カテゴリー「カラビナの話」の6件の記事

2010年10月 1日 (金)

「カラビナを片手で開ける」の巻

10月になりましたが、いまだに除伐が終わりません(笑)。現場の状況としては、サルトリイバラとシダとマツの巣窟みたいになっていまして、そこに案外元気にヒノキが生えているといった感じです。イバラで傷まみれになりながら頑張っております。高さ2mを超えるシダであふれている谷に突っ込んでいくのは中々勇気がいるものです。

さてさてそういう訳で、今回は「トライアクトタイプのカラビナを片手で開ける」方法です。全くもってどうでもいいような話ではありますが、実は知り合いのOさんに教えてもらうまで私はうまくできませんでした(汗)。今でも苦手であんまりやらないです。

【レッツチャレンジ!】
ポイントはひとつ。「薬指でカラビナを持つ」ってだけです。↓
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↓そしたら親指・人差し指・中指で安全環をつまみます。
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↓つまんだらぎゅっと上にあげる。(DMMはここのストローク幅がペツルに比べて短いように感じます。)
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↓そのままぐいっとひねり込みます。
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↓で、ゲートを開けます。センチネルは小さいから逆にちょっとツライ。
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以上です。今回のモデルはDMMのカラビナ「センチネルHMS」さんでしたー。


【蛇足】
ちなみにセンチネルはフリップラインアジャスター(トランゴのシンチ)の接続に使用しています。ここは小さいほうが便利だと思っています。
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装着例。我ながら短足ですねー。
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2010年9月17日 (金)

カラビナの形状の種類

今回はカラビナの種類についてふらふらと書いてみようと思います。だいたい下写真のような種類があるんじゃないでしょうか。

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【オーバル型】
楕円型のカラビナです。 上写真では左右対称型なんて書いていますが、そんなややこしい話ではなく要は楕円型なんです。このタイプは多少の微妙な違いはあれど基本的にこんな形状をしています。

特徴としては、まず第一に強度があまり出にくいです。アルミの場合はだいたい24kNくらいでしょうか?一番わかるのはペツルのスチールカラビナ「オグザン Oxan」でしょう。スチールのくせにメジャーアクシス強度は27kNしかありません。

じゃあそんな中途半端な強度のオグザンなんていらないじゃん、と思われる方は生粋のツリーワーカーです。スチール製っていうのが重要なんですよね。鉄製の構造物やアンカーをクリップするときにアルミカラビナを使うと鉄がアルミをえぐっちゃうので、スチール製のオグザンを使ったりするわけです。ちなみにDMMのスチールオーバルだと30kNです。

オーバル型、私は大好きです。一番汎用性があって癖がないと思うんですよねー。使用に充分な強度を持ちますし、オーバル型は駄目!というシチュエーションはほとんどない気がします。とりあえずペツル「フィックス Fixe」みたいな固定プーリーを使う場合はオーバル型一択だと思います(や、HMS型でもモノによってはなんとかなるか…?)。

そうそう、オーバル型の一番の弱点は重量があることかもしれません。大抵70gはオーバーします。

【D型と変D型】
この二種、わざわざ分けて書く必要もあまりない気もしています。D型ですが現在ほとんど見かけないです。と思いきやスチールカラビナにはまだ残ってたりします。おそらくですが、D型の開口幅をコンパクトなまま更に広げたい!という要求のもとに変D型は生まれたのではないでしょうか。

変D型はよく見かけますよね。ロッククライミングで使うカラビナはほとんどこれです。ロープがクリップしやすいんでしょう。オフセットDなんて言い方もします。

特徴としては、非常に強度がだしやすい!その形状を見れば一目瞭然ですが、スパインにしっかり荷重がのるような形をしています。しかしながら、そのポイントは結構狭いです。ロープをクリップするなら全然問題ないんですが、例えばペツル「マクロセンダー Macro Sender」のようなロープグラブをクリップするにはあまり宜しくないと思っています。ポイント付近に傾斜があるのできちんとセットできません。。他にも前述のプーリー、ペツル「フィックス Fixe」をクリップしようもんなら…さすがにまずいです。

