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2012年7月の3件の記事

2012年7月28日 (土)

バレルノットとダブルフィッシャーマンズループの違い

【バレルノットとダブルフィッシャーマンズループ】
バレルノットBarrel KnotとダブルフィッシャーマンズループDouble Fishermans loop、作り方は非常に似てるものの、役割は全然違います。

バレルノットの作り方はこれ→リンク
ダブルフィッシャーマンズループはこれ→リンク

リンク先をそれぞれ見比べたらわかるんですが、ループを作ってから、下から回していくか(バレル)、上から回していくか(ダブルフィッシャーマンズループ)、によって変化します。

【バレルノット】
バレルノットはストッパーノットとして使われます。が、ブレイクスヒッチなどの最終ストッパーとしてはダメダメ。つかいどころが非常に難しいノットです。個人的には自作ランヤードの逆末端に結んでいます。

ダブルフィッシャーマンズノットの単体版です。そう考えると、ダブルフィッシャーマンズノットや、ダブルフィッシャーマンズループは、バレルノットの派生系になりますね。

【ダブルフィッシャーマンズループ】
ターミネーションノットtermination knotとして使います。DdRTのターミネーションノットに使ったり、自作ランヤードの末端に使ったり。荷重がかかるとループが締まる性能があり、リングやロープスナップのアイに結んじゃうと、ほどくのが非常に困難になります。カラビナならまだ大丈夫(先にカラビナを外してからほどく)

別称はスカフォードノットscaffold knot。(scaffoldの意味は「①足場、②処刑台、③やぐら」だそうです。) IRATA系ではバレルノットて言う場合もあります。ややこしいですね。

ロープ自身をくわえ込むようにバレルノットしたら、これになります。訳のわかんない日本語ですみません。

【ダブルフィッシャーマンズループを作る時の注意点】
こちらのプリントをご覧ください(リンク)。ダブルフィッシャーマンズループを作る際、ロープを先に咥えこまずに、バレルノットを先に作ってから差し込むと大失敗します。しかも見た目はほとんど一緒だから目視点検で見逃す恐れがあります。充分注意してください。

これについてロープアクセス技術の広場さんの記事「ダイナミックロープでY字ランヤードを作る ver4」の追記に詳しく解説されていますので、是非ご覧ください。

【余談:ターミネーションノットってなに?】
ターミネーションの訳は「終結」です。ほら、ターミネーターって映画があったでしょ。「終焉者」って意味っぽいしゃないですか。それと語源は一緒。

DdRTスプリットテイルシステムの場合、ワーキングエンド側のロープ末端に結び、コネクター(カラビナとかロープスナップ)を一緒に結びこむ役割があります。リンク先記事のQ1に相当する部分です(リンク先記事ではアタッチメントノットという名称にしています)

アタッチメントノットっていう場合もありますが、厳密に考えるとその言い方はちょい間違いかな?と思います。(が、トラッドシステムならアタッチメントのほうが正確なような気も)←どうでもいい話です。ややこしいので、うちのブログでは今後「ターミネーションノット」に統一します。

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2012年7月27日 (金)

ダイナミック・クライミングライン・システムとスタティック・クライミングライン・システム

ダイナミッククライミングラインシステム(Dynamic climbing line system)と、スタティッククライミングシステム(Static Climbing line System)について。

クライミングラインを使用する登攀技術には大別して2種類があります。実作業において、この分類を気にする必要はほとんどないんですが、知っておくと各種クライミングテクニックの整理がしやすくなるかもしれません。

Jeff Jepsonさんの名著「Tree Climber's Companion」の35ページに記載があります。

【ダイナミック クライミングライン システム】
クライマーが移動すると、クライミングラインも移動するシステム。要はDdRTシステムのことです。

クライミングラインが移動するって意味がわかるでしょうか。ええと、例えばDdRTのトップアンカーを想像してください。ハウススリーブなり、リングセーバーがかかっているはずですよね。それと接しているロープ部分をAとします。クライマーが登ったとき、AはDdRTのフリクションヒッチ側に移動しますよね。そういう意味で「移動」です。

