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2010年12月の7件の記事

2010年12月27日 (月)

TEUFELBERGER社について

非アメリカ圏の通販ショップを見ていると、よく目にするのが「TEUFELBERGER(トイフェルベルガー)」社。オーストリアのメーカーです。

一体なんのメーカーなんだ?と少し思いつつもあまり気にしていなかったんですが、とある事を調べているうちに、とんでもなく巨大なメーカーだという事に気付きました。

【トイフェルベルガーのここがすごい!】
その1

私たちもよく知っている「ニューイングランドロープ」社ってありますよね。巷で大評判の木登り用ロープ、タキオンTechyonを作ったりしているメーカーです。実はここ、TEUFELBERGERが買収しています。ソースはこちら

その2
登山用ロープで有名な「EDELWEISS」社ってありますよね。ここも元々はTEUFELBERGER社の一部門だったんですって!(1991年に独立したようです) KEMのカタログにもうっすらと記載があります。

その3
ちなみにTreemagineer のハーネスやロープを製造しているのも、TEUFELBERGER です。ツリーモーションやシリウスは TEUFELBERGER の製品という事になります。これらの設計・製造には勿論ニューイングランドロープ社も緊密に絡んでいます。(Treemagineersは製品コンセプトを考え、TEUFELBERGER が実際に製造している。こんな感じだと思います。これと同様に金属製品だとDMMが製造している、みたいな感じでしょう。)

ね、すごくないですか?これを知っておくとイギリス系のお店で色々納得できると思います。トイフェルベルガー名義のタキオンが存在するのも、こういった経緯からでしょう。
(ちなみにタキオンは色違いがたくさんある事で有名(?)ですが、トイフェルベルガー製のカラーが一番かっこいいと思います!これ

【林業用繊維ロープもなんだか面白そう】
そしてそして、TEUFELBERGER のこちらのページをご覧ください。林業用繊維ロープの紹介なんですが、いろいろと面白そうな製品があります(左カラムから選択できます)。Choker Ropes とか何がどうなっているんだ??と興味津々ですねー。


(余談)
で、そもそも何を調べていたかって?いやー実はですね、手持ちのARMOR-PRUS 8mmをスプライスしようと思っているんですが、Class1でやったほうがいいのか、Class2でやった方がいいのか調べていたんです。どこ見てもClass1スプライスしていまして、どうしたものかと。

そもそもClass1とClass2の違いは何なんだ??と疑問で頭がいっぱいです。サムソンのスプライス・ガイドによると、ナイロンやポリエステル素材のはClass1、ダイニーマやスペクトラといった高性能素材はClass2。(ダブルブレイドロープの話)

ってなっているんですが、何故このようにスプライス方法を変えなくてはいけないのかがよくわかりません。摩擦係数の違い?高性能素材のロープをClass1でやっちゃ駄目なの??さっぱりわからないです。

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2010年12月22日 (水)

ビッグショットのトリガーシステム(10/12/27追記あり)

(追記10/12/27)うーん、この方法はやっぱり危険な気がしてきました。詳しくはコメント欄をご覧ください。このスナップシャックルを流用できる、もうちょっと安全な方法を考えてみようと思います。このシステムを試される方は「カラビナより下でポールを握る」ってのを絶対忘れないでくださいね!

(本文ここから)
何度も申しておりますが、私はスローラインを投げるのが壊滅的にド下手です。こないだみんなが見ている前で投げた時なんて後ろに跳んでいきましたからね!あれは自分でもさすがにびっくりです。

そんな訳でついにビッグショットを購入しました。他にも30mクラスの樹木を登った時にアンカーの架け替えに相当苦労したからっていう理由もあったりします。

個人的にはビッグショットにトリガーは必須だろうと考えています。あれのゴムは相当堅いので、手のチカラで引っ張りながらだとそればっかりに苦労して、照準をきっちり合わせられません。何らかのトリガーシステムで引っ張ったゴムを留めておいて、ワンタッチで外れるようなシステムを組んだほうが絶対便利なはずです。

という事で作ってみました。頑張って動画も撮ったのでとりあえずこちらをご覧ください。ボカシをいれるのがこんなに大変だとは思わなかったです。近所の友人にやってもらったんですけどね(笑)。

