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2011年1月27日 (木)

ARTの新製品 Snakeanchor

引き続きARTの新製品を見ていきます。今回は「Snakeanchorスネークアンカー」です。

これはなかなか難しい製品ですね。汎用性がありすぎて逆にピンとこないです。まあいいや。特徴を見ていきましょう!

【リングがこれまた不思議】
スネークアンカーのリングもライトアンカー同様に溝がありますね。そしてその中をロープが差しこんであります。利点は前回の記事でお伝えした通りです。

ライトアンカーと違うのは、スネークアンカーのリングは取り外しができない事。完全に一体化しています。リングかロープが破損したら諦めて買い換えるしかないでしょうね。リングが勝手にとれないから安心という言い方もできます。

【まるでデイジーチェーン】
本体(ウェビング)はロープを一回折り返して、ざくざくと縫いこんであります。そして7cm間隔でカラビナ等を掛けられるポケットがあります。デイジーチェーンみたいな感じですね。でもデイジーと違って、このポイントはアンカーとして使用できるだけの充分な強度があるみたいです。すげー!(ARTのサイトには破断強度についての具体的な言及はないんですけどね(汗)。)
まるでオムニスリングみたいなので、このポケットを以下「オムニポケット」と仮称する事にします。

【どう使う?】
まず、普通のフリクションセーバーとしても使えるみたいです。元々リングはひとつあるので、適当なオムニポケットにカラビナやプーリーを設置して、これを小リングとして使えばいい訳です。つまりちょっとしたアジャスタブル・フリクションセーバーとして使用可能なんですねー。プーリーを使えば地面からの解除も可能だと思います。

チョーク掛けで使用する事もできますね。トップアンカーとしてもボトムアンカーとしても使えます。

【トップアンカーにして…】
トップアンカーで使う場合、クライミングラインのアンカーというより、セルフビレイのアンカーとして使う方が便利なような気がします。スリングだと距離調整がイマイチできないですし、デイジーだとポケット強度が不安だし、オムニスリングは(たぶん)ガースヒッチできないし。スネークアンカーは丁度いい按配に使えそうです。そんな使い方がいいのかどうかわかりませんが、ラインのアンカーに使えるならたぶん問題ないはずです。

【ボトムアンカーにも…】
SRTのボトムアンカーとして使うのも便利だと思います。この場合、距離調整というより、同一アンカーにギアを何個もセットできるっていう利点が効いてくると思います。気をつけてほしいんですが、これ一本を複数ロープのアンカーにしちゃうって意味じゃないですよ。緊急時はともかくとして、ひとつのアンカーに別々に二人ぶら下がるってのは非常識ですしね。

そうではなくて、えーと、ちょうど最近悩んでいたSRTレスキュー時の問題解消にぴったりなんですが、あまりレスキューの事は書きたくない(自信がないandさすがにブログで書いたら駄目な気がする)ので誤魔化します(笑)。

軽く言いますと、ビクティムの荷重がかかっている現在のギアから、別のギアに荷重を載せ替える事ができるんじゃないかと考えている訳です。よくわかんないですよね。御免なさい。そんな大した話ではないんで気にしないでくださいね。

【特徴のおさらい】
では前回同様、ARTのサイトに記載されているこの道具の特徴を翻訳してみます。

・ロワーアンカー、アッパーアンカーとして使用可能。

・セグメントステッチ(2.7inch間隔)は連続的な調整が可能。

・ノンロッキングカラビナを使用する事により、チョーク掛け設置した場合の位置を確実にする。

・カラビナやプーリーを併用する事により、アジャスタブルフリクションセーバーとして使用可能。

・二列に平行縫込み処理された8mmポリアミドロープに基づく、優れた耐摩耗性と広い接地面積。

・ART独自のチューブ形リングによる、高い耐荷重性と防護性を備えたアイ。

・チューブ形リング構造全体に荷重が均一配分される為、良好な安全性と引張強度を備える。

以上です。

【最後に】
とまあこんなところでしょうか。他にも色々な使い方があるかと思います。とりあえず強度がどこにも書いていないので、何とも言えないところがあります(笑)。

ボトムアンカーに関して、アジャスタブルにしたいならルーピースリングを使えばいいんじゃない?と考えています。果たして本当にやっていい事なのかどうか知りませんが。
強度的には「Tenex 1/2inch」を使ったルーピーなら問題ないはず。(WesSpurの1/2''ルーピーでチョーク掛けした場合、WLL約800kg。Wesの安全率は確か10)