要は「D型や変D型のカラビナは点をクリップできるが面はクリップしにくい」って事です。

そんな訳で私はあんまり変D型カラビナを使いません。DMM「ゾディアック」をペツル「RIG」の取り付け用に使っているくらいでしょうか。

この点、ペツル「amD」はなかなかよくできています。よくある変D型とは違ってポイント付近の傾斜があまりないんです。フィクスはちと無理ですが、ロープグラブくらいなら問題なくクリップできます。だから私は好きです!傾斜の緩いD型カラビナって感じですね。

ちなみに上写真のD型カラビナですが、じいちゃんがその昔買ったもんです。コングの前身である「コング・ボナッティ」のもの。重いし、緑色のコーティングは単なる塗装だし、時代を感じます。ネットで調べたら結構人気商品だったみたいですね。もちろんクライミングには使っていません。でも愛着はめちゃくちゃあるのでアクセサリー的に使用しています。

【HMS型】
さあ出てきました問題児のHMS型です。洋ナシ型って言ったりもします。何が問題って形状違いの種類が非常に多いです。

とりえあず「HMS」ってなんじゃいって事ですが、これはドイツ語でミュンターヒッチ(半マスト結び)を指す単語の頭文字をとったものです。つまり元々はミュンターヒッチをする為のカラビナです。現在はビレイ器をクリップする機会が多いのかな?その為HMS型は「ヒンジ側は点、ノーズ側は面」をクリップするような形状をしています。

ただ前述したとおりHMS型はいろいろな形状のものがあります。個人的に一番HMS型らしいカラビナの形状っていうとノーズ側が平らなBD「ミニペアラビナ」とかペツル「アタッシュ」でしょうか。DMM「エアロ」みたいにノーズ側が丸いものもあります。

上写真に掲載したDMM「センチネルHMS」を見てください。変D型に似ているでしょ。おそらくセンチネルHMSは面にも対応しつつ、点をクリップしたらスパインに荷重がのるポイントに移動するよう設計されてるんではないでしょうか。そのせいでこいつは変D型といっても差し付けないくらい「変D型に近似したHMS型」だと思います。こういったように変D型を意識したHMS型カラビナは多いように感じます。

個人的に今欲しいのはノーズ側が平らなタイプ。フリップライン用フリクションヒッチをクリップしたいんですよねー。知り合いのOさんがやってるのを見て「こりゃすごいイイ!」と思いまして。が、このタイプってスクリューロック仕様は溢れていますがトライアクト仕様のものは非常に少ないです。私が知る限りDMM「リンクス」「ファットボーイ」くらいですし、これらは既に廃盤品です。市場にはほとんどないのでは?と思ったらISC「KH214」(シェリルでいうところの「Mighty Mouse」)がありましたね。

【それぞれの使い分け】
使い分けですが、これは各自の考えによるもんだと思います。

私が考えるのは「点をクリップするか、面をクリップするか。」くらいです。ハーネス側は点で考えればいいですし、機器側はその機器によります。RIGやSTOPといった下降器は点で考えますし、エイト環は点だけども可動性の余裕を確保したいのでアール形状のもの(オーバルやノーズ側が丸いHMS型)がいいし。ロープグラブやフリクションヒッチは面。とかそういう感じで考えています。

迷ったらオーバル型かHMS型で良さげな物を探すといいと思います。ロープアクセス時代はオーバルだけでほとんど何とかなったくらいです。個人的に変D型は使い道に困ります。ロープをクリップするには最適なんでしょうけど、ギア類のセットにはあまり向いていないような気がします。でもこれもまた考え方・状況次第です。変D型にもいろいろな形がありますしね。