【必要な機材】
必要な機材はスナップシャックル、スリング、カラビナ、の三点です。

スナップシャックル
今回のシステムの根幹を担うものです。シェリルなどで売っているスナップシャックルはウィチャードwichardっていう名門メーカーのものなんですが、いかんせん値段がはります。なんかいいのないかなーと探している時に出会ったのがこれ。浅野金属工業さんのスナップシャックルです。 私はこちらのお店(海遊社)で「スナップシャックル 71 固定」をネット購入したんですが、この値段なら悪くないでしょ。ちなみに海遊社さんでもシェリルにあるスナップシャックル(クイックリリース・スナップシャックル)とまったく同じものが売っています。
ちなみに写真には写っていませんが、トリガーの取っ手(写真:人差し指の先辺り、キーホルダーのリングみたいな奴)にスリングをつけて延長してあげないと、はずした拍子にゲートが指にあたって滅茶苦茶痛いです。動画ではダイニーマスリングをつけていますが、はっきり言って長すぎて邪魔です。R0016679_s

スリング
上の写真に写っている黒いコードの事です。ビッグショットのポールにプルージックで留めています。このおかげでゴムをぐいぐい引っ張ってもスナップがずりあがっちゃう事はありません。まあどんなコードでもいいです。適当に手持ちのやつでもいいですし、登山用品店でメーター売りしているアクセコードでもいいです。

カラビナ
ビッグショットのヘッドとトリガーを連結する為のものです。(今回紹介するシステムではヘッドとスナップを直接連結するのはかなり厳しい。) ベントゲートがクリップしやすくていいですが、別に何でもいいでしょう。安全環は全く必要ないです。ビッグショットを購入するような方なら、カラビナくらい余っていると思いますのでそれを使用したらいいと思います。
ただここで使ったカラビナは変な衝撃荷重がかかっている恐れがあるので、トリガーシステム専用にした方がいいと思います。つまりここで使ったカラビナをクライミング等で使用しちゃいやよって事です。
あと、ポールを支える手にカラビナが当たらないように充分注意してください。たぶん当たったら指の骨にヒビいくんじゃないでしょうか。怖くて試す勇気もありません。R0016681_s

【セッティング】
動画を参考にしてください。セットするとこんな感じです。実はカラビナをシャックルにひっかけるのも結構なチカラがいります。倍力システムを組めばいいんですが、面倒なので私はやめました。カラビナの代わりにエクスプレススリング(ヌンチャク)でやればもうちょっと楽になるとは思います。
R0016682_s

R0016683_s

【いろいろ雑感】
今回私が払ったお金はスナップシャックル代の3000円だけです。その割に性能はサイコーです!いい買い物ができました。

TCJさんのとこでもトリガーシステムが売っていますが、正直言って高いんですよねぇ。でもあそこのシステムは倍力付きですし、トリガーもすごく使いやすそうなので、シェリルとかでクイックリリース・スナップシャックルを買うよりは断然いいと思っています。あのトリガーの出所がわかれば私も欲しいくらいです。

スナップシャックルですが、サバイバル系のお店ですともっと安い製品もあります(カトさんに教えていただきました)。私は強度的にちょっと不安だったのでパスしました。

スナップシャックルの代わりにコングの「エクスプレスフロッグ」も試してみたんですが、こちらは駄目でした。セットはしやすいんですが荷重がかかるとトリガーが外れません(泣)。いやー失敗失敗。カラビナも一緒についてきてこの値段は魅力的なんですけどねー。

【注意点】
スナップシャックルの取っ手に延長用スリングをつける、ポールを持つ手の位置に充分注意する。この二点だけは忘れないでください。本気で痛いですよ。

【最後に】
まあトリガーなんてどんな方法でもいいと思います。色々と試してみるのが面白い!スローライン関連は好き勝手やっても基本的に人命に関わらないので楽しいですね。

あと動画のめんどくささには参りました。でもやっぱりわかりやすいので、これからはちょくちょくあげていこうと思います。

以上、人柱報告でした!

