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2010年10月10日 (日)

(超重要)記事訂正があります 反省しきりです…

本日、「ロープアクセス技術の広場」さんを久しぶりに読んでいたら、「落下係数ゼロの墜落って何? ゼロフォールファクター 静止荷重の2倍です。」及び「同じ落下係数でも墜落距離が長いほど、衝撃荷重をうける時間は長くなる」という記事がありました。

この記事を読んでいく内に…頭の中ででっかいクエスチョンマークがぷかっと浮いてきまして…「あれ?私の思っている挙動と違う!」 そう思いつつ記事を読み進めていくと、コメント欄にてまさしく月光仮免さんが私の疑問を質問しておられました。

で、2時間近くあーだこーだと考えた結果、結論として私の考えの過ちに気づきました。あっちゃー(涙)。

うちのブログで間違いがある記事はこちらです→
墜落の衝撃を受けるタイミングはいつ?」(2010/02/19)
落下係数について」(2010/02/22)

この記事で私は「人体が墜落の衝撃を受けるのはロープが最大展張した瞬間であり、その時、墜落荷重の最大値を一気にうける羽目になる」といった事を書いているんですが、これ、大間違いでした。

実際は「ロープが伸びだした時から人体に荷重がかかる」が正解です。記事内でアンカーについてはそのような記述をしているのですが、これが人体側にも適応される訳です。

この変更によってどんな不利益が起きるかと言いますと…長距離落下は人体とアンカーを時間で破壊する。そして人間は持続的な負荷に弱い。という事です。(詳しくは前述のロープアクセス技術の広場さんの記事に書いてありますので、そちらをお読みいただければと思います。私が書くより遥かにわかりやすく正確です。)

落下係数の話題が出る場合、短距離落下の危険性を説く場合が多いです。

「長距離落下であろうが短距離落下であろうが、落下係数が同じならば墜落時の衝撃荷重の最大値は同じである(理論的には)」といった語り方を一般的にします。そして短距離落下をなめたら痛い目にあいまっせ!という教訓を引き出すんですね。

これが脳みそのなかで裏返ると、じゃあ長距離落下しても落下係数を低く抑えておけば問題ないって事か…となりがち(私のことです)なんですが、そうじゃなかったって訳です。落下時の衝撃には「衝撃荷重の強さ」だけではなく、「衝撃を受ける時間の長さ」を考える必要があるんです。

むうぅぅ、個人的にはCTFの時と同じくらい根本的な部分を勘違いしていたので、どうやってあの記事を変更するか悩むところです。あれ自体重要な事を書いている割にはイマイチ読みにくい記事だったので、いっそ初めから書き直そうかなーと思います。

今からちょいと書いてこようと思いまっす!

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雑感」カテゴリの記事

コメント

ん? 単に積分すれば実際の破壊力が出るというだけの話だったんぢゃないんですか?
 ロープが感じる(?)テンションは力の単位ですが、破壊力はエネルギーとして捉えるわけですから。

投稿: 月光仮免 | 2010年10月12日 (火) 20時15分

ん・・・ また半端なコメントを入れてしまいました。 しゅまんこってす。
 加えられたエネルギーが衝撃になるかならないかは、基本的に塑性、あるいは変形 の時間内限界との兼ね合いになりますよね。
 若いフリップさんと64歳の私が同じブレーキングを受けた場合、フリップさんが あーきつかった と済む場合にも私にとってはギックリコシになる可能性がある って訳ですね。
 

投稿: 月光仮免 | 2010年10月12日 (火) 23時34分

どうも、こんにちは、山口宇玄です。

自分の書いたあの2つの記事については、社内外のあちこちから「わからん!ついていけん!」と言われていて、内容の修正が必要だと感じているところです。

どうにか、難しい理屈は抜きに、直感的・視覚的にわかる説明の仕方はないものかといろいろ考えてはいるのですが、伝えるというのは、理解するより難しいです。
(理解できるかどうかを無視して説明するなら、数式を並べて、解を誘導して終わりなんですが、それではただの自己満足ですから。)

しかし、ブログを見てくれている人の中に、あのような小難しいネタにも反応してくれる人が増えてきてくれているのはとても嬉しいことなので、今後もがんばります。

投稿: 山口宇玄 | 2010年10月13日 (水) 10時55分

月光仮免さんこんばんわー!

