カテゴリー「基礎きそ」の33件の記事

2013年10月 1日 (火)

オイラーのベルト理論から、ポータラップの巻き数による摩擦力の増大を考える

なんていう大層なタイトルの記事で久しぶりの更新です。私は力学が超苦手&無知識なのでタイトル倒れになる可能性大ですが、やれるだけやってみましょう!倒れるなら前のめりに倒れてやるぜい!ちょっとくらいイラストいれようと思ったんだけど、めんどくさいから文字の洪水でいくぜい!

リギングでポータラップを使いだすと、「何回巻けばいいんだ?」と悩んだことがある人はたくさんいらっしゃるかと思います。かくいう私もいつも悩みます。

巻き数を増やせば増やすほど、大きい吊り荷を小さい力で保持できることは経験的に理解していただけるかと思います。かといって、びびって増やしすぎてもロープが流れずにロックしちゃって、ロープとアンカーを一気に痛めるのでつらいもんです。最適な巻き数を選ばないといろいろと(安全的にも財布的にも)大変です。

そこで最適な巻き数の検討が理論的にできないものか、というのが今回の主旨ですわ。

【オイラーのベルト理論】
吊り荷をぶらさげたロープを円柱(以下、わかりやすいようにドラムと呼称)に巻き付ける場合、巻き数を増やすと摩擦力が増大して、ロープを掴んでいるAくんはあまり力をいれなくて済みます。A君がロープを保持する力は理論的には計算で導き出せます。

それがオイラーのベルト理論というものでして、式はこんな感じになります。

保持する力=吊り荷の荷重×1/{e^(摩擦係数×ロープがドラムに接触している角度ラジアン}
e=自然対数の底(2.71828182845904…)

【重要なのはたった3つ】
こういう式を見ると体が拒否反応を起こしますよね。私はそうです!みんなもそうでしょ?まあぐっとこらえてください。重要なパラメータはたった3つ。ここが変動すると結果が変わってきます。

・吊り荷の荷重
・摩擦係数
・巻き数

特に重要なのは下のふたつ。上記の数式を見てわかるとおり、摩擦係数と巻き数はeを累乗する数値なので、ここが変動すると、その結果も指数関数的に変わります。

【摩擦係数は滑りやすさの数値だよ。気難しい人だよ】
摩擦係数ってのは、要は「AとBの間でどれだけの摩擦が発生するか?」を数値化したものです。摩擦係数が大きいほど滑りにくいです。そして静摩擦係数と動摩擦係数があります。

ただ、この摩擦係数は非常にやっかいな代物でして、定数のはずなんですけど実際には一定の値をとってくれず、平気で数%~数10%くらいの変動をするそうです。またロープの汚れや濡れ具合、気候によっても変化します。だからいくらベルト理論を用いて計算しても、実験を繰り返さないと机上の空論になっちゃうんですが、それでも、だいたいの傾向を掴む参考になるはずです。

こことかここを参考にして、ナイロンと金属との静摩擦係数は0.3、動摩擦係数は0.25くらいじゃねーかと仮定します。ポリエステルと金属との摩擦係数もだいたい同じはず。リギングロープにコーティングがしてある場合、摩擦係数はもうちょい下がるでしょう。

【巻き数はラジアンという単位に換算するんだよ、ややこしいね】
巻き数はラジアンという単位で計算します。あまり聞き覚えない単位でしょうけど、例えば90度の角度だと1/2πラジアン、180度はπラジアン、360度だと2πラジアンです。πはわかりますよね、円周率(3.14…)です。

ロープを屈折させる場所がたくさんある場合、摩擦係数が一緒ならそれぞれの角度を足した総和を使います。

【ベルト理論に距離は関係ない!】
注意してほしいのは、ベルト理論において巻いた距離は関係ない!ということです。カラビナに1巻きしても、ポータラップのXLサイズに1巻きしても、吊り荷を保持する力は一緒です。あくまでロープとドラムが接触している角度だけが問題になります。

注:ただ、実際には大きい径のものに巻いたほうが絶対に有利です。動的な状況(ポータラップで制動確保するとか)だと、墜落エネルギーは熱エネルギーに変換されます。カラビナでもポータラップでも、そこで発生する熱エネルギーは同じ量になるので、ひと巻きあたりのロープを多くできるドラム径の大きいもののほうが、単位面積当たりの熱が分散して好都合のはずです。放熱性能も向上するはずです。

また、ロープのベンドレシオを考えるといかがでしょうか。間違いなく大きいドラム径のほうが有利です。なもんで、ロワーリングデバイスを購入するときは、なるべく大きい径のものを買うほうがロープに優しいです!

個人的な経験では、ドラムが大きいほどスムーズな制動がしやすい気がします。1巻きあたりのロープを多く使うほど時間的な余裕ができるんだろうか?摩擦係数が安定するんだろうか?勝手な推測なのでよくわかりません。あと本文とは全く関係ない話ですけど、個人的にはポータラップよりGRCSのボラードのほうが使いやすいです。となると…STEINのRCシリーズ最強か?

【ドラム巻きはロープを動きにくくするんだわ。】
そしてもうひとつ注意点があります。ドラム巻きにするとロープは動きにくくなります!吊り荷を保持するにあたってドラム巻きはなんとなく倍力システムのように働きますが、これは「吊り荷の荷重>保持力」の場合にそう感じるだけでして、もし吊り荷を持ち上げる(吊り荷の荷重<保持力)場合、ドラム巻きは抵抗力になります。ドラム巻きにロープを動きやすくする機能は全くありません。(キャプスタンウィンチはロープじゃなくてドラム自体を回転させるので別の話になります。)

【ちょっと計算結果を眺めましょうよ】
それでは実際に計算した結果です。吊り荷を100kgとして、摩擦係数を0.25と仮定した場合、ベルト理論的にはロープをドラムに1巻き(360度)すると約20.7kgの力で保持できます。2巻き(720度)だと約4.3kg、3巻き(1080度)だと約0.9kgの力です。

一覧にしてみると…(摩擦係数0.25と仮定)
1巻き…20.7kgの力で保持できる (1:5)
2巻き…4.3kgの力で保持できる (1:23)
3巻き…0.9kgの力で保持できる (1:111)

巻き数が増えるに従って、摩擦力が一気に増大していく様子がわかると思います。すごいなあ。巻き数を半周分増やすだけでも結構変わってきますね。特に2巻きと3巻きの差が大きいから、2.5巻きとかを積極的に使っていったほうがいいかも?

ちなみに摩擦係数をちょいといじっても結果は大きく変わります。

摩擦係数0.3と仮定した場合…
1巻き…15.1kgの力で保持できる  (1:6.6)
2巻き…2.3kgの力で保持できる (1:43.5)
3巻き…0.35kgの力で保持できる (1:286)

摩擦係数をたった0.05増やしただけで結果がこれほど変わってきます。だから計算結果の数値を覚えてもあまり意味はありません。よくわかっていない人に巻き数による摩擦力の変化をドラマチックに教えるときには有効かもしれませんけどね。

まーなんせ巻き数の変化でどれくらい摩擦力が増大するか、なんとなく感じていただけたと思います。

【100kgの吊り荷に最適な巻き数は?】
100kgの吊り荷を巻きドラムで持つ場合、1巻き(20kg)だと体重をかけないとしんどいような。そして3巻き(1kg)だとロック気味になって保持する手を緩めても落ちてきてくれない可能性があります。2巻き(4kg)、もしくは2.5巻きくらいがちょうどいいかもしれない……とわたしは推測しました。最初はそれくらいでやってみて、適時調整を加えていったらいいんじゃないかな?