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2010年12月18日 (土)

感動にうちひしがれる

ついさっきコンテラ社の「SCARABスカラブ」が気になって気になってしょうがなくなりまして。

「コンテラ スカラブ」でGoogle日本語検索してヒットしたのは…うちのブログだけかい(泣)。仕方ないから英語で検索したら…

こちらのブログにヒットしました→「keep it Simple」(スカラブの記事はこちら)。

いやもうびっくりです。レスキューの事は全然知らないのでこの方の凄さは実感としてわからないんですが、色々な記事を見てまわって、なんとわかりやすい記事なんだ!とドキドキしたんです。

特にこのスタティックロープの記事。私の知りたかったことがズバッとぴったりで書いてあって、嬉しいやらありがたいやら、もう頭がこんがらがっているところです。そうか、スタティックロープとセミスタティックロープの違いはそういう事だったのか!!
(別にこんな規格の話はどうでもいい事じゃないのかと思われる方もいるかもしれません、でもこういう知識の積み重ねが他人を教育するときにすごく効いてくるんですよー。いや結構マジで。)

他にも非常にわかりやすい記事を書かれています。私みたいに付け焼刃の知識でふらふらになりながら書いている文章とは含蓄が違いすぎます。圧巻です。プロフィールを拝見したら北海道の方なんですね、北の大地はほんと偉大な方ばかりですねー。私も経験に裏打ちされたわかりやすい文章を書けるように頑張っていきます!

ロープの話といえば、ロープアクセス技術の広場さんのこの記事もかなり嬉しかったです。伸び率の定義って北米規格と欧州規格じゃ全然違うんで、困ってたとこだったんですよねー。個人的にEN規格の伸び率の表示は「あーあんな感じで伸びるんだろな」って感覚的にわかるんですが、北米仕様はさっぱりわからない。でもアーボ用のロープメーカーってだいたいアメリカなんですね。この辺の橋渡しを考えていたんです。

しかも所属されておられる会社の通販部門でダイナミックロープの切り売りをスタートされたみたいですね(こちらの記事)。ありがたやありがたや。

そしてこちらの記事「せまいっす」のコメント欄に、私は完全に打ちのめされた訳ですよ。もう言葉がありません。うちらの業界を省みて、これだけの覚悟を持って木登りしている方がいったい何人いる事やら…。特に木登り業界は特殊伐採という業務が既に以前から存在している訳ですし、安易な参入者もまた多いような気がしています。でもその流れはとめられんのだと思うんですよ。必要なのはしっかりとした教育者をもっと増やしていき、安全知識をどんどん啓蒙していく事だと思っています。

恥ずかしながら私はまだまだみたいです。へこんでばっかりもいられないのでネクストステージを目指してこれからも邁進していく所存です。

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2010年12月16日 (木)

KEMのカタログが超おもしろい

ワークギアの日本輸入代理店で「K.E.M.」っていう有名な会社があります。なかなか渋いギアメーカーの製品を輸入されていまして、更に会社ホームページがないという男気あふれる会社です。

私は登山用品店に行くとここのカタログを探すのが趣味になっていまして、こないだ近所の好日山荘さんで最新カタログ(2010.12.1~2011.5.31版)をゲットしてきました。これがおもしろいのなんの!

今回はそんなK.E.M.さんのカタログから気になるギアを色々ピックアップして紹介してみようと思います。カタログ持っていない方にはさっぱりわからない内容になるかと思いますがご了承ください。気になる方はなんとかしてカタログを手に入れてくださいね!

p.3 EDELWEISS 「Uni Core process Rope」 スタティックロープ
いやーすごい。何がすごいって、とにかくすごい。外皮が切れてもずるむけないロープです。外皮と内心が接着されていると考えたらわかりやすいと思います。詳しくはこちらのリンクの動画をどうぞ。これと同じ構造のロープを作っているメーカーを知っているんですがOEMなんかな?動画も同じような内容でしたし。

p.10 EDELWEISS 「HERCULES」 ハーネス
これ…サイドD環の形状が、シンギングロックの今は亡き「RLシット」に似ているんですよねー。もしかして…もしかするのかな??

p.12 EDELWEISS 「VITAL」 ヘルメット
カスクのプラズマシリーズのOEMです。これはワーク用ではなくクライミング用みたいですね。いやね、ロゴがエーデルワイスだから余計かっこいいんですよ。ヘッドランプ取付スロットが黒いのもいいですね。ハッキリ言ってこっちが欲しいです。でもこれはイヤマフがつかない!残念!

