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2010年11月の4件の記事

2010年11月22日 (月)

ナイロンスリングとダイニーマスリングの違い(10/11/27追記)

(10/11/27追記) 記述のややこしい部分があった為、赤字で追記しています。

(本文ここから)
今回はナイロンとダイニーマの素材の違いを感じつつ、スリング(ソウンスリング)について考えてみようと思います。(今回はクライミングシーンでに使う場合を想定しています。リギングシーンでの利用についてはまた後日!)

「ソウンスリング」ってのは縫製処理されたループ状のスリングの事。登山用品店で売っているあれです。縫製していないただのテープ状のものは「ウェビング」です。

【ナイロンとダイニーマの違い】
マムートこちらのページに詳しいです! で、終わらせるのも何ですのでちょっくら書きます。この章の文章はマムートの記事を参考にしています。

ナイロンの特徴は低価格性です。もちろん強度や耐久性にも優れています。まあオーソドックスな素材ですね。吸水性があり、濡れた場合は最大25%ほどの強度低下が起こりますし、更に凍結した場合は強度は半分以下まで下がります。

ダイニーマは凄いですよー。ナイロンに比べて約5倍の強度を持ちます。その為、市販されているダイニーマスリングはナイロンのそれと同程度の強度を維持しつつ細く軽く製造できます。しかも吸水性はなし。紫外線に対する抵抗はナイロンに劣るとはいえ、屋外に完全放置しない限りはそれが問題になる前に耐用年数がやってくる、ってくらいの性能は持っています。

ダイニーマの致命的な欠点は融点が低い事です。ナイロンに比べてかなり低いです。あと表面がつるっつるです。ノット強度低下率が大きく、更に解け易い傾向があります。

マムートのこちらのページ中ほど(結び目のところ)に、ナイロンとダイニーマそれぞれのスリングでノットを作った場合の強度低下率が書かれたイラストがあります。これを見るとわかるのですが、ダイニーマのノット強度低下は相当なもんです。
私は基本的にダイニーマ素材の製品でノットを作るのはナンセンスだと思っています。

(スリングとは話が違いますが、内芯ダイニーマ・外皮ポリエステルといったコードがヨット業界で発売されています。これをクライミングラインのフリクションヒッチコードに使用するのは危険でしょう。フリクションヒッチは摩擦熱を受ける部分です。融点の低さがすごく気になります。ポジショニングランヤードのヒッチに使うのは…まあ大丈夫なような、危険なような…って印象です。そんな長距離下降しないからいいんじゃない?という気持ちと、でも切れたら最悪だよねって気持ちが拮抗しています。)

【ダイニーマは伸びない。というかスリングは伸びない】
あともうひとつダイニーマには重要な特徴があります。ダイニーマは…全っ然伸びません!ナイロンスリングでさえ伸び率を期待できないのに、それ以上に伸びません。

DMMがスリングの墜落実験をしています。こちらに動画、こちらに詳細記事が記載されています。

ひとまず動画のほうの結果欄を見てください。「FF」っていうのはFollFactor、つまり落下係数の事です。ほとんどの試験でダイニーマはナイロンの二倍くらい衝撃が増大しています。もしくはノットを作ったせいで強度低下を起こし、破断してしまっています。ね、ダイニーマって怖いでしょ?

ところがどっこいそんな話だけではありません。実はこのテストって錘の重量がどれだけだったかどこにも書いていないのですが、たぶん80~100kg程度だと思います。この仮定が正しければ、ナイロンスリングだって破断はしないものの、人体を破壊するに充分すぎるくらいの衝撃過重がかかっています。

スリング類だけでセルフビレイをとる場合、墜落しないようにいつもスラック(たるみ)がない状態で使うべきでしょう。というかそもそもスリングだけでセルフビレイをとるって事自体を避けていくほうが気分的にもいいと思います。

「ロープアクセス技術の広場」さんがスリングの墜落実験をされています(記事へのリンク)。是非こちらもご覧ください。

スリングを樹木の主幹に巻いてアンカーにしたい場合、スリングの長さと幹の直径によってはスリングが長すぎてしまう場合があります。そんなときはルーピースリングで主幹にがっちがち沿うようにアンカーを作成して、ハーネスに接続した自作ダイナミックロープ製ランヤード(カウズテイルとか。ワークポジショニングランヤードではありません。)で確保するのが一番グッドだと今のところ考えています。