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2010年9月13日 (月)

カラビナの強度的な話でも

今回も引き続きカラビナの話です。カラビナの強度について考えます。まずはこちらのイラストをご覧ください。「てこの荷重」のイラストがなんともいえない感じなのはご愛嬌という事でお願いしまっす。

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この5種類の荷重のうち、普通のカラビナはメジャーアクシス方向の荷重のみ許容します。他のタイプの荷重がかかるとカラビナの強度は劇的に低下します。

【メジャーアクシス】
メジャーアクシスの強度を担うのは基本的にカラビナのスパインです。

D型や変D型のカラビナはスパインにがっつり荷重がかかりやすいように設計されています。HMS型もモノによっては変D型チックな形状にしてスパインに荷重がかかりやすいようにしてあるものがあります。オーバル型の場合、正常状態でもスパインだけではなく上下のアール部にもがっつり荷重がかかってきます。この為、D型と比べて強度が少々低いです。

何にせよ荷重が一番かかるのはスパインですが、この時ゲートが閉じていることが非常に重要です。

【ゲートの役割】
これは私の推測なのですが、オープンゲート荷重ってありますよね。だいたい7~8kNくらいでしょうか。この時、カラビナはみにょーんとメジャーアクシス方向にのびていると思うんです。金属だってのびるんです。ゲートが開いている場合、スパインにはまだ強度があるけれども、上下(上記イラストでは左右)のアール部が引き裂かれるように破断する、そんな気がします。Cチャンがぶっ壊れる場面をイメージしてもらえばわかりやすいでしょうか。

そんな訳でゲートはアール部が引き裂かれないようにする役割を果たしているんだと思います。通常状態のカラビナのゲート部を見ても隙間があいていますよね。高負荷がかかった時、カラビナのボディが延びてこの隙間を塞ぎます。そしてゲートはカラビナの形状を維持するように努める。こんなイメージをしています。

まあこれは私の勝手な想像ですので、実際にはまるっきりウソかもしれませんし、これがわかったところで「だからどうした」と一蹴されるような話なのであまり気にしないでください。
要はゲートが閉じてメジャーアクシス方向に荷重がかかっていればいいんです!

【ウィップラッシュ現象】
ロッククライミングの場合、ウィップラッシュ現象によってカラビナが破断する事故が起きています。この現象についてはネットで検索するといくらでも記述があるので詳しくは書きません。簡単に説明すると、安全環なしタイプのカラビナに衝撃荷重がかかった場合、瞬間的にゲートが開いてしまって、(オープンゲートになって)強度が低下したカラビナが破断する現象の事です。

ツリーワークの場合、安全環なしタイプのカラビナをそんな重要な場所で使う事は絶対ないので、あまり気にしなくてもいいかもしれません。でもこれを知ってると安全環への愛情が一段と湧いてきます。

【マイナーアクシス】
マイナーアクシス方向に荷重がかかるのは見た感じからして…NGですよねー。わざわざマイナーアクシス方向に荷重をかける方はいないでしょう。しかし、ついうっかりそうなってしまう場面は案外多いです。

例えば、こんなふざけたターミネーションノットを作っちゃった場合。写真にノットが写らないくらいアイが馬鹿でかいです。
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ゆるーいアイの場合、(枝などに立って)クライミングラインから荷重が抜けた時にカラビナがくるっと回っちゃったりするんです。ふと気づくと恐怖のマイナーアクシス地獄という訳です。こうならない為にもゴム留めやコーナートラップをうまく活用していくべきだよなあ…としみじみ思います。

ロープだったらまだマシですが、下降器などがゲート部に引っかかった場合、マイナーアクシスだとか強度云々といった話ではなく、ガチンコで超危険です。てこの原理でゲートが破壊します。安全環をぶちぬいちゃうんです。これについては「続・生と死の分岐点」P131~に記載があるので是非お読みください。もしくはペツルのカラビナの説明書にも記載があります。