p.23 DMM 「ラージハブ」「スモールハブ」 リギングプレート
あれですよ。丸くて紫色のあいつです。日本でも買えるんだって事にびっくりです。ヒッチクライマーとピントプーリーもカタログに載っています。(Impact Blockはまだ書いてないですね。)ちなみにTreemagineerの皆さんの写真も記載されています。いいですねー日本でも盛り上がってきてますねー。

p.28 SINGING ROCK 「ランヤード・ララ」 ランヤード
ペツル「ジェーン」と全く同じようなダイナミックロープ製ランヤードです。でもこれも最小長60cm。く、くやしい…もっと短いの作ってくれないんでしょうか。

p.30 KASK 「PLASMA」 ヘルメット
カスクのお馴染メットです。海外ショップで初めてこのメットを見つけた時はこんなメジャーな存在になるとは思ってませんでした(笑)。こちらはワーク用でしてイヤマフが取り付けられます。何故かシンギングロックのコーナーにぽつんと存在しています。

p.32 SMC 「リギングリング」
実は私これ持っているんです。セコイアSRTのブリッジに組み込んでいます。WesSpurで安かったから買って何となく組み込んだ、ってのが本音です。今回カタログを読んで気になったのが「最大3つまでカラビナをかけることが可能」という説明文。これでピンときました。もしかすると、すごくナイスな使い方ができるかもしれません。

p.39 CONTERRA 「レスキュー・ツール・スカラブ」 下降器
コンテラ社といえばラジオハーネスが有名なんですが、そこが作った新発想の下降器です。何と言えばいいんでしょうか。STOPでもなく、バーラックでもなく、言うならばエイト環の発展形だと思います。すっごい便利そうなんで一度使ってみたいな~!ただ値段がなんと2万オーバー。さすがに手がでないです。残念。

p.39 CONTERRA 「スピード・ループ」 スリング
スリング末端の片側に金属製バックルがついています。で、ガースヒッチをするときにこのバックルを通すことにより強度低下を抑える…ってかすごい強度(36kN)を出すことに成功した奴です。製品の発想としては単純なんですがナイスアイデアですね。これがあればガースヒッチの強度低下に悩まされずに面白いことができそうな予感がします。

p.45 PIEPS 「ミヨティス30」 バックパック
ピープス社といえばビーコンが有名ですよねー(たぶん)。そこが作ったバックパックです。すごくかっこいいです。普通に街で使いたいなー。

p.46 heighttec 「イクリプス」 ハーネス
イギリスの会社みたいですね。初めて知りました。このハーネスなんですが、ウエストアタッチメントとレッグループの取りつきが独特なんですよ。NewTriveみたいな感じです。そういやWesSpurでNewTriveを買えなくなったらしいんで(日本に発送してくれない)、代わりにこれどうですか。あんなごついレッグパッドじゃないんで、快適性としては全然代替にならないかもしれませんけどね。というかたぶん座布団ハーネスほどの快適性はないでしょうね。でもこれ履いていたら結構目立つと思います。

p.47 heighttec 「コンパクト」 アッセンダー
ハンドアッセンダーのハンドルなしモデル。ペツルのBasicみたいなやつです。以前からこんなタイプがちょっと欲しかったんですが、Basicはロワーホールが一個しかなくて嫌だったんです。でもこれは2個ついている!やった!しかもこれはX‐CAMというカムを採用しています。このカムについてカタログになんか良い事書いてありますが、イマイチ何言ってんだかよくわからないのもポイント高いです。

p.58 ActSafe 「PME パワーアッセンダー」
ガソリン式のアッセンダー。ちなみにバッテリー式もあって、こちらはオプションでリモコン操作器があるそうです。え、リモコン…??

【最後に】
あーおもしろかった!カタログ見てるだけでどんどん夢と妄想が広がってしまいます。個人的にはスカラブが一番使ってみたいですね。でも一番欲しいのはピープスのバックパック。

他にも楽しげな製品がいっぱいです。もしK.E.M.さんのカタログを手にする機会があれば持って帰られる事をおすすめしまっす!一日たっぷり無料で遊べます。

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2010年12月15日 (水)

SRTの登攀方法いろいろ

一言に「SRT登攀」と言ってもいろいろな種類があります。今回は簡単にいくつか紹介したいと思います。(ちなみにSRT登攀はちとアドバンスな内容ですし、DdRTとは別種のテクニックです。安易にマネをするとかなーりヤバイですぜ!)

