、さすがに外皮を剥いて確かめる勇気は私にはないので勘弁して下さい(汗)。でもまあ本当なんでしょう。たぶん。

つまり、「コア剥き出しのアイはブランメル・スプライスでつくられている」と言いたいのです。

【次回予告】
で、TreeToolsのこちらの記事をご覧ください(リンク)。「コア剥き出しアイのコードは結局どうなの?」という話題について、Treetoolsさんの意見が書かれています。

この記事内容について次回書きたいと思います。(この記事内容は既に「なんちゃって」翻訳済みですので、もし翻訳文を一足先に読んでみたいと言う方はメールにてご連絡ください。でも翻訳があってるかどうかは定かではありません。)


【補足】
私は今のところ自分でスプライスをする気は全くありません。だって…もしスプライスに失敗してたら大損害です。人が死ぬか、保全対象物が壊れるか。あれは素人が簡単に手を出すもんじゃないですよ。スプライスに熟練した経験者に見てもらいながらしっかりと練習すべきだと、独学じゃ到底無理だなーと思う次第です。なんとなく、でやったら泣きを見る事間違いなしです。

大丈夫!スプライスができなくてもリギングは可能です!必須技能ではないと思います。お金はぶっ飛んでいきますけど、買える安心は買ったらいいじゃありませんか。
…でもスプライスをマスターしたらロープ長を自分で決められるので、自由度が飛躍的にあがりますけどね(泣)。テネックスくらい練習しよっかなー…ルーピースリングが大量にほしいんですよねぇ。

【追記:0811】
当記事について、非常に有用かつ貴重なコメントをたくさんいただいております。感謝感激です。是非、コメント欄をご覧ください。私の意見も、この記事を書いた当初より変化があります。

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2010年8月 6日 (金)

ハニーブラザーズはハニーでした

先日の事ですが、ついうっかり、またしても、海外通販をやってしまいました。今からカードの請求にビクビクしております。夏が悪いんです、暑さが悪いんです。

で、今回注文したのはイギリスのお店「ハニーブラザーズ」さんです。結論から言いますと、ここはいいお店です!もしかしたら一番良かったかも。ポンドってのがつらいとこですが。

【今回のお品書き】
今回ハニーブラザーズで注文したのはこんな感じです。

エーデルリッド ツリーマジックⅡ
ART ロープガイド
バッキンガム スローウェイト 8oz & 10oz
DMM ウルトラO ロックセーフ
DMM センチネル ロックセーフ

これにプラスして知り合いの方にも連絡をとり、一緒に注文しました。総額は…恐怖の600ポンド超え!うぎゃー!

【注文方法は楽勝】
いたって簡単です。ネット通販に慣れていれば特にこれといって問題はありません。ポポーンと必要事項を入力するだけです。私なんて電話番号を国内電話表記で書いていますから!

ただ気をつけたいのは、ここはポンド決済のみです!や、当たり前なんですけどね(汗)。知っている方は知っていると思うんですが、ここって料金の通貨単位を変更できるんですよね。ドルとかユーロとか。

私が注文した時、ポンド決済するよりユーロ決済する方が3000円近く安かったんで、ユーロで注文したんですよ。そしたら自動送信メールだとユーロ建てだったんですね。「ラッキー!」と思いきや、そのあとお店からの送料通知メールではポンド建てに。

「ユーロじゃだめ?」と聞いたんですが、「え、だってうちはイギリスのお店だよ?」と至極当たり前の返信がきた訳です。じゃー通貨単位を変更できるようにするなっ!と思いましたが、私は英語の苦手な小心者なので深く突っ込むのは止めておきました。

【注文後の流れ 返信すべし】
注文後、自動送信メールがきます。その後お店から送料通知メールが来るので、これに「OK! Please sipping!」みたいにテキトーな返事をすると完了です。でもこのあとになって「実は在庫が切れてる商品があるんだー。どうする?キャンセルする?」みたいな連絡があったりするので気を抜かないでください。