【三方向荷重】
普通のカラビナは三方向から荷重がかかる事を想定していません。

私が知る限り、三方向荷重がOKなカラビナはペツル「オムニ」くらいです。このオムニもどんな三方向でもOKではなく、使用用途としてはファルコンアッセントやケイビングハーネスの腹部アタッチメント連結などを想定しているはずです。しかも私ならオムニ使うよりデミロンド使うだろ、と判断したいです。そんな訳でオムニったら使いどころは非常に限定されていますし、それ以外の用途に使うには敷居が非常に高いと思っています。有り体に言うと軽々しく使えるもんじゃないって事です。

ツリーワーカーが出くわす三方向荷重の例はこんな感じです。ワーキングエンド側のカラビナとフリクションヒッチのコードが別方向に引っ張られています。(フリクションヒッチの両足は同方向の荷重なので、ひとつの荷重とみなします。)
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…あれ、これってもしかして大丈夫?オーバル型でやったせいで何か問題なさそうに見えてきました。でもやっぱり気持ち悪いから私はNGって判断します。わざわざこんな危険そうな事をしなくてもヒッチクライマーで問題を回避します。

【てこの荷重】
これが一番ややこしい問題を孕んでいると思っています。正直わたしもどこがどうなのかよくわかっていません。

参考になるのはTreemagineersの資料「Go_Configure.pdf」(リンク)。いろいろな読み取り方ができると思いますが、私はまだ確固たる判断がついていません。うむむ…。


【いろいろな資料】
今回の記事について特にこれといった参考資料はありません。今までいろいろなシーンで知った情報を複合しています。

・全体的なイメージをうまく掴みたい場合、ロストアローのテクニカルインフォメーションの記述がうまくまとまっていて読みやすいです。
→ロストアロー 「2003・カラビナの強度」(リンク

・こちらの資料を読むとカラビナにどういった問題があるのかだいたい把握できると思います。写真見ているだけでなんとなくは理解できると思います。
→Treemagineers 「Karabiners_and_Connectors.pdf」(リンク

・下記ふたつの資料はまだ読んでいません。でもこれらを読んだら何か新発見がある気がしています。
→Treemagineers 「Go Configure, Arborist News.pdf」(リンク
→HSL 「Karabiner Safety In The Arboriculture Industry」(リンク

・ロープアクセス技術の広場さんの「鉄やステンは伸びて変形するが、アルミは割れる? 金属の性質について」の記事はひっじょーに勉強になりました。実はこの記事を読んで私は初めて引っ張り強度と破断強度の意味合いの差を知りました。

・あとは…「生と死の分岐点」「続・生と死の分岐点」も非常に勉強になりました。「生と死の分岐点」は絶賛廃版中のはずなので、アマゾンのマーケットプレイスなどで手に入れてください。アマゾンですと基本的にプレミア価格がついていますが、まあそこは諦めが肝心かもしれません(汗)。私は3000円で買いました。

【最後に】
いくらカラビナに強度があるとはいえ、それは破断荷重です。24kNのカラビナがあったとしたら24kNの荷重でぶっ壊れるんです。安全率を見越して考える必要があります。カラビナに破断強度しか記載されていないのは、メーカーがユーザー各自の用途に応じて適切な安全率を設定して使用する事を求めているからです。

ここを勘違いしている方がカラビナを使用するのは駄目だろうと強く思います。

あと今回の記事、我ながら調査不足の怪しい記述がチラホラとあるような気がします(汗)。何か気になる部分があれば、コメントをびしばしいただけると嬉しいです。

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2010年8月13日 (金)

カラビナのロッキング機構について

今回もカラビナの話です。何故カラビナの話が続くかと言うと、私がカラビナフェチだからです。今日はロッキング機構(スリーブ)について考えまっす。

【カラビナのロッキング機構いろいろ】
まずはこちらの画像をご覧ください。モデルは左からコング「オーバル ストレートゲート」、ペツル「OK スクリューロック」、DMM「ウルトラ‐O ロックセーフ」です。