【フロッグシステム】
私が普段SRT登攀って言っているのはこれの事です。ロープアクセス業界も基本的にこの方法で登攀しているはず。

使用機材は…ハンドアッセンダー、フットループ、ダイナミックロープ製ランヤード、チェストアッセンダー、チェストハーネス。あとハーネス。できればセンターD環のあるタイプ。

やり方はこんな感じ。

この動画ではランヤードにペツルのスペルジカを使っていますね。これでもOKですが、自作ダイナミックロープ製の方が安全らしいです。あと1:58~あたりにヨーヨーシステムの説明もあります。

で、フロッグシステム。フットループに両足を突っ込んで登攀する姿がカエルに良く似ているところからきています。でも私は片足しか突っ込みません。両足の方がラクなんですが、足の身動きが不自由になるので苦手です。フットアッセンダーを使わない場合は右足、使う場合は左足をループに突っ込んでいます。

フットアッセンダーを使う場合、足を交互にあげてまるで歩くように登攀している動画が多いのですが、あれはしんどいし怖いです。私は両足を揃える(カエルみたいに)事を意識して登攀しています。

私はこの方法が非常に好きです。登攀はラクチンだしスピードもあります。ちょっと練習するだけで、熟練したダブルロープのフットロック登攀に次ぐ速度を叩き出せるはずです。それにチェストアッセンダーにぶら下がって休憩できます。スラックはほとんど発生しません。グレイトです。

問題はトゥース式ロープクランプを使用している事。あいつらのロープを食い破る能力をナメている方にはこの方法は使えないでしょう。さらにレスキュー方法がややこしいです。DdRT時と同じ方法は使えません。すぐにレスキューできるように、アンカーにSTOP等を仕込んでおくのもナイスでしょう。

登攀システムから下降システムへの変更にテクニックがいります。知ったら簡単なんですが、知らなかったら死の危険がせまります。

あとはやはりハーネスですね。ブリッジもセンターD環もあるハーネスは少ないです。標準で付属しているのは「セコイアSRT」と「ツリーフレックス」くらいでしょうか。オプションも含めるともうすこし種類が増えますが。
ちなみにフロートD環がいらないなら選びたい放題です。産業用ワークハーネスならどれでもこいってな感じです(そもそもセンターD環がないハーネスってのがマイノリティ)。

(センターD環がなくても一応何とかなります。こちらのリンクからRupeさんのシステムの写真をみてください。ポイントはゴムバンド。私も実際にやってみましたが案外イイ感じです。でも何か問題があるような…ないような? ちなみにこのシステムでいくならば登攀後にチェストアッセンダーを取り外す必要があります。この点、セコイアSRT等であれば常設が可能。)

【テキサスシステム】
名前からも推測できますが、アメリカのケイバーがやっていた手法…らしいです。

使用機材はハンドアッセンダー、フットループ、ダイナミックロープ製ランヤード×2、PPEとして使用できるアッセンダー(普通はハンドアッセンダー)×2、ハーネス(これはセンターD環がなくてもOK)。

やり方はこんな感じ。

ええースリングなの?!しかもガースヒッチ??何故なんだ!しかもおねえちゃんがかわいいじゃないか!

私はやった事ありません。噂によるとめちゃめちゃ疲れるらしいです。動画を見てもらったらわかるんですが、足でキックすると同時にビレイ用のハンドアッセンダーをあげてるでしょ。あのムーブがしんどそう。しかも休憩中のビレイはスリングを介しているので、ぶらぶらして疲れそう(こうやって考えるとチェストアッセンダーは偉大だなぁ)。

でも良く考えたらDdRTでも同じような動作しますよね。私はあれが大っ嫌いなんですが、あれに慣れている方ならテキサスシステムも採用候補になるのかな?ハーネスを選ばないでしょうし。

欠点はハーネス問題以外、フロッグシステムとほぼ同じです。トゥース式カムクランプは想像以上にじゃじゃ馬なので神経を使います。下降器への変更もフロッグよりややこしそう。