でも特筆すべきはその返信の早さ!たまたまタイミングが良かっただけかもしれませんが、こっちがメール送ってから10分後くらいには返信がありました。その日のうちに5回ほどやりとりしたんですが、どれも素早かったです。このスピード感は初体験でした。

【配送はUPS】
今回私はUPSで送られてきました。配送が無事完了したら、UPSから 「UPS 出荷通知 トラッキング・ナンバー ○○○○」みたいな日本語のメールがやってきます。あとはトラッキングデータを楽しみながらのんびり待つだけです。今回、イギリス→ドイツ→インド→中国→日本という長旅をされました。羨ましい奴です。

今回の注文ですと、重量8kgで送料70ポンドでした。意外に安くてビックリしたんですけど、どう思われるでしょうか。

そして『UPS SAVER』というサービスでした。これは3営業日に到着する事を保障しています(たぶん)。なのでめちゃ早く到着してびっくりしましたね!金曜注文で火曜に到着です。日本国内の配送はヤマトさんでした。でもこれは地域性があるかもしれませんね。

関税は今回消費税5%+ハーネス5%。ハーネスなんて項目があるんだ…とちょっと面白くなりました。他は鉄製品という事で関税なしでした(たぶん)。

【で、到着】
やってきた箱はこんな感じ。梱包に特に問題は感じませんでした。ハニーとスチールの梱包シールがおしゃれです。このでかさで70ポンドだといいと思うんですけどねー。
Dsc00779_s

私の注文分はこんな感じです。あーあ、ついにロープガイドかっちゃった。よりにもよって新しいハーネスまで…(巾着のなかに入ってます)。
Dsc00784_s

【今回注文した製品の簡単なインプレッション】
まだ試しにちょいちょい使った程度ですが、少しでも参考になれば。

ツリーマジックⅡ…セコイアSRTも素晴らしいハーネスですが、これは凄い!いやー快適そのもの!調節次第でS~XLサイズまですべて対応しちゃうという恐ろしいハーネスです。ARTが共同開発してるみたい。あーこれにセンターアタッチメントさえあればなあ…

ロープガイド…うわぁプーリー最高!早く現場で使いたい!しかも写真だとわかりにくいですが、これ、相当おしゃれですよ。シブい色合いです。SRTで登ってからこれでDdRTするのが今後のスタイルになりそうです。

バッキンガムのウェイト…前回の記事に登場したOさん曰く「何故かこれが一番投げやすいんですよねー」。細長形状がグッドらしいです。これを買うためにハニーさんを選んだようなもんです(他の製品はFreeWorkerでも買えます。でもツリーマジックⅡはハニーの方が断然お買い得)。

DMMのカラビナ達…いい加減スクリューロックはやめておこうと思いまして(汗)。ペツルに比べてDMMのトライアクションは片手でも開閉しやすいです。最初の押し上げ動作幅が狭い事&独特のカラビナ形状が関係していると思われます。その分、思いがけないオープンに気をつける必要がありそうですが。私はDMM派になりそうです。でもペツルのamDは大好き!ウルトラOはヒッチクライマー用に、センチネルはランヤード用を考えています。そういや皆さんDMMのサイトで「Impact Block」見ました?死ぬほどかっちょいいですよね、あれ!

【最後に】
いやー…ハニーさんにはびっくりしました。早い・安い・安心感の三拍子が揃ってる感じです。まあまだ一回しか使ってないので今後どんなトラブルがあるかわかりませんが。イギリス系の買い物をする時はここを使おうと思います。

惜しむらくは…ここって微妙に品揃えが悪いんですよね(汗)。「あれ?これがないの?」みたいな気分になったりします。でも要は使い方次第ですね。

あと怖いのはポンドの激しい値動き。これがほんと怖い。とはいえ以前に比べたら随分下がっているのであまり深く気にしないっていうのもひとつの技です、はい。

そうそう、注文前に送料とかギアの事について問い合わせメール送ったんですが、結局返信ないままでした(笑)。一体あれは何だったんだろう?

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