【まとめ:机上の空論も使い方を間違えなければ頼もしい味方だよ】
若かりし頃、音響屋を目指して講習を受けていた時代、講師のひとにこんなことを言われました。「間違ってもいいんだけどさ。何となく間違えるんじゃなくて、頭を使って自分で仮説を立ててから間違えた方が絶対いいよ。そうすれば反省できるやろ?」 いやー名言ですな。いまでも心に残っています。

今回の計算結果、しょせん机上の空論ですから狂いはあるでしょうし、その他の力学を考慮する必要があるんでしょうけど、何の見当もなくやっていくより経験値を蓄えやすいはずです。エクセルで計算式をちょいちょいと作ってみて、色々と試してみてください。そして失敗しても許される状況で、理屈と現実の整合をとってみてください。

あと、ロープを引っ張る力と自分の感覚をすり合わせておいた方がいいです。ロープを20kgの力で保持するのがどんな感じなのか、わかりますか?私もまだわかってませんから、これからです。

今回は静的な状況だけを対象にしています。でもポータラップとかのロワーリングデバイスの本領は、動的な状況でロープを流すときに発揮されますよね。これは次回以降に記事にしたいと思います。いやごめんなさい嘘をつきました。たぶんしません(笑)。

最後になりましたが、実はオイラーのベルト理論とポータラップの相性はいまいちだと思います(笑)。ボラードタイプ(STEINのRCシリーズとか)のほうがベルト理論と相性がいいはず。ポータラップみたいなフローティングタイプはその他の力学が絡んでくる隙間が大きいような、そんな気分になっています。

【おまけ:ポータラップの巻き数の数え方はややこしい】
ポータラップは最初のセットアップ時に1巻きしています。これを1巻きに数えるか、ノーカウントでいくか、地上班とクライマーで話を合わせておいたほうがいいです。私は地上班のメンバーが結構ころころ変わるので、この問題に結構気をつかっています。2巻きだと思ってたら3巻きになってしまっている可能性がありまっせ。(そしてその差は非常にでかい)

【おまけその2:あそこのホームページは金字塔だわ。ほんとすごい】
今回の記事を書くにあたって、ぼっちさんのホームページをすごく参考にさせていただきました。紹介するのは2回目かな?リギング作業時の制動確保を理屈的に捉えたい人にとって、これ以上ないくらい勉強になるかと思います。本気ですごいです。こんな素晴らしいテキストを日本語で読める奇跡に感謝感激!ぼっちさん、ありがとうございます!
http://www.k5.dion.ne.jp/~botch/index.html (ふろくに制動確保理論がのっています。その他のテキストも超おすすめ!理論派の人の文章は面白いなあ!)

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年11月13日 (火)

KASKのレアモデルを発見! と ヘルメット選びのうんちく

現在、私はKASKのスーパープラズマTCというヘルメットを愛用しています(既に廃版)。KASKのヘルメットって私が買った頃は珍しかったんですが、今となってはベストセラーになっちゃいまして、猫も杓子もってくらいよく見かけますよね(←何を偉そうに)。まあバイザーとイヤマフをセットするなら、PETZL、KASK、KONG、だいたいこの三択ですしね。あ、ファナーのPROTOSインテグラルももうすぐ登場か。

で、そろそろメットを買い替えたいなあと考えて、色々と物色していると珍妙なヘルメットを見つけました。

それがこれだ!必見だぜ!→ http://www.doctorpoint.it/prodotto.aspx?IDprod=8435&idcat=258

一見するとスーパープラズマのHi-vizモデルにも思えるんですが、よく見ると通常のカスクより上部の通気口が小さいんですよね。

実はこれ、どうやらイタリア赤十字モデルらしいです。ヘルメットの規格EN14052に適合しています。この規格はワーク用ヘルメット規格EN397の上位規格にあたるものでして、更に厳しい検査が課されています。詳しくはこちらのリンク先を参照してください。

まあそんな訳でスーパープラズマというより、プラズマワークHi-viz SSES の親戚になるんでしょう。頭のアジャスターもプラズマワーク系のそれですしね(アップンダウンテクノロジーじゃない)。

さあどうするか。これを被ってたら間違いなく目立てる、カブキモノになれる(←道具フェチ的に超重要)。でもなあ、EN14052ってのがなあ…。という悩みがあります。それはどういう悩みなのか。以下にご説明いたします。

【ヘルメット選びに重要なのはサイドインパクトとあご紐だ!】
欧州規格のヘルメットを買うなら、3つの規格から選ぶことになります。登山系の(EN12492)、ワーク系の(EN397)、ワーク系上位規格の(EN14052)。これらの違いはなんやかんやあるんですが、個人的には「サイドインパクト試験の有無」と「あご紐の強度」、これらの違いがツリーワークでは重要じゃないかと思っています。

ワーク系ってのは工場とかそういう場所で使うのがメイン用途だと考えておけばわかりやすいかと思います。ツリーワークだってワークじゃん!とか言わないでね、ツリーワークは高所作業=どっちかっていうと登山系なんですわ。

登山系っていうのも何とも言えないところで、ツリーワーカーとしては高所作業用、レスキュー用って捉えたほうがわかりやすいと思います。(EN12492)は登山用品の規格を策定してるUIAAのヘルメット規格を踏襲しているので、その影響でマウンテニアリング用って名称になってるって考えるのもまあありかと。

・サイドインパクト試験
横荷重に対する強度試験のことです。ヘルメットに対して横方向から錘をヒットさせます。登山系とワーク系上位規格は必須で課せられていますが、ワーク系(EN397)は必須でなくオプション扱いになっています。それぞれにおいて試験方法も違うかったと思います。

樹上で使うヘルメットはサイドインパクト性能こそが重要だと思うんですよ。例えばスイングして樹幹に激突した場合、横からの衝撃がメインになってくると思うわけです。なもんで、私としてはこれの試験をしていないヘルメットを使う気になれません。

・あご紐(チンストラップ)の強度
EN397のあご紐はbreak-away性能が求められます(破断強度15daN~25daN)。ある程度の荷重がかかるとあご紐が壊れてほしいという発想です。例えば工場で働いているときに鋼材がヘルメットが引っかかって外れず、あご紐で首をギロチンされないようにするためです。

EN14052もEN397と同じくbreak-away性能が求められます。

登山系ヘルメット規格のEN12492はあご紐が壊れてほしくないようにできています(破断強度50daN以上)。墜落の衝撃を受けてもヘルメットがとれないようにです。

これらの評価を私はまだ迷っています。個人的にはEN12492がベストだと思いますが、あご紐が壊れてほしい状況もまま想像できる。もしEN12492が何の疑いもなくベストと言い切れるなら、日本製のヘルメット全般もNGって言えるんですけどねえ(日本の産業規格ではあご紐の存在は必須だけど強度は全く無視)。