まあこれをするくらいならヨーヨーの方がマシじゃないかなと思っています。でも一度くらい挑戦してみたいですね。案外いいかもしれないし。

【チェストローラーを使用したシステム】
いやー実はよく知らないんですよね(汗)。ミッチェルシステムとロープウォーカーシステムがあるらしいです。こちらのリンク先記事を参照してください。
まあ要はチェストローラーを使用する方法です。そしてローラーがなにをやってんだかよくわかっていません。

やり方はこんな感じ。

…しんどそうに登ってますねー。もっとラクなはずです。これフットループの調節ができていないような。やり方が果たしてこれで合っているのかどうかは知りません。間違いなくユニセンダーは必須ではないです。ちなみに私はこのおっちゃんを以前からあまり信用していません(笑)。

問題は「チェストローラーつけたまま仕事するの?」という事。絶対邪魔でしょう。たとえ解除したってこんなデカイもん結局は鬱陶しいはずです。

【ヨーヨーシステム】
ヨーヨーシステム。またの名をRADS(Rope Ascending Descending System)。

使用機材は…ディセンダー(RIGとかグリグリとか)、ハンドアッセンダー、ハンドアッセンダー用ランヤード(別にダイナミックじゃなくてもOK)、フットループ、マイクロプーリー。

やり方はこんな感じ。他にもフロッグシステム動画の1:58~を見てください。

ヨーヨーはともかく、フロッグシステムの方はあまり参考にしないでください。何だか訳がわかりません。チェストアッセンダーは一体どこからきているんだ?あの細いロープで繋がっている?
あれ…この人…なんか知ってるぞ。あ、FootShotのひとか!(詳しくはカトさんのブログむらっぴさんのブログをどうぞ。カトさんがコメントにて教えてくださったflickerに、この方のフロッグシステムの詳細写真があります。)

問題として結構疲れます。DdRTと同じく登攀距離は2倍になります。しかも一回の登攀距離が稼げません。いっそフットアッセンダーを使ったDdRTで登るほうが気楽なのでは?と思うんですが、どうなんでしょう。でもフットアッセンダーが嫌いな方にはこっちのほうがいいでしょうね。

利点は、登攀してから下降する時にギアを交換しなくて済むことですね。これは凄くいいことです。地上にいつでも気軽に戻れるってのは安心です。

あと登攀中もスラックができないこともナイス。いつでも休憩できます。これもDdRTよりアドバンテージがあります。気軽にSRT登攀したいならこのシステムでしょうね。私も下降器使用中のちょい登りによく使います。

【ヨーヨーの使用機材:補足】
使用機材の捕捉をします。これに使用するディセンダーはRIGが一番だと思います。アンスロンのローリーもいいんですが、個人的にはRIG一押しです。グリグリは下降時にがっこんがっこんするので今更わざわざ買うもんじゃないでしょう。STOPは抵抗が大きいのでイマイチです。アンスロンのDSD(ダブル・ストップ・ディッセンダー)は構造上不可能です。
個人的な印象を図にするとこんな感じ。
RIG>>>ローリー>>>>>>>>グリグリ>>>STOP

あと何故このシステムのみランヤードがダイナミックロープじゃなくてもいいのか。下降器がセルフビレイしてくれているからです。下降器はトゥース式じゃないので「セルフビレイ二点取り」の原則から解放される訳です。

むしろランヤードもいらないくらいですよ。ハンド回収と落下防止用、下降器から勝手にロープが流れた時のストップ役くらいのもんです。下降器を誤作動させて思いっきりスピードがついたらやばいかもですが。もし下降器の取り扱いに慣れていないならダイナミックロープを推奨します。

【まとめ】
基本的に「機能的なフロッグ」か「シンプルなヨーヨー」でしょう。テキサスもハーネスを選ばない点を評価すれば素敵です。

今後このブログでは特に言及のない限り、SRT登攀といえばフロッグシステム、もしくはSRT登攀方法全般をさしていきます。これがいいたい為だけの記事でした。

あと使用機材にカラビナは書いていません。フットアッセンダーもPPE(個人保護器具)じゃないのでわざわざ書いていません。でもフロッグシステムにフットアッセンダーは鬼に金棒です。

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2010年12月 9日 (木)

ペツルの2011カタログがでてたー!