そんな訳で私は食指がイマイチ動かないです。実際に発売されて、情報が増えてきてから再検討したい感じですね。

【余談】
あと気になるのは…チョーク掛けの強度低下ですね。巷ではチョーク掛けはシングル吊りの強度低下20%ロスで計算される事が多いんですが、この事実とガースヒッチの強度低下問題との整合性が未だによくわかりません。

ガースヒッチの強度低下についてはうちで取りあげた事もありますが、これに関しても未だによくわかっていません。気になる方は参考になりそうなウェブ資料(リンク注:pdf)があるので目を通していただければと思います。もしくはうちの記事でも(リンク)。

とは言え、今回はあまり深追いしないでおこうと思います。

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コメント

>巷ではチョーク掛けはシングル吊りの強度低下20%ロスで計算される事が多いんですが

Samsonカタログのフーピースリングの強度記載を見てみると、Tenex-TECのWLLに対して0.84掛け(Brummell Splicing分)と0.8掛け(Choker分)がなされている様ですね。

カタログでは、更に、Choker(GirthHitch)の設置角度に対する掛率が記載されています。これは、ここの「ガースヒッチ四方山話」で取り上げられた内容と同じだと思いますよ。
ありがちな均等Y字状態(60度)だと0.5掛けになってます。

フーピーにもルーピーにも、もっと優しく接した方がいいかもしれませんね。

投稿: S | 2011年2月 8日 (火) 20時58分

Sさん、またまたこんちはー!

ありがとうございます、サムソンのカタログ見てきました!(↓これの17ページ 注:PDF)
http://www.samsonrope.com/site_files/Arborist_Catalog.pdf
なるほど、Chokerの0.8掛けしてから、Load Angle Factorを掛けてあげるのか。

でもこのLoad Angle Factorですが、Sling Angle(From Vertical)ってなっていますよね。
これだとチョーク部のY字角度ではなく、垂直方向からの角度ってことになりませんかね。

…や、これはこれでさっぱり訳がわからないんですが。私の捉え方だと引っ張る方向が垂直方向と水平方向で強度が違ってくる事になるんですが、我ながら「んなアホな」って叫びたい気分です。
うーん、脳味噌がぶっ飛びそうなのでちょっと時間をください。


>フーピーにもルーピーにも、もっと優しく接した方がいいかもしれませんね。

個人的には、あいつらに優しく接する事は無理だと思っていますので、ぶっといロープ径のやつを買う&こまめに交換する事で対処しています。
よく働くいい奴ですし可愛がってあげたいんですけど、主幹にきっちり巻かないと話にならないんで、どうしても均等Y字になるんですよね(汗)。

それにしてもSさん、Tenexについて相当調べておられますねー!他にも何か面白い情報があればどんどんコメントいただきたけると非常にうれしいです。
私はあんまり詳しく調べてなかったんで、すっごく刺激になっています!

投稿: フリップ | 2011年2月 8日 (火) 23時03分

>でもこのLoad Angle Factorですが、Sling Angle(From Vertical)ってなっていますよね。

RATED CAPACITIES の所で
Rated capacities are for slings in vertical lift use
となっているので、単に、吊り上げ荷重試験を行ったって事だと思います。だから、垂直が基準。それで SLING ANGLE の所も (FROM VERTICAL) になっているのでしょう。
利用者側からすると現場設置状態を想像するから、ちょっと迷う表現ですね。

>個人的には、あいつらに優しく接する事は無理だと思っていますので、

使ってなんぼの道具だからバシバシ活用したらいいのですが、均等Y字で0.5掛けとなる訳で、何も考えずにショップとかの公称耐荷重だけを思って使ってると痛い目に遭いそうですね。

>他にも何か面白い情報があればどんどんコメントいただきたけると非常にうれしいです。

いやぁ、そんなに隠し球は持ってないんで期待しないでね。
それよりも、何時も貴重な情報ありがとうございます。

投稿: S | 2011年2月 9日 (水) 00時23分

>Sさん

あーなるほど!あれの意味は垂直時って事ですか!そりゃそうですよね(汗)
じゃあこのサムソンのカタログに書かれているスリングアングルの数値ってかなり参考になりますねー。おかげで積年の悩みから解放されそうです。
ワンダフルな情報を本当にありがとうございます!

投稿: フリップ | 2011年2月10日 (木) 19時22分

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