ひとつ傍証を言います。ペツルのバーテックスベストってありますよね。通気口がなくて、溶解金属の飛沫保護や絶縁性試験をパスしてるやつ。あれはEN397を猛烈に意識して作られているんですが、EN397を完全にパスしていないんです。あご紐がBreak-awayじゃないから!しかもEN12492も完全にパスしていないんです。私の記憶が確かなら…通気口がないから!
何故こんな中途半端なもんを発売しているのか。私が思うに、「EN397的な作業をする、高所作業者に使ってほしい」からではないかと。そのためにあご紐が壊れない強度になっとるのではないかと思います。つまり…。

あともうひとつ。イギリスの労働保険局であるHSEが発行しているツリーワーク用の資料には「EN12492の使用を強く推奨する」とあります。(こちらの資料の15番を見てくださいね。注pdf)。ただまあこの資料は結構古いもの(2008年には存在していた)なので、現在どうなのかは調べていません。

【まとめ】
サイドインパクト試験あり…EN12492、EN14052
オプション試験…EN397

あご紐が壊れてほしい(破断強度15daN~25daN)…EN397、EN14052
あご紐が壊れてほしくない(破断強度50daN以上)…EN12492

(登山用…EN12492、ワーク用…EN397、ワーク用上位規格…EN14052)

----------

そんな訳でEN397のヘルメットを私はツリーワークで使いません。そしてKASKのワークシリーズが果たしてサイドインパクト試験をオプションで受けているかについて、今まで情報をみたことがありません。

あご紐に関してはまだ何とも。でもEN12492がいいと個人的には考えます。

まあそんな感じです。どの規格でいくか、色々な考え方があると思います。なんでもいいや、じゃなくて、自信を持ってこれを選んでいる!と言うための助けになれば幸いっす。

めんどくさけりゃ、アルテリアが卸している「バーテックスベスト」か「アルベオベスト」を購入されることをおすすめします(2012年11月現在)。(アルテリアが卸したものっていうのがポイントですぜ。)

そしておっちゃんは「赤十字のヘルメットってなんか縁起が悪そう」という友人ハリー君の鋭い意見により、KASKのスーパープラズマPLを買うことに決めたぜ!というかもう届いているんだぜ!PLさいこーや!これまたいつか記事にしまーす。

【余談】
ついでに日本製のヘルメットについて。試験内容を以前に調べたことがあるんですが、忘れました(笑)。サイドインパクト試験あったかなー?まあ、あご紐の強度はEN12492ほどないと思います。個人的に日本製ヘルメットでツリーワークを行うことは絶対したくありません。墜落用であっても2m以上の墜落を想定していないはずなので。

さらについでに。ヘルメットを個人輸入するのはいいとして、それを仕事で使うなら日本の産業規格をパスしていることを証明する必要があります。つまり自分でお金だして検定うけろってこと。ほら、並行輸入したチェンソーを仕事で使ったら色々ややこしいことになるって言いますやん。あれの根拠になる法令(だか条文だか)にヘルメットも記載があるんです。ほかにボイラーとかもあったかな。

ゼネコン系とかの規則に厳しいとこで仕事をする人は、アルテリアでバーテックスベストを買うってよく聞きます。あれは日本の「落下・飛来物」の検定を通ってますんで。ファナーのPROTOSもファナージャパンが産業規格の検定をうける方向で動いているんだったかな。あれは通気口が小さいからいけそうですよね。

だから…、あれ、ヘルメットって個人輸入したらやばくね?労災があったとき、すごくややこしくなる可能性は秘めていると私は考えるようにしています。海外製のワークヘルメットを売っているお店とかどうなんだろ。大丈夫なんだろうか。売ってるところは結構あるので、私が何かを知らないだけのような気もします。日本の産業規格云々も去年くらいにちょこっと調べただけなんでねえ。並行輸入チェンソーのことでもいいので、どなたか詳しい方がいれば教えてください!

それにしても……写真なしで文章がこれだけ続くと、我ながら読み返す気がおきませんわ(笑)。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年7月27日 (金)

ダイナミック・クライミングライン・システムとスタティック・クライミングライン・システム

ダイナミッククライミングラインシステム(Dynamic climbing line system)と、スタティッククライミングシステム(Static Climbing line System)について。

クライミングラインを使用する登攀技術には大別して2種類があります。実作業において、この分類を気にする必要はほとんどないんですが、知っておくと各種クライミングテクニックの整理がしやすくなるかもしれません。

Jeff Jepsonさんの名著「Tree Climber's Companion」の35ページに記載があります。

【ダイナミック クライミングライン システム】
クライマーが移動すると、クライミングラインも移動するシステム。要はDdRTシステムのことです。

クライミングラインが移動するって意味がわかるでしょうか。ええと、例えばDdRTのトップアンカーを想像してください。ハウススリーブなり、リングセーバーがかかっているはずですよね。それと接しているロープ部分をAとします。クライマーが登ったとき、AはDdRTのフリクションヒッチ側に移動しますよね。そういう意味で「移動」です。

で、クライミングラインが移動する=ダイナミック(動的)である。たったそれだけの事です。

特徴としては、トップアンカーに何らかのフリクションセーバーが必要。これがないと、ラインが動いた時に枝とロープが傷みます。

【スタティック クライミングライン システム】
クライマーが移動しても、クライミングラインは移動しない(=スタティック静的)システム。SRTとか、フットロックがこれにあたります。

特徴としては、まあ色々あるんですが、基本的に登攀システムと下降システムが異なります。つまりシステムチェンジが必要。例外もありますが(例:ヨーヨーシステム(RADS))。そして登攀システムのままで作業することは滅多にありませんし、そういう状況は避けるべきです。

スタティッククライミングラインシステムで一気に登りきって、別に用意しておいたDdRTで作業するという考え方があります。こんなとき、スタティックなクライミングラインをアクセスラインaccess lineって言ったり、アッセントラインasent lineって言ったりします。たとえばNew England Rope社の「Escalator」はそういう用途に設計されています。

【ダイナミックCLS vs スタティックCLS】
これはほとんど「DdRT vs SRT」と同じです。書き出すと長くなるので割愛します。(クライミングラインシステムって書くのが面倒になったので、CLSって略しています)

【余談:】
ちょっとこちらの動画をご覧ください。以前に友人のハリー君から教えてもらいました。フランスのほうで流行っている(いた?)、ダブルプルージックシステム(私が適当に名づけただけ)です。まあプルージックって言うよりスワビッシュSwabischですけどね。

なかなか面白いですよねー。フットロックとDdRTが共存できる点、Vリグシステムにすぐに移行できる点、なかなかファンキーです。私はやったことないですし、試す気もあまりないですけど。

この動画を見て、「おおー、これはダイナミックCLSとスタティックCLSが共存しているんだねー」なんて意見が言えると、ちょっと知識人っぽくなれます!これが言いたいだけの記事でした。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年4月28日 (土)

何を選ぶかよりも、選んだ理由が重要だと思う (トラッドシステム問題を例にして考える)

「様々な選択肢の中から最善のものをチョイスできる、それこそがプロなんだよね」

先日、大師匠から聞いた一言です。この言葉通りではなかったかもしれませんが、まあそういう意味のことをおっしゃった訳ですよ。これに私は大いに賛同したい!