で、クライミングラインが移動する=ダイナミック(動的)である。たったそれだけの事です。

特徴としては、トップアンカーに何らかのフリクションセーバーが必要。これがないと、ラインが動いた時に枝とロープが傷みます。

【スタティック クライミングライン システム】
クライマーが移動しても、クライミングラインは移動しない(=スタティック静的)システム。SRTとか、フットロックがこれにあたります。

特徴としては、まあ色々あるんですが、基本的に登攀システムと下降システムが異なります。つまりシステムチェンジが必要。例外もありますが(例:ヨーヨーシステム(RADS))。そして登攀システムのままで作業することは滅多にありませんし、そういう状況は避けるべきです。

スタティッククライミングラインシステムで一気に登りきって、別に用意しておいたDdRTで作業するという考え方があります。こんなとき、スタティックなクライミングラインをアクセスラインaccess lineって言ったり、アッセントラインasent lineって言ったりします。たとえばNew England Rope社の「Escalator」はそういう用途に設計されています。

【ダイナミックCLS vs スタティックCLS】
これはほとんど「DdRT vs SRT」と同じです。書き出すと長くなるので割愛します。(クライミングラインシステムって書くのが面倒になったので、CLSって略しています)

【余談:】
ちょっとこちらの動画をご覧ください。以前に友人のハリー君から教えてもらいました。フランスのほうで流行っている(いた?)、ダブルプルージックシステム(私が適当に名づけただけ)です。まあプルージックって言うよりスワビッシュSwabischですけどね。

なかなか面白いですよねー。フットロックとDdRTが共存できる点、Vリグシステムにすぐに移行できる点、なかなかファンキーです。私はやったことないですし、試す気もあまりないですけど。

この動画を見て、「おおー、これはダイナミックCLSとスタティックCLSが共存しているんだねー」なんて意見が言えると、ちょっと知識人っぽくなれます!これが言いたいだけの記事でした。

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2012年7月18日 (水)

え、まじで?

先日、今年度版のKEMカタログをゲットしまして、楽しくニヤニヤ見ていたんですが、すっごく気になる文章を見つけました。

手元にカタログがある方は見ていただきたいんですが、問題の箇所は24ページの右下。DMMのインパクトブロックの説明文です。「無断転載は厳禁」なので簡単に要約すると、なんとインパクトブロックには、途中で木を止められるショックアブソーバー的な役割があるらしいんです!(原文を是非ご覧ください。)

うそーん、まじでー?

そんな話は今まで一切聞いたことないですし、個人的に「めっちゃカッコ良くて、エッジが丸くて素敵な、単なるアーボリストブロック」って印象だったんですが、実際のところどうなんでしょうか。いつの間にそんな機能を獲得したんだ。というかそんなの無理だろ。フォールアレスト機材(例:petzlのASAP)じゃあるまいし。

DMMの本国サイトの紹介文にはこんな一文が。
「…,is to help absorb huge impacts created by the harsh dynamics of heavy arborist work.」

まあ要はツリーワークで生じた巨大なインパクトを吸収するのを支援する、って意味でしょうか。それに続き、こんな文が。

「When rigged as part of an impact system, our block offers maximum security and strength with minimum fuss and weight.」
インパクトシステム(訳注:リギングシステムの言い換えかと)の一部として使った場合、このブロックは最高のセキュリティと強度を提供します。

…ぐらいの意味でしょうか。まあショックアブソーブ機能には一言も触れていません。

個人的な憶測ですが、なんか…ロワーリングデバイス(例:port-a-wrap)とアーボリストブロックを混同しているような気がしています。

で、ある程度の知識を持つ人なら、これくらいの誤情報(だと私は考えています)を笑って済ませられるんですが、リギングのリの字も知らない人がこれを見たらヤバイような。「そんな魔法のような機材があるんだ!」みたいに思って、買って使ったらただの高強度滑車だった。なーんて話になるやもしれません。下手したら事故が起きるレベルの誤情報ではないかと。

うーん、どうなんだろ。

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