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【ANSI Z133.1を基準に考えよう】
アメリカのアーボリスト達の労働基準のひとつ、ANSI Z133.1には、アーボリストがクライミングに使用するカラビナを規定している一文があります。ANSI Z133.1 (8.1.11)。シェリルの2010カタログp.60にも記載されているので是非ご覧ください。(ANSIってJISみたいな工業規格でもあり、労働基準でもあり、説明するのがややこしいんですよね…)

クライミングに使用するカラビナについて、このようなカラビナを使用するように定めています。
・自動閉鎖&自動ロック機能付き
・少なくとも3アクション
・破断強度は最低22.24kN(5000ポンド)

つまり上記写真記載のカラビナですと、DMM「ウルトラ‐O ロックセーフ」しかアメリカ基準に達していない事になります。

(補足説明)
3アクションの部分ですが、より直訳気味に書くと「ゲートをリリースする前準備に最低2回の連続して意図的な動作を必要とする、そういったカラビナを使うように!」となります。ですから「自動ロック機能付き・2アクション」のカラビナはNGです(例:ペツルのツイストロック)。

ちなみにロッキングスナップはこの条項の適応外で、それ専用の条項ANSI Z133.1 (8.1.10)があります。あとANSI Z133.1は今年改正されたみたいです。参考にしたシェリルのカタログ記載のものが2006年版だったので、上写真でも2006と表記しています。

【ロッキング機構いろいろ】

1アクション…ノンロッキング(安全環なし)のカラビナ

2アクション…シングルロッキングのカラビナ
・スクリューロック…安全環がスクリュー式。自動ロック機構はない。 
・ツイストロック…回して開けるタイプ。自動ロック機構はある。メーカーにより名称が異なる。

3アクション…ダブルロッキングのカラビナ
・ボールロック…ボールを押して回して開けるタイプ。ペツル製品に採用。
・トライアクトやロックセーフなど…押して回して開けるタイプ。一番使うタイプ。
・マニュアルロック…押して回して開けるタイプ。手動ロック機構。ロックエキゾチカ製。

4アクション…トリプルロッキングのカラビナ
・クアッドロック…どういう機構か忘れました(笑)。ISC製品に採用。

【あーだこーだ】
トライアクトタイプの正式名称ってなんなんでしょうね…。メーカーそれぞれ独自の呼び方をしています。ペツルの肩を持ちすぎる気がしてちょっと嫌なんですが、面倒なのでトライアクトタイプという呼び方でいこうと思います。だいたい意味は通じますよね?

上記のうちANSI Z133.1に適合するのは、ボールロック(ペツル)、トライアクトタイプ、クアッドロック(ISC)です。他のタイプは適合しません。あと気をつけたいのはアクション数とロッキング数は一致しないという事。ゲートを開ける動作がアクション数には含まれ、ロッキング数には含まれない事が原因です。

それではひとつひとつ見ていきます。

【スクリューロックの問題点】
Dsc00839_sそもそも自動ロック機能がない時点で厳しいものがあります。しかも2アクション。個人的には好きなんですが、深く言及するのは止めておきます。私自身、ツリーワークにスクリューロックは向いていないと感じています。私は妙に大量のOKスクリューロックを所有してますが、今後トライアクトタイプに随時変更していくつもりです。そしてどうしても使うならペツル製品限定ですね、スクリューがしまっていない事が一目了然でわかる赤い塗装がしてあります。
ただスクリューロックは緊急用ナイフ等の小物をハーネスにぶら下げる時には便利ですよ。