まあプロかアマかといった問題でなくても、木登りという行為は大前提として自己責任でやるものですし、クライマーひとりひとりが自分自身の木登りシステムをきちんと理解しておく必要があると思うのです。

そして、どんな状況でもこれが一番便利!って言えるような万能なシステムは間違いなく存在しないっすね。どれにも何かしらの利点があり、同時に何かしらの欠点があります。選択肢ひとつひとつの特徴を踏まえて、その時の状況に合致するものを柔軟にチョイスするる。これが一番ベストでしょう。

何をチョイスするかということはリスク管理と直結しています。どの危険性を排除するか、または危険性を踏まえた上でどんな安全策を講じるのか、こういったことを積み重ねが自分なりのスタイルになっていくのではないでしょうか。

まあこんな概念論だとピンとこないですよね。書いている私だって訳がわかりませんもん。具体的にやってみましょう。

【トラッドシステム問題】
今回はトラディッショナル・クライミングシステムを例にして考えてみます。DdRTシステムの中で一番シンプルで美しいですから。下のイラストをご覧ください。これがトラディッショナルクライミングシステムの本質です。これにフリクションセーバーをかませばもう完璧っしょ。

Photo

5問ありますが、とりあえず第1問を考えてみましょうか。(ちなみに問題の選択肢に特に深い理由はありません。)

Q.1 アタッチメントノット どのノットを選ぶか。その理由を述べよ。

  •  1.フィギュアエイト・オン・ア・バイト
  •  2.バントラインヒッチ

  •  3.アンカーヒッチ
  •  4.ボウライン with ヨセミテタイオフ
  •  5.その他 
  • うーん…難しいですね。私なら、ここに出ていないダブルフィッシャーマンズループですけど、あれはカラビナを締め付けすぎる時があるからなあ。アンカーヒッチとバントラインも好きですけどね。

    簡単に私の判断基準を述べますと…

    ・個人的にテイルが上方向に出る方が好き。
    これはもう完全に私の趣味です。これに当てはまるのは、上記で言うとダブルフィッシャーマンズループとフィギュアエイト・オン・ア・バイトとボウラインwithヨセミテタイオフの3種類。アンカーヒッチとバントラインは横向きに出ます。縦向きと横向き、どっちのほうが便利なんでしょね?

    ・ヒッチ系が好き
    ヒッチ系はカラビナを締め付ける特性があるので、クロス・ローディング(マイナーアクシスへの荷重)の危険性を減らせる。それにカラビナから外すと結構簡単にほどくことができる(これは逆に危険でもある)。

    ・ノット系はやだ
    ノット系はどれだけアイを小さく作っても、カラビナが空転してしまう可能性がヒッチより高いと考えています。常時カラビナに荷重がかかっているならノットでもいいんでしょうが、枝に乗ったりする機会があるとカラビナへの荷重は減ります。枝に乗って遊んでいる間にうっかりカラビナが空転して、次に荷重した時にはクロスローディングっちゃう…というドラマが目に浮かんでしょうがない。だからあまり好きになれません。

    …とまあ、こんな事やそれ以外の事も加味して考えています。

    別にどのノットを選んでもいいと思うんです。フィギュアエイト・オン・ア・バイトだってカラビナが空転するリスクをうまく制御できるなら充分使えますし。

    何を選ぶかってより、その選んだ理由とリスク管理が大事なんだと考えています。そしてそれを支える知識が重要。それらが揃って初めて柔軟な選択ができるようになるんだと結構真剣に思いますね。少なくとも、自分が常用しているノットについて「何故それを選んでいるのか」を説明できるようにしておいたほうがいいんじゃないでしょうか。

    (その他の問いについて私の個人的な解答は差し控えます。書き出したらきりがないので。気になる方はメールください。)

    【余談】
    だから、もし誰かに教えてもらう時があるとして、「トラッドシステムのアタッチメントノットには何がいいかな?」っていうような質問に対して、「これ!何も考えずにこれでいけ!」みたいに理由なく答えるような講師には充分気をつけてください。その人は残念ながら何にもわかっていない可能性があるので、言うことを鵜呑みにしないでください。もしくは単に面倒くさがっているだけの可能性もあるので、その理由を聞き出すべく、必死に食い下がるべきだと思います。

    事故って死ぬのは自分ですからねー。自分で自分の作業システムに責任を持てるくらい、勉強していきましょう!いや、私はしていきます!

    | | コメント (2) | トラックバック (0)

    2012年4月14日 (土)

    DdRTの力学 その1 基本編

    今回はDdRTシステムの力学について。早速ですが問題です。以下のイラストをご覧ください(クリックで拡大します)。

    Img_0001_01_2

    ※トップアンカーの摩擦、ロープの伸び率などは無視してください。

    問題①

    Tom君の体重は60kgで、DdRTシステムにぶらさがっています。フリクションヒッチのコードはよく効いています。

    1.静止した状態で、トップアンカーにかかる荷重はいくつでしょう。
    2.腕の力で登攀したい場合、Tom君は何kgの力でロープを引っ張る必要があるでしょうか。
    3.Tom君の登攀動作のストローク幅が50cmの場合、一回の動作で登攀できる距離は何cmでしょうか。


    問題②

    Tom君の体重は60kgで、DdRTシステムにぶらさがっていました。が、Tamiaちゃんが地面からロープを持っていてくれると言うので、彼女を信じてフリクションヒッチを緩めました。
    現在、フリクションヒッチは完全に緩んでおり、Tom君はTamiaちゃんの腕力で支えられてます。

    1.静止した状態で、トップアンカーにかかる荷重はいくつでしょう。
    2.Tom君を吊り上げる場合、Tamiaちゃんは何kg以上の力でロープを引っ張る必要があるでしょうか。
    3.Tamiaちゃんの動作のストローク幅が50cmの場合、一回の動作で登攀できる距離は何cmでしょうか。

    簡単そうに見えて奥が深く、分かってしまえば実に簡単です。木登りするなら、これくらいは知っておいたほうがいいかと思います。


    正解は「続きを読む」の方に!

    続きを読む "DdRTの力学 その1 基本編"

    | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2011年8月 9日 (火)

    「そのロープ、強度はどれくらいあるの??」

    例えばですね、ここに破断強度23kNのアーボリスト用クライミングロープがあったとします。そして、誰かがこう聞いてきます。

    「そのロープ、強度はどれくらいあるの??」

    この質問された人は結構多いんじゃないでしょうか。私は今まで10回くらいは聞かれていると思います。

    さてさて、ここで二つの選択肢があるとしましょう。

    1.「23kNまで耐えられますよー」
    2.「23kNで破断しますよー」

    どうでしょう。このふたつの答え方の微妙な違いを感じていただけるでしょうか。[破断強度]を字面通りに捉えた場合、どちらでも同じ事になりそうですが、相手に与える印象は結構異なってきます。

    私は2番の言い方をします。1番の言い方ですと、「23kNまで荷重かけても大丈夫」っぽい印象を与えてしまうからです。

    (「そんなことよりニュートンって単位で伝えてもわかってもらえねーよ」という意見が聞こえてきそうですが、それはもうおっしゃる通り!私も今まで一度もわかってもらえた事ありません。はっはっはっ。トン単位に換算してやっとわかってもらえますね。)

    -------------
    この感覚は人に聞かれた時だけの話ではありません。例えば引張強度27kNのカラビナがあったとしますね。これを「27kNまで使っても大丈夫!」と捉えるか、「27kNでぶっ壊れちゃう!」と捉えるか。

    みなさんはどちらの感覚でいますか?