先ほどコメントにて、「ペツルの2011カタログが出てますよー」との情報をいただきました。あざーっす!

リンクはこちら→http://www.petzl.com/en/pro/catalog(日本語も選択できます)

ざっと目を通してみたんですが、2010カタログからあまり大して変ってないような気がします。ちょこちょこ気になる点があったので箇条書きにします。

・レスキューのテクニカル記事が非常に詳しいです。すごく参考になります。前からこんなに詳しかったでしたっけ?と思って2010カタログ見たんですが、ほぼ同じ内容でしたね。ははは。

・セコイアSRTとセコイアですが、仕様変更は特にないみたいですね。WesSpurのあの注意書きは結局なんだったんだ。

・p76~83「コネクター」。いろいろと補足情報が増えています。いやー勉強になりますね。 

・p90.91 「ロープクランプ」。左に写っているアーボリストの写真が勉強になりました。バックアップ用のプルージックをそこから取るんだー。このアイデアは覚えておこう。あと、腰にぶら下がっている鋸に注目ですね。これは間違いなくシルキーの「ゴム太郎」!何だか嬉しくなります。

・p119 「バッグアクセサリー」。ペツルからスローライン収納バッグがでるんですね。イクリプスEclipse っていうらしいです。かっちょいいですね、これ。…値段は高いんだろなー(涙)。


まあひとまずこんなところでしょうか。後でゆっくり読もうと思います。楽しみだなー!

ペツルのカタログは製品情報だけでなく、安全作業をする為に知っておくべき基本情報がわんさかと記載されています。一度も目を通した事のない方がいらっしゃいましたら、是非ダウンロードして熟読される事をおすすめしたいです!

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2010年12月 5日 (日)

樹上からのレスキューの一例を動画で見る

【遭難、そしてレスキュー】
樹上で作業者に何らかのトラブルが起こり、自力で地面にたどりつけなくなった場合、間違いなく遭難しています。

そんな状況に陥った場合、誰かにレスキューをしてもらう必要がでてきます。ビクティムに意識があるか、怪我をしているか、しているならどんな怪我か、ロープの状態はどうか、クライミングシステムは何を使っているのか、などなど状況によってレスキュー方法は千差万別ですが、何はともあれビクティムを安全に地面まで降ろす必要があります。(救助する人を「レスキュアーrescuer」、救助される人を「ビクティムvictim」って言います。)

そして「地面におろす」ところまでは作業チーム内で行えるようになっておく必要があります。同時にできるかぎりの怪我の応急処置も。

【動画おもしろい!】
さてさて、いやー実は面白い動画を見つけたんですよー。アメリカの「Rescue Response」っていう、ギアショップだかトレーニング団体だかよくわからない会社があげている動画です。

CMC体系を応用した樹上レスキュー方法ですかね。AZTEK使ってるから何となくそう思っただけなんですけどね。ほんとにこの方法は安全なのかどうかよくわからないんですが、私は結構いいなーって思っています。

とりあえず…この何とも言えない三文芝居が堪らないですね!何故わざわざアッセンツリー?とか、SRT登攀のストロークが短かすぎねーか?とか、おっちゃん、樹上でかっこつけてボソボソしゃべってるけど地上班に声届いてんの?とか、しょうもない事が色々と気になります。それも含めて面白い!

【小姑のようなイヤラシイ目線で見てみよう】
ラダー(縄梯子)があるのに、わざわざビッグショットでスローラインをかけるのは賛否両論ありそうですね。パウチがビクティムに当たったら目もあてられませんが、このラダーを本当に信用していいのかどうか、って問題もありますし。

SRT登攀用の赤いロープのアンカーってどこなんでしょうね?根本にテンションレスヒッチっぽい事をしていますが(2:57あたり)…テンションレスは水平方向限定だしなあ。あ、これティンバーヒッチかな?そんな気がしてきました。でも、4:32辺りでここにプーリーセットしているんですよね。これってやっていいんでしたっけ??

