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2012年2月28日 (火)

フリクションセーバーいろいろ 再び

今回はフリクションセーバーについて。以前にも記事を書いているんですが、もう一度まとめてみます。(ある程度書き終わってから、あ、前にも書いてるじゃん!と気付いたってのは内緒です。)

木登りのクライミングシステムにDdRTを採用されている人は非常に多いと思いますが、DdRTってのは登攀時や下降時にロープが動くんですね。そのため、トップ支点にしている枝や幹の表皮や形成層をロープの摩擦でえぐってしまいます。木登り屋として、樹木に意味のないダメージを与えるのは非常に宜しくない。そこで登場するのがフリクションセーバーです。

フリクションセーバーを使う理由は他にもあります。思いつくままに列挙してみます。

  1. 支点を傷つけないようにするため
  2. 枝との摩擦でロープを傷つけないようにするため
  3. 支点で発生する摩擦力を軽減させるため
  4. 枝のないところに支点を構築するため(フォルスクロッチ)
  5. 支点の稼動域を増やすため(フォルスクロッチ)

まあこんなとこでしょうか。何か忘れている気もしますが。まあ深く考えずに実際のフリクションセーバーを見ていきましょうぜ。(ナチュラルクロッチとフォルスクロッチの違いはこちらの記事を参考にしてください。古い記事なので、それは違うだろと突っ込みたい部分がチラホラありますが、雰囲気はわかるかと。)

これは私が所有しているフリクションセーバー達です。それぞれの特徴を簡単に説明します。

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1.ハウススリーブ
2.レザー製セーバー
3.バッキンガム製リングセーバー
4.トイフェルベルガー製マルチスリング+DMMリボルバー・ロックセーフ
5.ARTのロープガイド(+ダブルスナッパー)


ホース式(ハウススリーブ)

1番と2番はホース式のセーバーです。ハウススリーブって言うとだいたいわかってくれます。長所は、地上からインストールがしやすい事!これに尽きます。この素晴らしさは宇宙を越えますね。あと、回収もラクです。万が一壊れてもクリティカルじゃないので気軽ですしね。短所はフォルスクロッチに対応できない事。でもまあ何とかなります。とりあえず地上からハウススリーブをセットして、登攀してから他のセーバーに切り替えたらいいんです。ひとつ持ってるとめちゃ便利。初めに買うならこれっしょ!

1、ハウススリーブ
正真正銘のハウススリーブです。私はアウトドアショップKさんで購入しました。
一見しただけだと単なるホースですが、まあ普通にホースです(笑)。電工用のホースなのかな?水道用のホースと比べると強度はすこぶる高いです。

難点はスプライス・アイがめちゃ通し難いこと。押しこむだけだと絶対通りません。細いライン(スローラインとか)を先に通しておいて引っ張ってあげる必要があります。ホース径がもうすこし大きかったらいいのに。

2、レザー製セーバー
ハウススリーブの原型といいましょうか。たぶんこちらの方が歴史は古いと思います。レザーでできたホースっすね。これはWesSpurモデルです。シェリルのやつはシェリルロゴが刻印されています。

写真で見る限り、湾曲してますよね。これ以上真っ直ぐにならないんですよ!使う分には気にならないんですが、ハーネスにぶら下げると結構邪魔です。あと、レザー製だけあって、使い込むと非常に美しい光沢がでてきます。雨に濡れたままほっておくとカビだらけになりますけど(そもそもきちんと管理しろって話ですが)。

スプライスアイはなんとか押し込みで通ります。が、アイの大きさやロープ径によっては押し込みじゃ無理かもしれません。個人的感想としては11mmのタイトアイなら何とかなりますが、1/2インチだと厳しいかも。
WesSpurにはこれより一回り大きいリギング用のものも置いてあります。こっちのほうが使いやすそうな気もします。でも回収の時に引っかかる可能性も高くなるかも。


リングセーバー式
3番や4番のような、スリング(or ロープ)の両端に大小異なるリングがついているタイプ。EDELRIDのROKA-eや、バッキンガムのBuckBlocksのようにリング部分にプーリーが内蔵されているタイプもあります。また、リングの代わりにカラビナを使っているタイプも。