    そして、ここにWLL(Working load limit)の概念を導入するべきです。使用荷重ってやつですね。人間がぶらさがるなら、安全率は10。先ほど例にだしたカラビナだったら、WLL2.7kNになります。使用荷重270kgとほとんど同義です。

    つまり、破断荷重27kNのカラビナを持っているならば、「このカラビナに負荷していい静的荷重は270kgくらいなんだなー」と思っておいた方がいいです。

    もっと言いますと、動的荷重の問題ですとか、CTFの概念ですとか、新品と使用済み品の違いですとか、ロープならノット強度ですとか、色々な事を考えつつ使う事になります。

    (まあネットショップなどでカラビナを見る時は、WLLくらいまで考えておけば充分のような気もしますけども。)

    ------------
    (余談)

    何故いきなりこんな話をしたかといいますと、新聞のとある記事にて「最大6トンまで耐えられるロープ」って記載があったからです。このロープってのは船舶用の1/2インチロープのことを指していました。だから1/2インチのリギングロープ程度の強度のはずです。で、無茶な書き方するなーと思いまして。

    私も山のおっちゃん達にダイニーマスリングを見せて「これ23kNまで耐えられるんすよー」なんて意味のない自慢をして遊んだりしていますけども、施主さんなど外部の人間相手にそんな言い方しませんぜ。

    更に余談。日本で製造されている器材の強度表示って「使用荷重」の場合が非常に多いです。それに対して、海外の器材は「破断強度」の場合が多いんですね。使用荷重には安全率というマージンがとってあります。使用荷重と同じ感覚で破断強度を見ていたら、いつか痛い目にあいまっせー。

    | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2011年3月18日 (金)

    ブランメルスプライスのアイを再考する

    以前、ブランメルスプライス(Brummel Splice)のアイについて記事を書きました(これこれ)。あれから色々な資料や意見を知り、考えがちょっくら変わったので、現在の意見を書いてみようと思います。
    ※注意してほしいのは、今回書いている内容は「ダブルブレイドのフリクションコード」だけに通じる話です。Ice-Tail等の12ストランド製品は関係のない話であります。なので記事内でフリクションコードと書いているのはすべて「ダブルブレイド」のコードの事です。

    【コア(内芯)がめちゃ重要】
    フリクションコードのアイをブランメルスプライスで作った場合、コードにかかる荷重はコア(内芯)だけで受け持つ事になります。外皮は単なるカバーの役割を果たすだけで、コードの強度にはほぼ関係していません。何故なら外皮はアイの手前で完全に切り離されていますからね(Whippingしている分の強度はあるでしょうが…)。外皮は摩擦からの防御、紫外線の防御、使用感の向上等などの役割を受け持ちます(これはこれで非常に重要)。

    つまり、フリクションコードのアイをブランメルスプライスで作る場合、コアの性能が非常に重要です。
    _

    【.コアだけで充分な強度を持つ必要がある】
    ブランメルスプライスをする場合、コアが充分な強度を持つ事が必須条件になります。単なるポリエステルやナイロン素材のコアを持つコードは、恐らく充分な強度を出せないでしょう。例えばトイフェルベルガーのOcean。あれのコアは高性能ポリエステルです。8mmの場合、完全なコードだと20kN、外皮が破断してコアのみの強度は10kNになります(ファクトリースプライス、シングル吊りの場合)。

    オーシャン8mmのアイをブランメルスプライスで作った場合、強度はコアだけで受け持つ訳ですから、MBS8~9kNくらいだろうと予想されます。ノットでアイを作る方がよっぽどましです。はっきり言って常用できる強度ではありません。だからこそ、WesSpurのお店でも、オーシャンはClass1スプライスで売られているのだと思います。

    (ファクトリースプライスって何?と思われる方もいるかもしれません。これは製造メーカーが工場で作成したアイ・スプライスの事です。メーカーがコードに対して指定したスプライス方法を指す事もあります。オーシャンのファクトリースプライスは縫込み縫製、シェリルのグリズリースプライスみたいなもんです。)

    (Ocean以外ですと、Bee-Line3/8inch(9mm)もコアがポリエステルです。絶対ブランメルスプライス・アイを作ってはいけません。)

    【ダイニーマとスペクトラはやばい】
    コアだけで充分な強度を出そうとした場合、高性能繊維を使用しないとなかなか厳しいでしょう。木登り人が使用するフリクションコードのコアによく採用されている繊維はテクノーラです。他にもベクトランを使用したコードもあります。

    ただ問題はArmor-Prus。こいつはコアにスペクトラを採用しています。このコアは8ストランドなんですが、その内の6本がスペクトラ100%、残り2本がスペクトラとケブラーが50%ずつ、という構成になっています。(スペクトラはダイニーマとほぼ同義。商標の違いみたいなもんです。以下はダイニーマに統一します)

    ダイニーマはかなり優れた性能を持つんですが、同時に凄まじい欠点を持ちます。それは融点が非常に低いという事。約135℃で強度が50%低下、約160℃で融解します。フリクションコードはクライミングヒッチを作る為の道具ですので、ヒッチの摩擦熱がモロに影響します。

    もしArmor-prusをブランメルスプライスをした場合、コアが熱損傷を受けるとどうなるでしょうか。肝心の強度はコアだけで保持しています。たとえ外皮が損傷を全く受けなくても、コアが切れたらそこで終了です。

    だからこそ、TreeToolsさんのブログで「Armor-prusのスプライスはブランメルじゃなくて、Class1がいいと思うんだ」と書いてあったんだと思います。

    【Class2スプライスも同様です】
    ここまでの話はブランメルスプライスだけでなく、Class2スプライスも状況は同様です。Class2も外皮同士は全くスプライスされていないので、両者は荷重はコアにがっつりかかる(Core-dependent)という点でほぼ同じです。Class2はアイ部分も外皮をまとっているというところが違いますね。(もちろん両者はスプライス方法が全く異なるので、他にも様々な違いがあります。Class2は強度低下がかなり少ない、ブランメルはスプライスが簡単で信頼性が非常に高い、って感じらしいです。)

    【剥き出しのアイ問題】
    高性能繊維は一般的に「耐光性に弱い」という非常につらい難点があります。Ultra-TechやBee-Lineのコアに使われている高性能繊維、テクノーラも耐光性はあまりなく、約3カ月の日光曝露で強度は約半分になることもあるそうです。これはなかなか由々しき事態です。