もう一度ぼっちさんの資料を読み直しているんですが、どうやら私はまだよくわかっていないみたいです。月光仮免さんのおっしゃる事もうっすらとわかるような、わからないような…という状況でして(汗)。現在「あれ、そもそも衝撃荷重って何だっけ?」というところまで堕ちております。文系バリバリの私としては学生時代にもっと理系しておけば良かったと涙がでそうです。

んー、でも積分しちゃうとちょっと違うような気がします。ぼっちさんの資料の「3-6.制動確保」を見たら、制動確保のほうがエネルギーの総量は大きくなっているからってのが根拠なんですが、どうなんでしょうか。
基本的に私は総量というより、墜落荷重のピーク値、及び危険水域以上の荷重を受け続ける時間が重要なんじゃないのかなー。と考えています。

でも人体への影響を「変形・塑性」といった理論的な感じで捉えると、月光仮免さんのおっしゃる事も納得できるような気がするんですよね。

うーん、悩み中で考えがまとまらないっす(汗)。すっごく的外れな返信になっている気もします。

投稿: フリップ | 2010年10月13日 (水) 20時57分

山口さんはじめまして!

いつも楽しくブログを拝見させていただいております。最近の実測シリーズも非常に興味深いです。あれだけの事で思っていた以上の衝撃荷重がでている事に驚きました。スタティックに作業しているつもりでも、予想以上にダイナミックな世界なんですね。

落下係数の記事、非常に参考になりました。落下係数0の状況を完全に勘違いしていた事にも気づかせていただきました。私は他業種なぶん、むしろああいった理論的な話のほうが応用が効くのでうれしかったりします。

小難しい話も含めて、今後とも山口さんの記事にパクパクと食いつかせていただきたく思います。どうぞ宜しくお願いいたします。

投稿: フリップ | 2010年10月13日 (水) 21時49分

フリップさん、落下係数の議論ってのは空論に陥りやすいなぁ~って思ってますrain

 思考の流れで言うなら、10cm程度の落下を強く意識して考えている訳ですから、そこで実際に起きることは、グラフが示す単なる「力」のピーク値とかではなくて、人間の体の柔軟さがショックアブソーバの役割を果たすことを織り込むのが自然だと思いますよ。 
 極短距離落下で衝撃実感がないのは腹の脂肪がクッションになってcatface衝撃力を吸収してくれるから。 つまり積分値が大きくないってことですね。 

 ただ、これをそのまま10mのエネルギー開放に適用しようとすると、人間の体が際限なく柔軟に変形しなくてはならなくなっちゃう。
 だから、付いていけなくなったところで骨折したりbomb破裂したりするwobbly って事ですよね。
 つまり両方のケースを同時に満たすようなモデルを考えると、力だけでなく、かつエネルギーだけでない解析が必要になるワケで、ワークの塑性性能に応じた時間区間積分みたいなことを考えることになっちまうんですね。

 せっかく山口さんが実測データを開示してくれているんで、あくまで実測結果ではあるけれど、複雑な理論を振り回すよりずっと実学的意味があるデータとして受け取るのが工学的姿勢ぢゃないかと思いますです。
 叶うことであれば、アンカー支点での測定でなく、ハーネス側でのデータであればもっと嬉しいんですが 余りおねだりばかりしてると嫌われちゃいそうですしcoldsweats01

投稿: 月光仮免 | 2010年10月13日 (水) 21時58分

空論に陥りやすい、いや全く同感です。でも机上の空論もそれはそれで面白いもんだと個人的に思っています。文系野郎が力学について考えるせっかくのチャンスですし(笑)。

結果を現場に持っていけるとは考えていないです。おそらく月光仮免さんの感覚よりもっと幼い次元で「しょせん理論だよな」と諦めています。

私のなかでは、こういう理論的な話は自分の感覚の下支えに使っているくらいです。例えばじゃあ落下係数2の極短距離墜落をやってみようという気にはなれません。必死になってそういう状況を避けようとします。落下係数が導く「最大値は同じ」という答えが恐怖心とともに頭に染み付いているからです。