【まとめ】
個人的な意見ですが、ツリーワークでクライミングに使うスリングはナイロン製でいいんじゃないかなーと考えています。理由は…安いからです(笑)。
そもそも、クライミングにおいてそれほどスリングが大活躍するシーンがあまり見当たらないんですよね。私はリダイレクト用に使ったり、たまに足の置き場を作るくらいでしょうか。その割りにいつもギアラックにスリングを大量にぶら下げているんですが、あれは単なる趣味に近いです。
リギング用に使うと決めたスリングを持ってあがるのは色々使い勝手があって便利なんですけどねえ。

そんな訳で、ダイニーマスリングは確かに素晴らしい性能を誇りますが、ことツリーワークに関しては宝の持ち腐れ感が否めないです。私はナイロンスリング万歳派です。

なんだかとっちらかった記事になってしまいました(汗)。スリングの使い方についてはまた別の機会にがっつり書きたいですね。以下の余談を書きたくて無理やりねじ込んだ、今回の記事でした!



【余談:ハンドアッセンダーのランヤードにスリングを使うのはヤバイと思っています】
ツリークライマーってハンドアッセンダーのランヤードにスリングを使っている方が非常に多いと思います(海外の動画を見ていてもそう感じます)。あれってまずくないですか?
(ここで言うランヤードとは、ワークポジションランヤードではなく、カウズテイルというかチキンループというか、ハンドアッセンダーとハーネスを接続するラインの事。)

先に言っておきます。ヨーヨーシステムの場合はそこまで問題ないと思うんです。下降器がついていますから。下降器の扱いに慣れているなら、ランヤードをつけない方がむしろいいんじゃないかと思うくらいです。

それ以外のSRT、フロッグシステムやテキサスシステムでSRT登攀する場合、トゥース式クランプ2個でセルフビレイ及び登攀する事になります。フロッグシステムを例にあげると、チェストアッセンダーがメインで、ハンドアッセンダー+ランヤードがバックアップになります。

チェストアッセンダーに小枝や葉っぱが挟まって急に機能不全をおこした場合、短距離墜落をおこしてハンドアッセンダー+ランヤードのお世話になる可能性はあります(基本的にはフットループに足をかけているお陰でそれほど急激な墜落は起こりえないかもしれませんが)。

もし墜落が発生したとしたらどうなるでしょう。アンカーから離れているならばメインロープの伸び率に助けられるかもしれません。じゃあそれがアンカー直下だったら? 人体への衝撃もそうですが、トゥース式クランプがロープを食い破る危険性も忘れてはいけません。セミスタティックロープとダブルブレイドロープ(or 16ストランドロープ)の構造上の違いも考えなくてはいけません。一体どうなるんでしょう? かなり危険だろうと想像しています。

ハンドアッセンダーのランヤードにスリングを使ってそういった事を悩むくらいなら、ダイナミックロープでランヤードを作った方が安全性も向上しますし、絶対いいと思っています。っていうか「そうなるべきなんじゃないの??」と昔っから考えています。

問題はダイナミックロープをメーター売りしているお店がほぼない事ですね。私が知っているのはドイツのFreeWorkerさんくらいです。もしくはペツルのジェーンを買うっていう作戦もあります。

ランヤードにスリングを使われている方の考えはいかがでしょうか。実は私も「スリングじゃだめだろー」とはっきり言い切れる自信がありません。が、9割くらい自信あります。

賛成意見・反対意見・他の問題点など、是非皆さんのご意見をお聞きしたいです!

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2010年11月14日 (日)

アウトドアショップKさんが本気出すようです

ご無沙汰しておりました。先日無事にPCが直りました。まだちょっと不安定なのが泣けます。

まあそんな事は置いておきまして、まだまだ日本じゃ珍しいアーボリスト機材を取り扱っておられるお店、長野が誇る「アウトドアショップK」さんがそろそろ本気を出すようです!