    (ちなみにダイニーマは耐光性に優れています。結構珍しいです。だからこそあれこれ欠点はあってもロッククライミングのスリング素材に使用されるのかなーなんて考えています。)

    普通にコアの役割を全うするなら、この耐光性はほぼ影響ないんです。外皮が光を遮って守ってくれるんで。ただブランメルスプライスしちゃうと、コアの部分は剥き出しになってしまうので、外皮のシールド効果は全く期待できません。

    コアが剥き出しになってしまった事による弊害は他にもあります。繊維がばらけてしまう。コアが傷つきやすい。曲げ応力が増加する。などなど。

    (ちなみに、ウルトラテックのコアに使われているテクノーラはおそらくコーティング処理がしてあります(青色の部分がそうだと思われる)。しかしアイ部分はカラビナに苛められるので、すぐに剥げてきます。ほとんど意味を為しません。)

    【シールドがないなら、シールドしてあげればいいじゃない】
    ブランメルスプライスのアイの事を考えれば考えるほど、外皮の役割の素晴らしさを痛感する訳ですが、嘆いてばかりもいられません。外皮がないならコーティングしてあげればいいんです。色々と調べたんですが、コーティング剤は市販されています。Star Brite「Dip-it, Whip-it」と、Yale cordage「Maxi Jaket」の2種類です。

    私はWesSpurで「Dip-it…」を購入したんですが、あまり宜しくないかもしれません(汗)。海外BBSにて「Maxi Jaketの方が優れているよ」って意見もありました。でもマキシジャケットは取り扱い店が恐ろしく少ないのが欠点です。

    まあでもコーティングすれば光を直接浴びる事はなくなります。それに繊維がばらけないので使用感も向上します。あとはそのコーティング剤をそんな用途で使っていいのかどうかって問題だけです。結構な大問題なんですけどね。

    【まとめ】
    そんな訳で、以前はブランメル・アイを毛嫌いしていたんですが、今は「コアに使われている繊維の性質を考慮した上で、剥き出しのアイをコーティングすれば充分使用可能なんじゃね??」という気持ちになっています。

    注意したいのは、どのメーカーもブランメルスプライスを公式に認めていない点です。この意味を充分に考えてください。

    もっと個人的な意見を言いますと、「いやいや、シェリルのグリズリースプライス製品が最強でしょう」と思っています。色々な方からの情報のおかげで積年の悩みだった「シェリルの配送料が馬鹿高い」問題が無事解決しそうなので、わざわざWesSpurでブランメルスプライス製のフリクションコードを買う必要がなくなってきたんですよね(笑)。

    グリズリースプライス大好きです。スプライスによるコードの肥大化・硬化もないですしねー。5/16inchウルトラテックなんて細すぎてちょっとびっくりするくらいです。でも縫製部分が巨大化するので、そこをどう判断するかによって評価は変わるでしょう。すべての人に「これはマストアイテムだ!!」と言えるようなギアは絶対存在しないです、はい。

    次回はDip-It,Whip-Itの使用感を書きたいと思います。

    | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2010年12月 5日 (日)

    樹上からのレスキューの一例を動画で見る

    【遭難、そしてレスキュー】
    樹上で作業者に何らかのトラブルが起こり、自力で地面にたどりつけなくなった場合、間違いなく遭難しています。

    そんな状況に陥った場合、誰かにレスキューをしてもらう必要がでてきます。ビクティムに意識があるか、怪我をしているか、しているならどんな怪我か、ロープの状態はどうか、クライミングシステムは何を使っているのか、などなど状況によってレスキュー方法は千差万別ですが、何はともあれビクティムを安全に地面まで降ろす必要があります。(救助する人を「レスキュアーrescuer」、救助される人を「ビクティムvictim」って言います。)

    そして「地面におろす」ところまでは作業チーム内で行えるようになっておく必要があります。同時にできるかぎりの怪我の応急処置も。

    【動画おもしろい!】
    さてさて、いやー実は面白い動画を見つけたんですよー。アメリカの「Rescue Response」っていう、ギアショップだかトレーニング団体だかよくわからない会社があげている動画です。

    CMC体系を応用した樹上レスキュー方法ですかね。AZTEK使ってるから何となくそう思っただけなんですけどね。ほんとにこの方法は安全なのかどうかよくわからないんですが、私は結構いいなーって思っています。

    とりあえず…この何とも言えない三文芝居が堪らないですね!何故わざわざアッセンツリー?とか、SRT登攀のストロークが短かすぎねーか?とか、おっちゃん、樹上でかっこつけてボソボソしゃべってるけど地上班に声届いてんの?とか、しょうもない事が色々と気になります。それも含めて面白い!

    【小姑のようなイヤラシイ目線で見てみよう】
    ラダー(縄梯子)があるのに、わざわざビッグショットでスローラインをかけるのは賛否両論ありそうですね。パウチがビクティムに当たったら目もあてられませんが、このラダーを本当に信用していいのかどうか、って問題もありますし。

    SRT登攀用の赤いロープのアンカーってどこなんでしょうね?根本にテンションレスヒッチっぽい事をしていますが(2:57あたり)…テンションレスは水平方向限定だしなあ。あ、これティンバーヒッチかな?そんな気がしてきました。でも、4:32辺りでここにプーリーセットしているんですよね。これってやっていいんでしたっけ??

    アッセンツリーはまあいいとして、何故わざわざ現場でフットループを装着する必要があるのか全然わかんないです(3:15、スクリューリンクをくるくる回している場面)。んなもん先につけとけよ、と思ってしまいます。
    チキンループ(緑色のロープ)は、これ、パーセルループかな?ハンドルにガースヒッチで留めるんかーとちょっとびっくりしました。私なら絶対やらないですね。取り外しが手間になりますから。ガースヒッチによる強度低下は別に問題ないような気がします(ノットによる強度低下より、トゥース式クランプの「約6kNでロープ破断」問題が先に起こりそうので)。ちょっとわかんないです。

    ちなみに3:24辺りでのSRT登攀方法が「フロッグシステム」です。この動画だとしんどそうにみえますが、それはこのおっちゃんが下手なだけです(笑)。腕のストローク幅が少なすぎるせいで、こんなちょこちょこしか登れないんです。更に言うと、アッセンツリー使ってまでラクするなら、パンタン(フットアッセンダー)も使ったらいいじゃん!と思います。

    AZTEKはほんといいですねー!オトコゴコロをくすぐられます。ちなみにAZTEKをちょっと試してみたい場合、わざわざ買わなくても自作可能です。「ロープアクセス技術の広場」さんに参考になる記事があります(こちら)。
    ツリーワーカーならリダイレクト用のダブルプーリーをふたつくらい持ってるでしょう。個人的には5コイル・プルージックがちょっと面倒なので、DdRTに使うクライミングヒッチで代用したほうがわかりやすいと思っています。たぶん代用してもいいはずです。でも確信はありません。
    ただレスキューで本気で使う場合、ダブルプーリーの破断強度などに充分注意してください。本気で使っていくならAZTEKキットを購入するほうがいいと思っています。うーん欲しいなー。リギングシーンでフィドルブロック代わりに使ってみたいです。リギングで使うとレスキューでは使えなくなるんで、すんごいもったいない気もしますが(笑)。