アッセンツリーはまあいいとして、何故わざわざ現場でフットループを装着する必要があるのか全然わかんないです(3:15、スクリューリンクをくるくる回している場面)。んなもん先につけとけよ、と思ってしまいます。
チキンループ(緑色のロープ)は、これ、パーセルループかな?ハンドルにガースヒッチで留めるんかーとちょっとびっくりしました。私なら絶対やらないですね。取り外しが手間になりますから。ガースヒッチによる強度低下は別に問題ないような気がします(ノットによる強度低下より、トゥース式クランプの「約6kNでロープ破断」問題が先に起こりそうので)。ちょっとわかんないです。

ちなみに3:24辺りでのSRT登攀方法が「フロッグシステム」です。この動画だとしんどそうにみえますが、それはこのおっちゃんが下手なだけです(笑)。腕のストローク幅が少なすぎるせいで、こんなちょこちょこしか登れないんです。更に言うと、アッセンツリー使ってまでラクするなら、パンタン(フットアッセンダー)も使ったらいいじゃん!と思います。

AZTEKはほんといいですねー!オトコゴコロをくすぐられます。ちなみにAZTEKをちょっと試してみたい場合、わざわざ買わなくても自作可能です。「ロープアクセス技術の広場」さんに参考になる記事があります(こちら)。
ツリーワーカーならリダイレクト用のダブルプーリーをふたつくらい持ってるでしょう。個人的には5コイル・プルージックがちょっと面倒なので、DdRTに使うクライミングヒッチで代用したほうがわかりやすいと思っています。たぶん代用してもいいはずです。でも確信はありません。
ただレスキューで本気で使う場合、ダブルプーリーの破断強度などに充分注意してください。本気で使っていくならAZTEKキットを購入するほうがいいと思っています。うーん欲しいなー。リギングシーンでフィドルブロック代わりに使ってみたいです。リギングで使うとレスキューでは使えなくなるんで、すんごいもったいない気もしますが(笑)。

5:56辺り、レスキュー用ハーネスにカラビナ(am'Dかな?)をセットしているんですが、ここにカラビナ使っていいんですかね?驚異の4方向荷重になるような…。(と思ったんですが、ペツルのピタゴールの説明書を見たら(リンク)、カラビナでOKみたいですね。)あとダブルフィギュアエイトのバイトが妙に長いのも気になります。

6:40からIDでロワーリングしていますが、これタイミングが早いですよね。6:47の流れを見たらわかるんですが、この時、ビクティムはおそらく枝の上にたって、しかもびびって枝を掴んでいるんですよね。しっかりロープにぶら下がってもらってからロワーリングするのが正解でしょ。とは言え、荷重がかかってないとIDでロワーリングできないでしょうから、これは単なる動画の編集ミスっぽいですけど。

最後、タンカじゃなくて歩かせるんかい(笑)。

【なんだかんだで、動画はやっぱり面白い】
まあ細々と言い出したら他にもありますが、それを差し引いてもほんと面白い動画だなーと思います。もし作業チームが3人以上の場合、こういった考え方もありだと思っています。樹上のレスキュアーの肉体的・精神的な負担が少なくて済むでしょうし、引き上げシステムが簡単に作れるってのも素敵だと思います。要はリギングシステムみたいなもんなので、ツリーワーカーなら感覚的にわかりやすそうですし。
このレスキュー方法を軸にして、いろいろ応用を考えていくのも面白そう。

この方法が本当に安全か、鵜呑みにしていい動画かどうかについては、私は自信がないので何も言わないでおこうと思います。まあなんだかんだ言って「SRTラインにSTOPをかましておく」システムの方が気楽そうなのはナイショです。色々な考え方があるでしょうし、一番自信のあるレスキュー方法が一番正解だと思います。


【余談:スーパー遭難事件
ちょっと話は変わりますが、遭難ってどこでもできます。私はスーパーの魚売り場で危うく遭難しかけたことがあります(笑)。夏キャンプの買出し時なんですが、雨に濡れてからスーパーに入ったんですね。お店に入ったときから冷房がガンガンに効いていて体調がおかしかったんですが、魚売り場近くはそりゃもう寒くて寒くて!

みんながイカを買うかどうかで延々迷っている間に体力をガシガシ削られて、足が震えてくるのがわかりました。もう少し決断が遅かったら自力で店外まで脱出できなかったと思います。いやースーパー怖い。ほんと怖い。

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