トップページにある「ショップからのお知らせ」を読んでいただければわかるんですが、12月上旬にアーボリスト機材部門を「アウトドアショップK ワーキング館」として独立させ、この分野に携わる方々の広場的なものにしていこうと目指しておられるようです。

いやーありがたい事ですね!広場的っていうのがどういうモノになるか実際にスタートしてみないと予測がつかないですが、こういう動き自体が楽しいし嬉しいなあと思います。

私の願望としてはニュージーランドのショップ「TreeTools」が書いておられるブログ(リンク)くらい内容の濃い情報をお店側から発信してくれたらなあと思わずにいられません。お店なら様々なユーザーからの意見を直接聞く機会も多いでしょうし、メーカー側からの意見も聞くことが可能でしょうし。

あとはもうちょっとカテゴリー分けを考えて欲しかったり、もうちょっとお求めやすい価格にしてほしかったり、イギリスやEU系のギアも取り扱って欲しかったり、フリクションコードのメーター売りをして欲しい、等といった極個人的な願望もあります(笑)。(特にペツル製品はアルテリアさんで買うよりも高い値段になってしまうのに、わざわざここで買う必要があるんだろうか?とちょっと考えこんでしまいました。)

でもそんな些細な事は置いておいて、私はアウトドアショップKさんの事を勝手ながら応援しています!ほんと嬉しいです!

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2010年11月 7日 (日)

速報!パソコンがぶっ壊れました!

昨日の夕方、かわいいかわいいマイパソコンがぶっ壊れてしまいました。(現在、父のパソコンからこれを書いています。泣けるくらい使いにくいです。)

おそらく電源系の不具合でマザーボードが吹っ飛んだような印象。そもそもBIOSが立ち上がらないという全くもってどうしようもない状況になっております。

まあハードディスクは大丈夫だろうと楽観しているんですが…どうなんでしょ。怖くて確認する気がおきません。やっぱちゃんとバックアップしとかないと駄目ですね(泣)。

そんな訳でたった今ネットショップでパーツを注文し終えたところです(私は完全自作派)。パーツが届いて、組み込んで、OSを再インストールして…

復活するまでの少なくとも一週間は何も更新しないと思います。コメントやメールの返信もかなり遅れると思いますが堪忍してください。

それにしてもPCパーツが安くなりましたねー。そこそこのスペックのものが4年前に作った時の1/3ほどの値段で組めました。クアッドコアとブルーレイドライブ買ってこれですからほんとビックリです。想定していないかなり痛い出費になったとはいえ助かりました。円高バンザイですね。

そんな感じです。とほほ…

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2010年11月 3日 (水)

速報!ペツルからニューメットがでたー!!

【ALVEOかっこいい】
ペツルからニューメットがでるみたいですよ!!しかもめっちゃかっこよさそうですよ!

名前は「ALVEO」(リンクはこちら)。軽量性と快適性をうりにしています。

構造。外部はポリカーボネイド製シェルで、内部は発泡ポリスチレン製シェル。バーテックスみたいな感じじゃなくて、カスクのメットみたいな感じですね。インナーパッドは頭頂部と前頭部にのみなのかな?

あと調節方法が変わりました。チンストラップあたりのダイヤルを回すことにより、前頭部のパッド部が後方にさがりつつ後頭部側が前に動くようになりました。挟み込む感じ。この方式はすっごい良さそうですね!これだけの為に買っちゃいそうです。

そしてそして、バイザーが新登場するみたいです。カスクのやつにそっくりです。地球防衛軍ごっこがやりやすくなりますね。もちろんイヤマフ用のサイドスロットも完備しています。

気になった方は是非リンク先の動画を見てみてください。「アーボリスト」という単語もよく聞こえてきます。これ欲しいなー!

【バーテックスもバージョンアップ!】
バーテックスも同じタイミングで世代交代するみたいですね(リンクはこちら)。ALVEOで新しく採用されたアイデアをこちらにも移植したって感じです。

【最後に】
いやーすごい。ALVEOすごい。発売はいつなんでしょ?楽しみだなー。……でもヘルメットはそんなにいっぱい持ってても仕方ないしなー。

とりあえず速報という事でした!!やー動画見てるだけで幸せになれますね。

あ、そうそう。ペツルにクイックフィックスっていう商品があるんですが、これについてペツルのHPで注意がうながされています。もし使われている方がいれば、日本代理店のアルテリアでもページがあるので確認しておいた方が良いかと思います(リンク)。私も持っていますが滅多に使いません。破断強度が150daN(約150kgf)じゃねー(汗) 

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