長所はフォルスクロッチができること。でかい樹木になればなるほど、この利点が効いてきます。枝のないところに支点が作れることより、支点の稼動域が広がることの方がメリットだと思っています。
短所は地上からのインストールが煩わしい。できないことはないんですが、私は苦手ですね。方法は2種類あります。

3、バッキンガムのリングセーバー
バッキンガム製のやつです。リングはアルミとスチールを選べるんですが、個人的には目の行き届かない場所にはスチールがいいなあ。私の持ってるのはアルミですけど…。
スリング系なので耐摩耗性に優れている気がします。あと接地面積が広い。satocさんのブログ記事によれば、耐切創性はあまり期待できないようですね。
別売りの「フリクションセーバー・プルージック」を装着してアジャスタブル化が可能です。

4、トイフェルベルガーのマルチスリング改
最近導入した新兵器です。トイフェルベルガー「マルチスリング」にDMM「リボルバー・ロックセーフ」を加えています。赤いリトゥリーバル・ボールで回収可能。ロープ系なのでやっぱ軽いです。これならハーネスにぶら下げてても気になりません。アジャスタブル化もプルージックすればいいだけですしね。

リボルバーをアンカーにしてるのが果たしてOKなのかどうか、我ながら疑問です。正直なところ、数ヶ月後にはスチールカラビナに交換してるかも。なんか気持ち悪いんです。あと支点付近の枝とカラビナが干渉する危険性が高いです。全くお勧めしません。
個人的にはメイン使用ではなくダブルクロッチとかリダイレクト用にぶら下げておこうと思います。マルチスリング単体でも色々と遊べますしね。

おまけ
仲良くしてくださっている先輩がRoca-eを使ってるんですが、「小リング側のプーリーの開口幅が小さいから、地上からのセットは実質無理だよ」と教えてくださいました。スプライスアイがちょうどすっぽり入る大きさなんですよね。なので、スローラインで誘導しても引っかかっちゃう訳です。その代わり、プーリーのおかげですこぶる快適とのこと。むむむ、素敵だなあ…。


ガースヒッチ式
5番、ARTのロープガイドが有名ですが、他にもトイフェルベルガーが販売しています。基本的にこのタイプはプーリーを備えています。すんごい快適。

短所は地上からのセットが絶望的に難しいこと。一応方法はあるんですが、私は一度も試したことありません。このタイプのセーバーを使うなら、SRTかダブルロープのフットロック技術がないと買っても使いにくいかもしれません。
そして回収もなかなか厄介です。ガースヒッチの輪をきつくしすぎると、もれなく回収に失敗します。スローラインを駆使しても、ガースヒッチ部分でややこしいことになってよく失敗します。ARTのダブルスナッパーは必須かと。

長所はプーリーの恩恵に与れること、枝のないところでも支点が作りやすいこと。デメリットに比べてメリットがそれほどあるように感じないんですよねー。現場を選ぶ気がします。状況に合致するとすごく便利なんですけど、すごく手間がかかる場合もあります。

5、ARTのロープガイド
私が所有しているのは「ロープガイド07」。もう既に廃盤になっています。写真ではダブルスナッパーも装着しています。セットしていない状態の写真を見るとさっぱり訳がわからないですよね。言葉で説明する気も起きないですし(笑)。

私はこれを買って、「スペシャルな道具は汎用性に乏しい」「すべてがうまくいく魔法の道具なんて存在しない」という教訓を得ることができました。確かに便利なんですが、セッティングに何かと手間がかかるので、ある程度大きい樹木のときに気が向いたら使う程度です。

もちろん悪い道具ではないです。使うとめっちゃ便利。でもこれひとつですべてを賄う気にはなれないっすねー。

【まとめ】
特にまとめることもないんですが、フリクションセーバーにも色々あって面白いですよね。私としては「100%回収可能なセーバー」があれば飛びついてでも買っちゃいます。まあ何とかなるだろうとたかをくくって、セーバーの回収に失敗した時の悲しさったらないですよね!

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