【ツイストロックの問題点】
Dsc00843_s正直言って、これが一番信用性がないと思います。ツイストロックは簡単にロック機構が外れます。ごちゃごちゃした作業をしていると勝手にゲートが開いていた、なんてことを経験済みです。ツイストロックは買わないべきです。ただペツル「フレイノ」がですねぇ、何故かツイストロックのモデルしかないんですよ(涙)。フレイノとストップの組み合わせは本当に使いやすいだけにすごく困ったもんです。フレイノのトライアクトが出たら真っ先に買いますね。

【ボールロックの問題点】
ペツルのボールロックは一応ANSI Z133.1に適合します。しかしながら私はこいつに懐疑的です。あのボールって手袋をしていると非常に押し込みにくいです。いっそトライアクトタイプの方が開けやすいんじゃないでしょうか。それに強度的な不安があります。安全環に無理がかかるとボールが破損するんですね。詳しくは「ロープアクセス技術の広場」さんに記事があります。是非ご覧ください。

【トライアクトタイプの問題点】
Dsc00848_s_2普段から一番使うであろうトライアクトタイプですが、これも絶対の安全を保障するものではありません。まず、ロッキング機構がバグって完全に閉まりきらない場合があります。詳しくはsatocさんのブログで紹介されています(リンク)。そしてロープなどの擦れにより勝手にロックが開いてしまう現象もあります。これは「ロープアクセス技術の広場」さんに記事があります。
ただこういった問題は孕みつつも、それでもやっぱり一番使い勝手の良いタイプだとは思います。ただ絶対安全だと慢心しない事が重要でしょう。ハーネスとギアの連結部にはクアッドロックもいいかもしれません。

【マニュアルロックの問題点】
ロックエキゾチカ製カラビナにこういったモデルがあります(リンク)。トライアクトタイプの自動ロック機能を手動ロックにしたもの。ロックしない場合は普通の安全環なしカラビナみたいな操作感を得られます。カラビナフェチとしては一枚くらいはいつか欲しいなあと思わずにいられません。satocさんのブログで紹介されています(リンク)。
しかしながら自動ロック機能がないのでANSI Z133.1には適合しません。

【クアッドロックの問題点】
ISC製のカラビナにこういったモデルがあります。すみません、詳しく知らないんです。推測でしかありませんが、おそらく片手じゃゲートを開放しにくいだろなーと思います。ランヤードとハーネスの接続、クライミングシステムとハーネスの接続、など樹上じゃはずさないだろーという部分にはいいかもしれません。樹上でギアラックからこれを取るのは…私はしなくないですね(汗)。


【まとめ】
結局のところ3アクションのトライアクトタイプが一番使いやすいでしょう。次点でクアッドロック。他のロック機構のものを使用するならそれ相応の覚悟がいるでしょう。使わない方がむしろ気楽だと思います。ツイストロックとボールロックは個人的な私怨により私は絶対買わないです。

そしてトライアクトタイプでも絶対の安全は保障されていません。カラビナセット時、そして作業中も目視による定期的な確認は必須です。オープンゲート状態は非常に強度が低下します。それにもしマイナーアクシスの荷重がかかっていればロッキング機構云々以前の問題でNGです。ゴムチューブ(リンク)やコーナートラップ(リンク)をうまく活用していきたいものです。

今回のカラビナの話はANSI Z133.1-2006(8.1.11)を基準に考えています。つまりクライミング用途限定の話です。他の用途についても流用できる考えもあるでしょうし、できない考えもあるでしょう。さらに、ANSI Z133.1を絶対順守しろ!と言いたい訳でもありません。この基準くらいしか私が知らなかっただけです。
ただ順守するに値するだけの説得力がこの規格にはあるのも事実です。少なくともしっかりと理解しておく事は必要でしょう。日本でも早くツリーワークに関する真っ当な労働安全基準が制定される事を望みます。