    5:56辺り、レスキュー用ハーネスにカラビナ(am'Dかな?)をセットしているんですが、ここにカラビナ使っていいんですかね?驚異の4方向荷重になるような…。(と思ったんですが、ペツルのピタゴールの説明書を見たら(リンク)、カラビナでOKみたいですね。)あとダブルフィギュアエイトのバイトが妙に長いのも気になります。

    6:40からIDでロワーリングしていますが、これタイミングが早いですよね。6:47の流れを見たらわかるんですが、この時、ビクティムはおそらく枝の上にたって、しかもびびって枝を掴んでいるんですよね。しっかりロープにぶら下がってもらってからロワーリングするのが正解でしょ。とは言え、荷重がかかってないとIDでロワーリングできないでしょうから、これは単なる動画の編集ミスっぽいですけど。

    最後、タンカじゃなくて歩かせるんかい(笑)。

    【なんだかんだで、動画はやっぱり面白い】
    まあ細々と言い出したら他にもありますが、それを差し引いてもほんと面白い動画だなーと思います。もし作業チームが3人以上の場合、こういった考え方もありだと思っています。樹上のレスキュアーの肉体的・精神的な負担が少なくて済むでしょうし、引き上げシステムが簡単に作れるってのも素敵だと思います。要はリギングシステムみたいなもんなので、ツリーワーカーなら感覚的にわかりやすそうですし。
    このレスキュー方法を軸にして、いろいろ応用を考えていくのも面白そう。

    この方法が本当に安全か、鵜呑みにしていい動画かどうかについては、私は自信がないので何も言わないでおこうと思います。まあなんだかんだ言って「SRTラインにSTOPをかましておく」システムの方が気楽そうなのはナイショです。色々な考え方があるでしょうし、一番自信のあるレスキュー方法が一番正解だと思います。


    【余談:スーパー遭難事件
    ちょっと話は変わりますが、遭難ってどこでもできます。私はスーパーの魚売り場で危うく遭難しかけたことがあります(笑)。夏キャンプの買出し時なんですが、雨に濡れてからスーパーに入ったんですね。お店に入ったときから冷房がガンガンに効いていて体調がおかしかったんですが、魚売り場近くはそりゃもう寒くて寒くて!

    みんながイカを買うかどうかで延々迷っている間に体力をガシガシ削られて、足が震えてくるのがわかりました。もう少し決断が遅かったら自力で店外まで脱出できなかったと思います。いやースーパー怖い。ほんと怖い。

    | | コメント (6) | トラックバック (0)

    2010年8月11日 (水)

    ブランメルスプライスの露出コア問題

    それでは前回の続き。今回は「コア剥き出しアイって結局どうなの?」という問題について記事を書いてみようと思います。

    参考にしたのはTreeToolsブログのこちらの記事(リンク)。ブランメル・スプライスとクラスⅠスプライスの比較記事です。
    対象コードはDonaghysの「armor Prus」(メーカーリンク)。あまり聞き覚えのない方も多いかもしれませんが、イギリス系のお店やBBSでちょくちょく見かけます。特徴としては外皮にテクノーラを使用している事。これにより耐摩擦熱性能と耐荷重性能を獲得しています。あと迷彩柄がおしゃれです。

    初めに言っておきたいのですが、Treetoolsのブログ主さんはあくまで個人的な意見として記事を書いておられます。そして「ArmorPrus」のブランメルvsクラスⅠの比較をされています。それを援用して、私は「ウルトラテック」のブランメルを考えます。そこのところを注意してください。

    それでは見ていきます。

    【スプライスのせいでコードが硬くなる】
    スプライスをしたコードは、アイ上部が硬くなります。コードをコードに挿し込む過程でそういった範囲がでてくるんですよね。これは仕方ない事です。そしてこの硬化はフリクションヒッチの挙動に影響を与えます。ヒッチがうまく極まらないだとか、ブレイクした後にグリップしにくくなるとか。

    クラスⅠと比較して、ブランメル・スプライスは硬くなる範囲が少なくて済むらしいです。つまりブランメルの方が柔軟性があるという事です。これはいつも当ブログに貴重なコメントをくださっているヨシミさんも同様の事を言及しておられます。

    【え、硬いんですけど…】
    しーかし、私の持っているWesSpurのウルトラテックは硬い範囲がでかいです。写真をご覧ください。着色部分が堅いところです(多少の誤差はあります)。
    Dsc00802_s2

    この部分までコードが差し込んであるという事になります。柔らかいところの方が少ないでしょ。使いにくいんですよー(涙)。正直、ヨシミさんにいただいたクラスⅡスプライスのウルトラテックの方が明らかに堅い範囲が少ないです。

    まあこれはWesSpurのコードの問題ですから普遍的な話ではありません。でも私には深刻な話です。

    【強度的に大丈夫なの?】
    スプライスの引張り強度試験をした場合、クラスⅠよりブランメルの方が高強度です。詳しくはTreeToolsブログのこちらの記事を参考にしてください(リンク)。しかしブランメルはコア剥き出しです。以下、その点を考えます。

    【熱抵抗性の低下】
    「ArmorPrus」の内芯はスペクトラ/ケブラーの複合繊維です。こいつ達は耐熱性に劣ります。スペクトラが約147℃、ケブラーが約426℃で融けだすらしいです。で、スラックテンダー用のプーリーと併用した場合、そのプーリーで発生した摩擦熱はすぐ傍にあるフリクションコードのアイに伝わる心配があり、それってやばくない?…こう言うことをTreetoolsさんはおっしゃっています。

    ただ、この点はウルトラテックはあまり気にしなくても良いかもしれません。内芯はテクノーラですので。うーん、何とも言えません。

    【露出したコアは脆い】
    そして、Treetoolsさんが一番恐れているのは「露出したコアの織りはゆるく、耐摩耗性が低い」事です。

    まず考えられる事は、「カラビナのノーズが通りにくい」問題です。無理やり通そうとするとコア内側の撚り糸を数本ぶちぎっちゃう事もありえます。いやほんとこれは鬱陶しいです。

    そしてTreetoolsさん曰く、一番重要な事は「荷重がかかった時、コアは簡単に丸みを失う」問題です。これはどういうことか。

    下の写真をご覧ください。荷重によってアイの丸みが失われます。そしてヒッチクライマーのカラビナホールとカラビナの間には隙間があります。この隙間につぶれたアイがひょろりと入り込んでしまった場合、アイの繊維は容易に破断することは想像できると思います。
    Dsc00803_sp

    じゃあヒッチクライマー以外だったらいいんじゃないの?いや、そんなことはないです。プーリーを挟むようにプルージックコードをセットした場合、同様の事が起こり得ます。ただ、荷重をかけたらその隙間自体も閉じるんじゃないの?と思わないでもないです。言いたい事はわかりますが、私はこの意見を全面的には支持しきれないですね。

    しかしながら、メーカーとしてはコアを露出した状態で使用する事を想定していない可能性はあります。ちょっと調べる元気がおきないので確定的な言い方はできませんが、コアの露出を容認するとは…あまり思えないんです。