なので墜落の衝撃を考える場合、人体のショックアブソーバー的役割とか樹木を使ったアンカーの柔軟性を織り込む事は確かに現実的なのでしょうが、恐怖心を薄めるだけなので「そういうラッキーもある」くらいに捉えています。

つまり、落下係数から最悪こうなる可能性があるっていう事さえわかれば個人的には充分です。

「短距離落下の危険性」「伸び率の低いスリングなどでセルフビレイをとる危険性」などなどを頭でわかりやすく理解するために落下係数は存在しているのだと思います。それ以上深くは掘り下げたくないです。落下係数の限界はそんなもんじゃないかなーと思います。

結局のところ、次元は違えども「墜落の衝撃を理論的にはじき出す事は無理があるし、複雑怪奇すぎる」という点では私も月光仮免さんもよく似た考えでいるのでは?と思うんですが、どうでしょうか。

いやーしかし文系と理系の圧倒的な差をひしひしと感じています(泣)。いや、一般化したら他の文系の方に失礼ですね。できるなら理系感覚を持つツリーワークな方に安全論を書いてもらいたい、そしてそれをウキウキして読むのが私の夢です。

話は変わりましてハーネス側のデータ、私もあればいいのになーと思っていました!アンカー側とハーネス側のデータの違いを見れば色々とおもしろそうですよねー。どうなるんでしょ。どんな結果であれ非常に有意義なものになりそうですよね。

投稿: フリップ | 2010年10月14日 (木) 00時18分

なはは フリップさん、おはようございます。
 もう45年以上前の事なんで今更触りたくもない話しcoldsweats01ではありますが・・・
 当時私は電気屋だったもので、非常に高速に伝播する電気を相手にした理論で、あるシステムに加えられるある電気信号波形への応答を計算するとき 畳み込み という処理を行うのが基本だという認識を持っていましたね。
 まあ、定番のラプラス変換とか伝達関数とか色々いじくってきましたけれど、あくまで電気信号を扱う世界での話しが主でした。
 理屈をこねる根性が擦り切れて無くなってしまった頃にな始めたツリークライミングですが、実際に観察されるロープ内を伝播する力の波は、これは電気信号に比較して非常に遅いわけです。
 こういう世界での数学的なモデルの挙動ってのは、簡単な微分方程式でもハイパボリックの形をした解に展開されちゃう世界 って事なんですね。
 んなもん 答えの形が言葉では到底表現できない(しずらいこと夥しい事になる)だろうってノッケから想像できちゃいます。

 んな訳で、私の理解は ISAの資格審査で3フィートの滑落は審査停止 って事を非常に重く受け止める。 墜落距離は短くてもアーボなロープはスタティックですんで余計深刻ですね。
 ネバー・オフ・ザ・ロープ ですねー。
 でも、テンションをかけたままでのリープは楽しい技術で、枝から枝への蛙跳びが自在にできたらツリークライミング最高! confident って事だったりしますよね。
 
 明日から安曇野でのチェンソーカービングキャンプ、その下準備にこれからでかけますんで もうこのスレッドにコメント追加することはないだろうと思いますが、お互い、探究心の命じるままに、納得できるところまで掘り下げるのが好きなんですね♪ しらないけどwink

投稿: 月光仮免 | 2010年10月14日 (木) 07時36分

ぬはーすみません専門用語がさっぱりわからんです(笑)
でも力の波の伝達が電気より遅いっていうのは知りませんでした。と言いますか、そういう事を考えたこともなかったです。面白そうでワクワクです。でもやっぱ力学って一歩踏み出せば魑魅魍魎がうごめく恐怖の世界ですねー。

今回、私の知識不足のせいで月光仮免のおっしゃておられる意図をはっきりと理解できず、ピントの外れた返信ばっかりしてしまった気がします。申し訳ありません。個人的には興味深い話が聞けてほんと楽しかったです。

安曇野までお気をつけて!

投稿: フリップ | 2010年10月14日 (木) 22時29分

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