次回、カラビナの話はまだまだ続きます。


(蛇足)
こないだ諸事情あってバンジージャンプを飛んできたんですが、そこではペツルのamDボールロックが大活躍してました。レストレインとハーネスを接続するランヤードの両端にボールロックカラビナがついていました。こういう状況ではボールロックが一番使いやすいんでしょうね。ロープが安全環に絡む事もないし、指抜き手袋をされてましたし。どんな道具も適材適所がありますよねー。
あとバンジーはおそらく制動確保です。最下降点でも全く衝撃なし。いくらゴムコードとはいえ、あの感触は固定確保じゃ無理だと思います。カウンターウェイトが仕込んであるような印象でしたね。じっくり観察したらよかったんですが、レスキュー系のシステムっぽくて理解しきれませんでした。さすがに飛ぶ前は緊張してて余裕なかったですし。
ちなみに支給されたハーネスの使用前チェックをしていたら、ビビっていると思われてちょっと悔しかったのは内緒です。チェックくらいさせて欲しいですよねー。

それにしてもマニュアルロックのカラビナが欲しいです。実物のドクロマークを見てみたい!

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2010年8月12日 (木)

カラビナのゲート&ノーズ形状

引き続きカラビナの話を。今回はゲート形状とノーズ形状について書いてみます。

【ゲート形状】
カラビナにはストレートゲートとベントゲートがあります。ついでにワイヤーゲートも一緒に紹介します。

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ツリーワークですと、基本的にストレートゲートしか使わないでしょう。ストレートゲートの安全環付きタイプですね。私はベントゲートとワイヤーゲートに安全環が付いているタイプはいままで見たことがありません。

ベントゲートはロープのクリッピングしやすさを求めています。ロッククライマーには大切な事でしょうが、ツリーワーカーには全く関係ない事です。

ワイヤーゲートは軽量性を重視しています。そして「ウィップラッシュ現象」が起きにくいことも特徴です。ウィップラッシュ現象とは、墜落時の衝撃でゲートが瞬間的に開いてしまいオープンゲート強度しか保てなくなる結果、カラビナが破断してしまう現象の事です。これまたロッククライマーには重要なことですが、ツリーワーカーにはあまり関係ないと思います。

ベントゲートやワイヤーゲートのカラビナをわざわざ買う必要は全くないでしょう。もしロッククライミングが趣味で、そういったカラビナの新品を持っていたとしてもツリーワークには使わない方がいいと思います。まあ安全環がついていない時点で使えるシーンは非常に限定されますし、そういったシーンではどんなカラビナだろうが問題ないかもしれません。

私としてはベントゲートには全く興味がないですが、ワイヤーゲートは軽量性の観点から何か使えないかなーと考えています。まあほとんど思いつかないんですが。

あ、ベントゲートはハーネスに装着してギアラックにするっていう使い道がありますね!ペツルの「キャリツール」的な使い方をすると言うことです。ベントゲートの方がストレートゲートよりクリップしやすくて便利でしょう。

ロストアローのテクニカルページも参考にしてください(リンク)。

【ゲートロック種類、もしくはノーズ形状】

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上記写真の通り、ピンロックゲートとキーロックゲートの2種類があります。ワイヤーゲートをピンロックゲートと言っていいのかどうか。たぶんダメな気がします(笑)。

しかしながら重要なのはノーズの形状。「フラットか、もしくは凹み(ノッチ)があるか」です。(ややこしいのでフラットな場合はキーロックノーズ、ノッチがある場合はピンロックノーズと言うようにします。)

カラビナを購入する時は、できるだけキーロックを買うようにしています。私の手持ちでピンロックなのは「うっかり買っちゃった系」ばかりです。わかってて買ったのはリボルバーくらいです(私が購入した頃はまだ安全環付きタイプがあまり出回ってなかったんです)。

何故かっていうのは言わずもがなでしょう。ノッチがハーネスのギアラックに引っかかる。ロープに引っ掛かる。ギアに引っ掛かる。鬱陶しいったらありゃしないです。そしてキーロックの方がピンロックよりも強度的な安全性に優れます。キーロックの欠点は思い浮かばないですね。