    【紫外線対策】
    これは私の意見です。先日コメント欄に「テクノーラの耐光性の低さが気になる」と書きました。帝人のテクノーラのサイトを見ても「高強力繊維は一般に耐光性は低く、テクノーラ®も約3ヶ月の日光曝露で強力が半減することがあります。」とあります(リンク)。

    しかしながら、WesSpurのカタログを見る限り、高性能コードってほとんどがテクノーラを含んでいるんですよね(汗)。ウルトラテックはコアにテクノーラを使用しているだけまだマシとさえ言えます。

    つまり、耐光性の問題はアイがどうのといった問題ではないということです。「高性能コードは使用三か月で取り換えるべきだ」と、パオロさんはこちらの資料でおっしゃています(pdf資料、p42 10.5)。妥当な線かも…私も思います。

    【最後に】
    あーだこーだと言っていますが、是非ともTreeToolsブログの該当記事をご覧ください(こちら)。そちらの方が手っ取り早いです。もともと私が露出コアに否定的なので、TreeToolsさんの意見を都合よく捉え過ぎている可能性もありますし。

    個人的な意見としては「ブランメルスプライスの強度低下の少なさは認めるが、露出したコアは何かしらの不具合を引き起こす」と考えています。具体的には今後はシェリルのグリズリースプライスのウルトラテックを使用するつもりです。これを買い貯めておくようにします。

    | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2010年5月26日 (水)

    CTFの概略について 続き

    (追記05/27:すっごいくだらない話ですが「Riginng Connsepts」の略をリギセオからリギコンに変更します。題名がリギングセオリーだと何故か思い込んでいました…)

    それでは前回に続いてCTF(Cycle to Failue)について、いっちょ書いてみようと思います!個人的には理解したんですが、まだ手に馴染んでいないのでうまく説明できるかどうか未知数であります。

    今回の参考資料は前回から引き続き、こちらのサイト(http://www.treemettlenexus.com)内の記事「Tree Rigging Concepts」(以下リギセオリギコン)です。そして前々回の記事コメントにて月光仮免さんにいただいたアドバイス、及び月光仮免さんの記事を参考にしてます。感謝です!

    【仲良し四人組の関係】
    早速ですが、具体的な例をあげます。リギコンに記載されているロープに関する安全率とCTFの関係です。破断強度(BS)、安全率(SF)、使用荷重(WLL)、CTF、それぞれの関係はこうなります。(※単位がkgになっていますが原文ママです。以下の説明もkgで書きますが、普通ここはkgfじゃねえの?と思います。)

    ・BS 10,000 kg / SF10 = WLL 1,000 kg ⇒ 1000以上のCTF
    ・BS 10,000 kg / SF 5 = WLL 2,000 kg ⇒ 750 CTF
    ・BS 10,000 kg / SF 2 = WLL 5,000 kg ⇒ 100 CTF

    「安全率を下げる→CTFさがる」という点に注目してください。「破断強度÷安全率=使用荷重」の部分は前々々回で紹介した通りです。リギコンでは、CTFの説明は「repeat loads before failure」と書かれています。

    【CTFの捉え方】
    この式におけるCTFってのは「新品ロープをある安全率で運用した場合、疲労で破断するまで何回くらい使えるかなー」っていうイメージを表しています。リギコンには特に明記してありませんが、この荷重は静的荷重でしょう、間違いなく。安全率を低くとるにつれてCTFは劇的に低下しています。注意したいのはCTFの数値自体は厳密なものでなく、あくまで確率的なものです。

    例えば安全率5の場合を見てみましょう。この時の使用強度は2000kgですね。で、使用強度きっちりの静的荷重をロープに与えると…目安として「750回でロープは壊れる…かもよ」って事です。厳密に750回目で切れるとか、750回目までは保障するとかそういう話ではないです。

    【逆から捉えると】
    逆に言うとこの場合「2000kgの静的荷重を与えた場合、750回で壊れるくらいの疲労がロープに蓄積していると思ってね」って事だと思います。

    安全率2の場合、CTFは100です。安全率5の時のCTF(750)より急降下しています(この具体的理由は下記補足にて)。「5000kgの負荷がかかると、2000kgとは比べモノにならないくらい、ロープはダメージを蓄積するんだな」という事がわかります。

    破断強度に近い負荷がかかるほどロープに蓄積する疲労は激しくなる。そういうイメージを伝える為の数値としても、CTFは存在していると思います。

    【安全率とCTFの関係】
    では安全率10の場合、つまりロープにかかった最大負荷が破断強度の10%の場合ですね。この時CTFは「many 1,000’s 」です。

    ここまでくるとロープが疲労破壊する確率はほぼ無視できるかも…と考えられます。リギセオによると「疲労破壊が起きる前に、経年劣化や目に見える不具合によってロープを廃棄することが可能」になります。

    だから一応の運用指針として「疲労破壊のリスクを極力軽減する為に、負荷荷重が破断強度の10%(安全率10)までに収まるよう運用すっかー」となるんです。

    しかし、例えばロープを安全率10でずっと運用してても、うっかり「破断強度の50%程度の負荷」を与えてしまった場合、そのロープ自身のCTFは激減します。その時点からロープの破断リスクは非常に大きくなる訳です。

    【疲労破壊の進行はわからない】
    ロープの疲労破壊は金属の疲労破壊より遥かにややこしいです。と言うか金属などで使われる「疲労破壊」って概念が便利だからロープにも適用しているだけで、実際は似て異なるものなのでしょう。

    それに単純に負荷といっても色々な負荷方法があります。静的荷重か動的荷重かの違いでもロープの疲労の仕方はずいぶん異なるでしょうし、繰り返しの時間的サイクルの違いによっても疲労の仕方は異なるでしょう。もちろんロープの種類によっても変わるでしょう。

    ここを突っ込んで調べてもいっても魑魅魍魎の世界が広がっているだけですし、あまり有意義ではないかもしれません。疲労破壊によってロープが破断してしまう危険から自己防衛する為には、吊り荷の重量や衝撃荷重をしっかり意識していく方が現実的に有効ですし早道だと考えます。

    【最後に】
    わかりにくい説明ですみません。この程度の理解・説明が文系人間の限界でございまして、正しく用語を使えているかどうか(汗)。なーんとなくCTFの限界とその有用性を理解していただければ幸いです。そしてCTFを意識した上で安全率を考えていただければ、と思います。

    前々回の記事のコメント欄にて月光仮免さんがおっしゃっていた「安全率という言葉を使った瞬間、内容は確率の話になる」という言葉は、名言だと思います。

    【補足】
    ちなみに今回はロープを例にして解説しましたが、リギコンにはロープ以外のギアについても安全率とCTFの関係が記載されています。参考にしてください。

    あと、リギコンによると「編み込みロープの場合、破断強度の40%の負荷はロープの伸び性能に永久的に残る深刻なダメージを与える」とあります。これが安全率2の場合にCTFが激減している理由の一つでしょう。
    これに関連してサムソンのサイトに「ロープの伸び性能と負荷」について簡単な説明があります(こちら)。参考にしてください。

    | | コメント (0) | トラックバック (0)