【まとめ】
カラビナを買う時は、ストレートゲートでキーロックタイプを買っておけば間違いないって事です。さらに言うと、トライアクトタイプの安全環付き。安全環については別記事にします。



【補足】
今回の写真でモデルになってくれたのは、DMM「リボルバー」、BD「ポジトロン」、DMM「シャドウ」です。シャドウについて、この写真のものは旧タイプです。現在のものはボディの肉抜きによる軽量化とキーロックゲートの採用がされています。と言うか…今調べたらゾディアックも現行商品はキーロックじゃないですか!ありゃー!

【蛇足】
蛇足ですが、キーロックはコング社が特許を持っている(or持っていた?)そうです。そしてワイヤーゲートを初めて発表したのはブラックダイヤモンド社です。

ワイヤーゲートにもキーロックタイプの製品はあります。DMM「シールド」、ワイルドカントリー「ヘリウム」の2種類。そして間もなくペツルからも発売する「Ange」っていう製品です。ペツルとしては秋頃の発売だそうです。アルテリアがどうかはわかりません。
(そういやワイルドカントリーのカラビナってDMMがOEMしているらしいですね。お店でちょろっと聞いただけなので本当かどうかはわかりませんが。)

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カラビナの各部名称(0812追記あり)

今回はカラビナの各部名称について書いてみようと思います。

下の写真をみていただければだいたいわかると思います。ちなみにこのカラビナはDMM「ゾディアック ロックセーフ」。まさかピンロックゲートだったとは(笑)。(追記:現行のゾディアックはキーロックです。この写真のものは旧モデルでした。)

【カラビナの各部名称】
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【説明できるかな?】
では簡単な説明を。

ノーズ…ゲートとボディが結合する部分。ピンロックゲートのノーズは凹みがあって使いにくいです。

スリーブ…安全環の事。この写真のものはロッキングスリーブです。もっと的確でわかりやすいな単語があった気がするのに思い出せない…。

ゲート…カラビナの開閉する部分。この写真ですとスリーブに隠れて見えないですね。スリーブはゲートに含まれます。

ヒンジ…ゲートの可動点。蝶番の部分っていったらおかしくなりますかね。うちのブログでは今後「ノーズ側orヒンジ側」って言い方をするかもしれません。「変D型のボディはノーズ側よりヒンジ側が狭い」みたいな言い方。

ボディ…カラビナのゲート以外の部分。写真ですと銀色の部分すべてです。

スパイン…直訳すると「背柱」。写真ですと、ゲートの逆側。「DMM」って書いてある方の真っ直ぐな部分です。

【スパインについて】
スパインは非常に重要な役割を担っています。カラビナで一番強度がある部分です。スパインに一番過重がかかっていて、ゲート側もゲートがきちんとしまっている。つまりメジャーアクシスですね。この状態が一番カラビナの強度がでます。

D型・変D型のカラビナがありますよね?あれはスパイン部に荷重をしっかり乗せられるように設計されたものです。もし同じ素材でカラビナを作った場合、他の形に比べて変D型カラビナは高いメジャーアクシス強度を持つことが多いです。

【まとめ】
大してまとめることがありませんね(汗)。カラビナの話はまだまだ続きまっす。

【追記】
今回のモデルになってくれたDMMのゾディアック。私の手持ちはピンロックですが、現行はキーロックゲートです。というかDMMのカラビナはワイヤーゲート製品を除いてすべての現行製品はキーロックを採用しているはずです。

ネットで見ていると旧モデルのタイプを商品写真に使っているお店があります。大丈夫だとは思いますが、一応買う前に確認されることをおすすめします。(私が旧モデルの製品を買っちゃったのはこういう写真的な問題とは違います。真相は…ヒミツです。しょーもない事です(笑)。)

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